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【#8】退社した元社員のヨーロッパ1人旅<プラハ編②>

これは、拓匠開発に新卒で入社した社員(みほ)が会社を辞めて、2ヶ月間のヨーロッパ1人旅に出る壮大な(?)物語である。

みほは会社員時代に叩き込まれている(はず)の「拓匠力」を旅の中で活かし、人間として大きく成長することはできるのか?!


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プラハ城


3日目は朝から、プラハ城を観光します。

チケットはいろいろな種類があってよくわからなかったので、メインっぽいやつを適当に選んで購入。どうやらお城だけでなくて、それ以外のスポットも何ヶ所か見られるようです。

人の流れに沿って、まずは聖ヴィート大聖堂を見に行きました。


外見からイカついその大聖堂の内部には、神秘的な静けさがありました。

ステンドグラスに陽の光が差し込み、無機質な石の壁に柔らかく美しい色彩を映し出しています。
今にも神様が降臨してきそうです。


私はその荘厳な空間の中で目を閉じ、神に祈ることで救いを受けた人々のことを考えました。



天井から差し込む光が神々しい



しかし、この神秘的な雰囲気を楽しむことができたのは、ほんの10秒程度でした。

中国人ツアー団体の皆様が荒波の如く押し寄せてきて、聖堂内は瞬く間に支配されてしまったのです。

元気いっぱいに張り切る若いガイドの大きな声。
自撮り棒を高々と掲げてとても嬉しそうに動画を撮るおばちゃん。
スマホを固く握ってとにかく連写しまくるお姉さん。


荘厳な雰囲気から一転、聖堂内がテーマパークのように思えてきました。


磔になっている悲しげな表情のキリスト像を見ながら、「彼はこの状況に対して何を思うのだろう・・・」と考えずにはいられませんでした。



気を取り直して、次はこじんまりした教会に行きます。

ここにはツアー団体はおらず、静かな雰囲気の中、長椅子(チャーチチェア)に座ることができました。

せっかくなので神に祈ってみようと試みましたが、

早く髪の毛が伸びますように・・・」とか、
もう少し大人っぽく色気のある女性になれますように・・・」とか、

キリストにお願いしたところでどうしようもないような欲望まみれの祈りしか出てこず、祈ることの難しさを実感しました。



そして次は、「黄金の小道」という可愛らしい路地へ。

路地沿いの建物には、はるか昔の薬剤師や服屋、学者、騎士など、様々な人の家(インテリア)が再現されています。

気味の悪い絵画に囲まれた、狭くて硬そうなベッド。うさぎと鴨が吊るされた、臭そうなキッチン。簡素でこれまた臭そうなトイレ。こんなお家に住めと言われたら、流石の私も3日でホームシックになりそうです。




その後は王宮の体育館みたいな広間を見たり、よくわからないただの部屋をのぞいたりしました。

もうそろそろ全部見終わったかな?と出口へ向かったところ、地下室があったので入ってみました。

するとそこは、なんと拷問部屋でした。想像すると身震いする、恐ろしい器具が展示されています。

もう、気分は最悪です。気持ちが悪くて吐き気がしました。

私はグロテスクなものが徹底的に無理なのですが、これは完全に父親のせいです。

父親は肝っ玉の母と対照的に、怪我とか血の話になると「あぁもう無理、手に力が入らない・・・やめてぇ・・・」と弱々しく耳を塞ぎます。

昔はその光景を見て内心、なんて情けない人間なのだとバカにしていたのですが、後に自分も同じ性質であることがわかってすごく悲しい気持ちになりました。
引き継ぎたくないところばかり、引き継いでしまったものです。


好奇心で地下に降りたことを激しく後悔しながら、後味悪くプラハ城の観光を終えたのでした。




(急に)パリに行きたい


私は大学生時代、将来の夢はパリジェンヌだと言うほどパリジェンヌに憧れていました。

まず、彼女たちのファッション。

「今日はパジャマのパンツヴィンテージのバッグ皮のアウターブーツを合わせてみようと思う。このアクセサリーはおばあちゃんから受け継いだものよ」
みたいな訳のわからない自由すぎるファッションに、どうも心が惹かれてしまいます。

そして、彼女たちのメイク。いかに隠して顔を変えるか、ではなく、ありのままの自分を少し彩るような、シンプルで華やかなメイクを、楽しんで身につけています。



みほの空想の中のパリジェンヌ



人間関係がとてもオープンで、セクシュアリティも人種も様々。人と人が心で繋がれる街・パリで自由を謳歌する女性、その名もパリジェンヌ。

彼女たちは唯一、人生の楽しみ方を知っているように思えてならないのです。



あぁ、パリに行きたい。

大学時代、初めてのヨーロッパ旅行でお金を貯めて行って、スリにあった思い出のパリに。

歩いているだけで生きている喜びを感じさせてくれる特別な街、パリ・・・


ベッドでボーッと天井を眺めながら、私の頭はパリで埋め尽くされていました。

これまで何ヶ国か旅をしてきたけれど、あれほどの衝撃とエネルギーと強い憧れを感じた街は、未だかつてありません。


パリに降り立った時のあの感動は、もはや記憶に歪められた幻想なのでしょうか。

それとも、私のパリへの思いは今もなお、本物として存在するのでしょうか。


今パリに行って、それを確かめたい。

もしまだあの感動を感じることができたなら、私はパリで半年でも1年でも、暮らそう!



そう決断すると、あとの行動は早いです(「すぐに、始めよう」が身に染み付いている※1)。

コペンハーゲンに滞在予定だった1日を使ってパリに行くことにし、往復のチケットを取りました。



あぁ、パリよパリ。

どうか私の心を、また奪って離さないでくれ・・・!

(なぜかシェイクスピア風)




〜旅の順路〜
ブダペスト(ハンガリー)ウィーン(オーストリア)プラハ(チェコ)今ここ!→ベルリン(ドイツ)→ハンブルク(ドイツ)→ローマ(イタリア)→ハンブルク(ドイツ)→コペンハーゲン(デンマーク)→パリ(フランス)※日帰り→コペンハーゲン(デンマーク)→ボーンホルム島(デンマーク)→ストックホルム(スウェーデン)→トゥールーズ(フランス)→リスボン(ポルトガル)

出発日:8/27(火)〜帰国予定日:10/14(月)



参考資料

※1 ) すぐに、始めよう。
拓匠開発の行動指針の1つ。拓匠開発では、「行動力」と「スピード感」を大切にしています。


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