【#3】退社した元社員のヨーロッパ1人旅<ブダペスト編①>
これは、拓匠開発に新卒で入社した社員(みほ)が会社を辞めて生きるか死ぬかのヨーロッパ1人旅に出る壮大な物語である。
みほの性格は下記の通りである。
・東京の駅で迷わなかったことはない
(キツめの方向音痴)。
・1日に3回「あれスマホどこやったっけ」と言う
(ものをすぐ無くす)。
・ディズニー「ランド」に行くのに「シー」のチケットを買ったことが4回もある
(確認不足によるミスが多い)。
そんな「頼りがいの無さ」が拓匠開発の中でNo.1と言っても過言ではない25歳の元拓匠開発社員(今はニート)が、ヨーロッパを2ヶ月間1人旅し、迷わず、パスポートも財布もスマホもなくさず、ホテルや航空券の予約を間違えず、生きて帰ってくることはできるのか?!
また、ニートのみほは旅から帰ってきた後、一体どんな人生を送る決断をするのか?!
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街歩き
ブダペスト2日目は、ゆったり心の赴くまま、街歩きを楽しみました。
街はのどかで、空が高くて、建物も美しく、
どこを切り取っても絵になります。
スリらしき人も見当たらず、治安の良さを感じました。
街に馴染めない千葉県民
ブダペストの街にいる人は、みんなとってもおしゃれな服装をしておられました。
マダムたちも素敵なワンピースを着こなしていらっしゃって、なんて素敵なんだろうとため息が出ます。
時々、建物のガラスに反射した自分の姿を見ると、本当に絶望しました。
なんなんだ、このへんてこりんは。
あまりにも体のサイズに合っていないしわしわのTシャツに、ゆるっとした履き心地重視のズボン。
ぼさっとした短い髪の毛。
しかも身体は紐だらけ。
ブダペストの街でこんな格好をしている人は誰1人だっていません。
私だけ、千葉(千葉に失礼で本当にごめんなさい)。
防犯対策と動きやすさ重視で浮浪者みたいな服しか持ってこなかったけど、私だって、女です。
かわいい格好をしたい。
おしゃれがしたい。
1度物欲が湧いたら、もう自分を止められません。
街中にZARAを見つけ、
「よし、私もかわいいワンピースをゲットしよう!」と入店。
しかし、ZARAの店内は鏡だらけで、行く先々で自分の姿を見せつけられました。
その姿はもう、明らかに不審者。
店員さんに目をつけられて、声をかけられるのも時間の問題です。
店員さんの目が気になって気になって、落ち着いて服を見ることなんてできるはずがなく、入店して30秒程度で退店しました。
明日は持ってきた服をうまく組み合わせて、ブダペストの街に馴染む女になりたいな・・・。
いつか言いたい「ブレスユー!」
街歩きに疲れたので、ホステルに戻りちょっと休憩。
ベッドルームはとても静かで電気もついていなかったので、
誰もいないんだ、やった〜!と、ふんふん鼻歌を歌いながらベッドの上で本を読んだり旅程を立てたり、くつろぎました。
鼻がむずむずしたので、いつも家や会社でしていたような大きめのくしゃみをしたところ、
「ブレスユ〜」(※1)
と隣のベッドから声が聞こえました。
人、いたんだ・・・!という驚きと、
ならこんなデカいくしゃみしなきゃよかった・・・!という恥ずかしさと、
気にかけてくれて嬉しい!という喜びを感じました。
そういえばヨーロッパ歴の長い社員のRくんに、
「海外で誰かがくしゃみをしたら、ブレスユーって言ってあげてくださいね!」
と忠告されたのを思い出しました。
よし、今度この部屋の誰かがくしゃみをしたら、大きな声で「ブレスユー!」と言ってあげよう。
そう心に決めた次の瞬間、
「ヘク!ブシュ!ヒエ!」
と今度は下のベッドから声が。
いや下にも人いたんかい!という驚きと、
今のはくしゃみなのか!?それとも咳なのか!?というわからなさで、
一瞬思考が停止してしまい、結局その方に「ブレスユー!」と言ってあげることはできませんでした。
「迷ったら、やっちゃいな。」(※2)を行動に移すことができず、猛反省です。
この旅で1回は、誰かに「ブレスユー!」と言ってあげられるよう、意識したいと思います。
寝巻きで夜景を見る
夜は、トラムに乗って念願だったドナウ川の夜景を見に行きました。
旅行計画時は、夜1人で出歩くのは危ないと思って夜景を見るのは諦めていたのですが、
街歩き中、危なそうな人を見かけることが1度もなかったので「迷ったら、やっちゃいな。」(行動指針を濫用していてそろそろ怒られそう)です。
寝巻きに紐だらけの格好で、堂々と夜の街へ繰り出しました。
夜のドナウ川沿いは息を呑むほど美しく、素敵な時間が流れていました。
橋に登って仲間同士お酒を飲んでいる人たち。
川沿いの階段に座って夜景を眺めるカップル。
皆それぞれ思い思いの時間を過ごしています。
こんなにも美しい川が家の近くにあって、
そこで気軽に語り合える仲間やパートナーがそばにいたら、もうそれだけで超幸せな気がします。
私は1人なので語り出すわけにもいかず、
本を読もうかと思ったけど暗すぎて読むこともできず、
ただただボーーっと夜景を眺めておりました。
ボーーっとするのも5分程度が限界で、だんだん眠くなってきました。
寝てしまっては流石にやばいと思い、重い腰を上げて、帰路に着きます。
帰る途中、女性たちがみんな列になって決めポーズをしている道を通りました。
この美しい夜景と女性たちを前に、男性諸君はカメラマンと化し、女性に叱られることのないよう、皆一生懸命にカメラのシャッターを押しています。
その光景に愛おしさを感じた私は、寝巻きにすっぴん・紐だらけの格好で、ニヤニヤしながらその前を通り過ぎるのでした。
〜旅の順路〜
ブダペスト(ハンガリー)今ここ!→ウィーン(オーストリア)→プラハ(チェコ)→ベルリン(ドイツ)→ハンブルク(ドイツ)→ローマ(イタリア)→ハンブルク(ドイツ)→コペンハーゲン(デンマーク)→ボーンホルム島(デンマーク)→ストックホルム(スウェーデン)→トゥールーズ(フランス)→リスボン(ポルトガル)
出発日:8/27(火)〜帰国予定日:10/14(月)
参考資料
※1)Bless you(ブレスユー)
くしゃみに対して「お大事に」という意味で使われる。
※2)迷ったら、やっちゃいな
拓匠開発の12の行動指針の内の1つ。固定観念にとらわれず、やっちゃう道を選ぶことを大事にしている会社です。
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