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過疎自治体、全国で初めて5割を超えて885市町村に。未来には過疎とは違う言葉で表現されていてほしい。

地方公務員の新家です。北海道猿払村に勤務しています。

いわゆる過疎地域(過疎地域の持続的発展の支援に関する特別措置法に基づく)に指定される自治体が5割を超えたという報道が・・・。

過疎地域と聞いたらみなさんどのような印象をお持ちになるでしょうか。人口が少ない田舎を思い浮かべるではないでしょうか。

過疎(かそ)とは、人口が急激かつ大幅に減少したため、地域社会の機能が低下し、住民が一定の生活水準を維持することが困難になった状態をいう語。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

今日話題にする過疎は、Wikipediaや辞典が定義する過疎ではなく。国が方によって指定する過疎地域です。過疎地域に指定される自治体は以下の要件で指定されます。

◇過疎自治体はどのように要件で指定されるか
過疎地域持続的発展支援特別措置法に基づき、政府は▽人口が1980年以降に30%以上減少▽税収などを一般財源額で割った財政力指数が0・51以下――などの要件を満たす市町村を「過疎地域」に指定し、過疎対策事業債などで支援する。自治体側は事業計画を策定し、教育・福祉施設整備や交通手段確保などの事業を実施する。過疎法は70年の制定以降に繰り返し改正・延長。指定自治体も度々見直され、2021年4月施行の現行法で、20年国勢調査に基づく見直しが決まっていた。

指定されることで、過疎対策事業債で手厚い支援を受けることができます。ポイントは元利償還金の70%は普通交付税の基準財政需要額に算入されるということ。

このことから、指定されるか否かで過疎地域のまちづくり計画の今後を左右することに。令和3年4月1日の改正では、法の目的 が過疎地域の「自立促進」から「持続的発展」に見直しがなされた。

過疎地域の要件見直しでは、長期人口減少率の基準年を昭和 35 年から昭和 50 年に変更 、平成の合併市町村に係る一部過疎地域の要件に、財政力指数等を新設などとなった。

要件の見直しによって新たに過疎地域と指定された団体、過疎地域卒業と指定された団体など様々。猿払村も、指定が継続されるのか卒業となるのか関心事となっていましたが、継続して指定を受けることに。

さて、そもそも過疎地域に指定されると国から支援を受けられるみたいだけど、指定された方が良いの、悪いの?

過疎状態は脱却したいけど、過疎地域の指定は受けたいというのが小さな地方自治体の本音です。

言葉どおりに受け取ると、過疎になること自体は喜ばしいことではありません。ただ、猿払村という地域のイマを見たときに過疎地域を卒業するという材料はなかなか見当たらないというのが現状です。

北海道という食糧基地の中でも、漁業と酪農業で法の中で明記されている国土の均衡ある発展を図るため、過疎地域の担うべき役割を果たしていかなければならないと考えます。

その上でも、国から受けられる支援を最大限活かしつつ持続可能な地域を維持させていくために、過疎地域として指定を受けることは大きな意味を持ちます。

いわゆる、過疎債を活用できる事業は産業振興施設等、厚生施設等、交通通信施設、教育文化施設、自然エネルギーを利用するための施設、集落再編整備、いわゆるソフト対策事業。

猿払村過疎地域持続的発展市町村計画は公式HPで確認することができます。


人口3,000人以下、人口密度4.5人/㎢、駅なし、高校なしの猿払村に住まう人々の豊かなくらしを持続させていくためには一般財源が必要。

一般財源は地方税及び地方交付税が代表とされていて、過疎債の元利償還金の70%が普通交付税の基準財政需要額に算入されることは本当に大きいのです。

いわゆる過疎地域への支援は、日本各地に広がる地域の活力を維持させることにつながります。


地域の過疎化は悪なのか。過疎地域は、足手まといなのか。

私はそうは思いません。

人口を多く抱える都市があって、一次産業を支える地方があって日本が成り立っていると思います。人口減少が過疎地域だけの問題でなく、日本全体の問題です。

猿払村も、漁業や酪農業で日本の食を、世界の食を支えていると言う自負があります。

そう言う意味でいくと、過疎と都市は共になくなてはならない存在。過疎という言葉がネガティナイメージが大きすぎるので、できれば過疎地域という呼び名に代わる名称が生まれてくることにも期待してしまいます。

提案しようと、少し考えましたが良き案はすぐには出てきませんでしたw

このまま基準が継続するとなると、10年後には5割を大きく超える可能性が高いでしょう。半数を超える数の地域を過疎と言い続けるには無理が出てくるのではないでしょうか。

現在過疎地域と呼ばれている各地域が、個性を活かして持続可能なマチを展開していけるような制度として更に発展してほしい。

そして、地方と都市の共存から日本の活力が維持発展していく未来に期待したいです。



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