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【#4】退社した元社員のヨーロッパ1人旅<ブダペスト編②>

これは、拓匠開発に新卒で入社した社員(みほ)が会社を辞めて、2ヶ月間のヨーロッパ1人旅に出る壮大な(?)物語である。

みほは会社員時代に叩き込まれている(はず)の「拓匠力」を旅の中で活かし、人間として大きく成長することはできるのか?!

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ブダペスト3日目

漁夫の砦&ハンガリー国立美術館

ブダペスト観光3日目は、「漁夫の砦」と「ハンガリー国立美術館」という2つの有名観光スポットを巡りました。


三角屋根がかわいい。物語の中の世界みたい



「漁夫の砦」周辺広場



国立美術館の麓の芝生でくつろぐ人々


せっかく交通機関乗り放題のチケットを買ったのですが、バス停や駅の入り口を探すのが苦手で、ほとんど歩いていました。

それでもなんとなくの方向を目指して歩いていると意外と目的地に辿り着けてしまうことがわかったので、私はこの旅で自信ある方向音痴に成長しました(一番やばいやつ)。

歩き疲れて、早々にホステルに戻ります。


念願!!ホステルで友達を作る

ホステルのベッドルームに戻って荷物を整理していると、隣のベッドにいた韓国人の女の子が、

キョウハドンナイチニチダッタノ

と話しかけてくれました。


韓国人の女の子。よく独り言を言ったり窓に向かって歌ったりしていて、毎日楽しそう。


彼女は背丈の3分の2ほどある超巨大バックパックで、ヨーロッパを巡っているそうです。

「ポーランドハスゴクヨカッタワ。アナタモゼッタイイクベキヨ。」

「キノウハヨル、ヒトリデハシニノボッテシャシンヲトッタノ。ミテコレ。」

「リュックガオモクテシカタナイ。キノウジャケットヲ2マイモカッチャッタカラネ」

・・・などなど、彼女は旅のベテランらしく、私の知らない情報をたくさん教えてくれました。

こんな風に旅先で出会った人と会話ができたことが、本当に心から嬉しかったです。


バックパックが重いからといってその女の子が置いて行ったクレンジングオイル。これを置いて行ったとしても重さは大して変わらないと思う。


ブダペスト4日目

国立西洋美術館へ


4日目はお昼から行動を開始。まずはハンガリー国立西洋美術館に向かいます。

バスとメトロを使いこなせない私は、徒歩50分の距離を炎天下の中、日傘もささずに歩いて行きました。

道中、上半身裸で大汗をかきながら土木工事をしていらっしゃる男性たちとすれ違いました。

なんだかジーーっと見られているような気がしたけど、無視して通り過ぎようとしたその瞬間、

ヘイヘイ!ウェアアーユーフロム(どこから来たの)!ギャハハ(笑い声)

と大きめの声で話しかけられました。

ギクッとびびった私は、

ジャパン!!!」と言い放って足早にその場を立ち去りました。

彼らが私をバカにしていたのか、それとも好奇心で話しかけてきたのかはわからないですが、いい気持ちはしなかったです。

そんなふうに話しかけられたら怖いに決まってるじゃん。
中学男子みたいなことして、恥ずかしくないのか。

考えていると、だんだんイライラしてきました。

いや、でも、

大汗をかいて仕事している彼らの前を、こんなヘンテコな格好でフラフラ歩いている私が悪いような気もしてきた。

イライラの次は、なんだか悲しくなってきました。

1人旅をしていると、時に寂しい気持ちになることがあります。
そんな時、現地の誰かが一言、暖かい声をかけてくれるだけで、ここにいてもいいんだなと救われた気持ちになります。

私が日本にいるときは、日本に来てくれた観光客の皆様に暖かく声をかけたいなと思いました。


色々あってようやくたどり着いた西洋美術館。

作品の鑑賞は楽しかったような気もするけれど、何が記憶に残ったかと言われると、疲れてベンチに座った時にボーッと眺めた変なオブジェくらいです。


私とオブジェ


ハンガリー料理でフードファイト

美術鑑賞の途中からお腹が空きすぎて、広々とした館内に私の腹の「グウウウウ〜」という超デカイ音が響き渡りました。

そういえば、ハンガリー料理を食べていなかったなあ。
ハンガリー料理ってそもそもなんだ?

気になって調べてみると、フォアグラはハンガリー料理らしい。

フォアグラか・・・

ちょっと可哀想で脂っこいイメージがあり、積極的に食べたいとは思いませんでしたが、まあせっかくならと思いレストランへ。

「フォアグラ」と書かれたメニューを探して、よくわからない料理を頼みました。


ポテトの上に鶏肉、さらにその上にフォアグラのソースがかかっている


すごく美味しい。

美味しいけどすごく脂っこくてしょっぱい。

そして量が多い。

注文前、店員さんに確認したところ「コノリョウリハヒトリマエヨ」と言っていたはずなのに。3人分くらいあります。嘘つき。

途中から、楽しいはずの食事が完全1人フードファイトになってしまい、周りを見渡してもこんなに苦しそうなのは私だけでした。

なんとか3分の2まで食べました。
気を抜くと微ゲロが出そうで、これ以上食べると逆にお店に迷惑をかけることになりそうです。

結局料理の3分の1を残し、子を授かったように大きくなったお腹を抱えてその店を後にしました。


ファッションへの熱、冷める

次の目的地は、「Humana Vintage」という古着屋。
韓国人の女の子が、おすすめしてくれたお店です。

その子はあんな重いバックパックを持っているのに、しかもこんなクソ暑い天気なのに、その店で2着も冬のジャケットを買ってしまったそう。

よほど可愛い服がたくさんあるのだろうと思って、おしゃれしたくて仕方ない私は期待してお店に足を踏み入れました。


入り口からわかるミスマッチ感


その店では、私が着たら昭和のバブル時代にタイムスリップしそうな奇抜な洋服たちを、試着室でキラキラ女子たちが美しく着こなしています。

服単体で見るとあまり可愛いとは思えないのに。

彼女たちが着ると服は生命を取り戻したかのように、魅力的なオーラを放ちます。

その様子を見て、結局のところ魅力的かどうかは”人”で決まるのだなと思いました。

残念ながら今の私はどんなにバブリーな服を着ても、「迷子になった気弱なアジア人」感が拭いきれません。

しょうがない、だって実際そうなんだから。
無理して背伸びするのはやめよう。

そう思うと、急にファッションへの情熱が覚めたのでした。


ホステルでの暮らし

ホステルは想像以上に私に馴染んで、不安になっていたのが馬鹿らしいほどです。

シャワールーム(兼トイレ)についても、初日はビビっていたものの、韓国人の例の女の子に
ハンタイガワニモットヒロイシャワールームガアルノヨ
と教えていただき、そこでとても快適にシャワーを浴びることができました。

なんの躊躇もなく堂々と大(💩)をすることもでき、自分の適応能力の高さを褒めてやりたいです(「Be the cockroach」達成!(※1))。


ブダペストでアラサーになる

実は私、ブダペストで25歳の誕生日を迎えました。

1人異国の地で迎える誕生日はめでたいものでも何でもなく(笑)、

ただただ「あぁ、また1つ歳をとってしまった」と行き場のない焦りを感じる日です。

誕生日なんてきっと本当は嫌な日だから、みんなで祝い合って支え合って、正気を保とうとしているのかな(ひねくれすぎか?)。

まあでも、せっかく誕生日を迎えたのですから、未来への抱負なんか書いてみようと思います。

20代はとにかくたくさん、自分の欲求の赴くまま、私の感情が揺れ動く体験をたくさんしたいです。

見たことのない景色をたくさん見たい。

海外に住んでみたい。

自分とは180°価値観の違う友人と、お互い歩み寄るような会話をしたい。

新しい考え方を知りたい。

何をしていても将来への不安はつきものですが、20代のうちはとりあえず、あまり考えすぎずに。

・・・等々色々書いてみたものの、実際のところはどんな未来が待っていることやら、もう知ったこっちゃありません。

目の前にある”今”を、楽しむのみ!!です!


いざ、ウィーンへ!

ブダペスト旅立ちの朝。鏡を見たら、あらびっくり。

昨日、脂っこいハンガリー料理をたらふく食べたのと、日本を代表する最高の作品・宇宙兄弟の最新刊を読んで大号泣したせいで、目も輪郭もパンッパンです。

このひどい顔をなんとかマシにできないかと思い、毛抜きを手に取って眉毛を整え始めたら、毛を抜く手が止まらず、平成ギャルもびっくりの細眉に仕上がりました。

腫れた目が余計に強調されています。

まあでも、抜いてしまったモンは仕方ない。きっとまた生えてくるさ。

能面みたいな顔に絶望しながら、空港に向かいます。

次の目的地はウィーンです。

それではみなさま、ブートゥー!!(※2)


いざ、ウィーンへ!ブートゥー!!


〜旅の順路〜
ブダペスト(ハンガリー)今ここ!→ウィーン(オーストリア)→プラハ(チェコ)→ベルリン(ドイツ)→ハンブルク(ドイツ)→ローマ(イタリア)→ハンブルク(ドイツ)→コペンハーゲン(デンマーク)→ボーンホルム島(デンマーク)→ストックホルム(スウェーデン)→トゥールーズ(フランス)→リスボン(ポルトガル)

出発日:8/27(火)〜帰国予定日:10/14(月)


参考資料

※1)Be the cockroach
拓匠開発の12の行動指針の内の1つ。ゴキブリになれ、という意味。「常に変化し、進化し続ける」ことは、会社にとっても、個人の生き方においても大切にしたい考え方です。

※2) Búcsú(ブートゥー)
ハンガリー語でさよなら、という意味。

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