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「農で地域のファンづくり!猿払村×おてつたびの取組み」ーあなたにとっての特別な地域を見つけてほしい!

こんにちは、地方公務員の新家です。北海道猿払村に勤務しています。

2月9日、地域農業の未来をつなぐ農業人材確保セミナー(主催:農林水産省北海道農政事務所 旭川地域拠点)に参加。「農で地域のファンづくり!猿払村×おてつたびの取組み」というタイトルで30分ほどお話しさせていただきました。

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今日は、その時お話ししたことのうち、おてつたびのことに焦点を絞ってご紹介していきたいと思います。

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まずは、なぜ講演をすることになったかというと。主催者の方が私のnoteを読んでくださって、猿払村が取り組んでいる施設園芸やおてつたびの事について関心を持っていただいたということが始まりです。

それでご連絡をいただき取材をしていただき、農林水産省北海道農政事務所のホームページに旭川地域拠点が収集した取組事例(優良事例)として紹介くださいました。その後、取材時の話を講演で紹介してほしいと依頼をいただいたということです。

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流れとしては、自己紹介、猿払村の紹介、施設園芸の紹介、おたつたびの紹介という流れ。この記事では、おたつたびの紹介をしていきます。

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おてつたびとの出会いから

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昨年の2月、おてつたびの存在は知っていたものの、知っていた程度の私は、代表の永岡さんとclubhouseで公開トークをすることに。この時に、永岡さんの理念や想いに共鳴します。

3月に迫っていたイチゴの苗の定植をお手伝いしつつ、猿払のファンづくりへの効果に期待できる!ということですぐに実施に向けた打ち合わせを3日後することに。

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オンラインで実施したミーティングでは、実際に猿払村がおてつたびを受け入れるおてつたび先としての役割や、事業者としての参加方法、費用負担などについて説明を受けました。

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一般的には、民間事業者さんが活用する例が多いのですが、地方自治体が取り組む意義があるのではということも感じました。早速内部調整を図って、3日後にはサービスを活用する意思決定がなされることに。

そうして、3月14日がスタートのおてつたびの募集ページを急ピッチで作成する事に。自治体が、おてつたび先になっている例は少なく、作るのに多少苦労しましたね。

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ページを作る上で、もっとも考えたのが「私たちが大切にしたいこと。」です。繁忙期のおたつだいをしてもらうことはもちろんなのですが、そこだけではないつながりを参加者さんと持ちたいという考えをスタートから大事にしたい点でした。

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その上で、村の狙いも改めて確認。人手不足、未来の協力隊のスカウト、村のファンづくり、村内の事業者さんへの波及ということを念頭におきました。

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初となるおたつたびの募集は5日間の日程で募集。初回でどれくらいの反響があるのか、果たして応募はあるのか不安な中でスタートした訳ですが、予想に反して大反響あっという間にたくさんの申し込みをいただきました。

初日と最終日は移動日。2日目に猿払の様子をご案内して、3日目と4日目に実際にイチゴの定植作業にあたっていただきました。

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受け入れたのは、2名の大学生。2日間の作業時は、黙々と作業に取組んでいただき、その熱心さには感心してしまいました。お二人がいらっしゃらなければ、確実に2日間では終わらなかったでしょう。それくらい、ギリギリまでかかって終わりました。

村のご案内する日は、観光施設や村の施設などを見学していただくほか、村のグルメも堪能していただきました。

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滞在中は移住体験住宅を利用していただく事に。リビングの他に個室も2室あるので2名だとゆったりとお過ごしいただけると思います。調理器具や食器なども揃えているので、自炊も可能。この時は、村民から毛ガニの差し入れがありました。

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3月の苗の定植で手応えを掴んだので、忙しくなる収穫の時期も活用しようということを計画しました。がっつり、地域おこし協力隊の仕事を経験できるのでおためし地域おこし協力隊の制度も活用する事に。

日数も1回の受け入れを10日間に設定、収穫、洗浄、パッキングという煩雑な仕事を皆さん器用にこなしてくださいました。

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10日間の真ん中らへんに休息日を1日設定して、村を知っていただく、村を楽しんでいただくという時間も設けました。

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秋に参加された時には、野菜の栽培が始まっていたこともあって野菜の収穫を手伝ってもらうことも。施設がある地域に住む、パートで働いていただいている方々との交流も深まりました。

おてつだいをいただくことで、調査研究にかけられる時間が増えて現場スタッフからもとても好評です。

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空いた時間を楽しんでもらおうと、蕎麦打ち体験、ドローン体験、サイクリングなどで楽しまれる方も。こういう楽しみを、今後も増やしていきたいと考えています。

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おてつたびを受け入れてきて、今のところ猿払村の募集では三代都市圏からの申し込みが多い印象です。ただ、北海道内からの応募者も一定数ありますし、実際に1名の方が参加くださいました。猿払村の募集では、比較的若い世代かつ女性が多い印象です。

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参加者から寄せられる声は好意的なものが多く、一定の手応えを感じました。ただ、まだまだ上を目指すべく皆さんに参加してよかった。何かを得て、おてつたびを終えてもらえるように努力したいと感じています。

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また、所期の目的でもある継続したつながりを実践するためにオンライン座談会の実施も試してみました。今後、参加経験者が増えていく事になるので、その方々とどう継続したつながりを持っていくかは課題ですし、同時に楽しみでもあります。

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座談会の様子は、猿払村公式noteで紹介しています。ぜひ、ご覧ください。

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おてつたびに参加される方は、地域を知りたい、地域の人と関わりたいという気持ちが強い方が多いです。空き時間に何をしたいか、どんなことに興味があるか。など、確認をしながら滞在中の時間をとにかく楽しんでもらい、満足していただきたいと思います。

一方で、手が足りない、忙しいからおてつたびを活用するという側面があります。この点は、事業者さんだけで解決できない部分もあろうかと思います。そんな時に、我々自治体の出番なのではないかなと思います。事業者さんの課題、自治体の課題解決に手を組んで取り組んでいくことはアリだと思っています。

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サービスの特徴や、参加者の傾向などがわかってきたので今後は村での活用はもちろん、民間事業者さんへのご紹介もしていけたらと考えています。村のファンづくりにも直結する事がわかってきたので、村として協力できることも検討できたと思います。

加えて、ありがたいことに希望者が多く、希望者全員に参加いただけていないこともあり、来村しなくても関係性を築くことのできるおてつたびの形はないものか。この辺もことも模索していきたいところです。

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おてつたびの良いトコロはたくさんありすぎるのですが、何個かに厳選すると。スタッフのみなさんの熱量ですね。これは、ビシビシ感じます。参加者、事業者さんファーストな考え方にも頭が下がります。そして、おてつたびの理念に共鳴している参加者さん・事業者さんが多いと感じています。サービスを提供する側、される側の両方があって成立する事ですから、これは本当に大事だと思います。双方から、とても多くの情報がSNS等を活用して世の中に提供されていて、今の広がりの一つの要因にもなっているのではないでしょうか。

そして、自治体や事業者が単独で自社サイトなどで呼びかけても、希望者へ情報をお届ける事は容易ではありません。おてつたびのプラットフォームは、双方にとってニーズが合致したマッチングを可能とする画期的なサービスです。

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おてつたびの未来はこうなっている。こうなっていてほしい。ということについても少し。

ガイアの夜明けで特集されるなど、認知がとても広まっているサービスとなってきていますが、今以上に知られる存在になってほしい。

人手の確保策ということだけでなく、地域のファンを作り得る存在と認識されている未来であってほしい。普及のために自治体ができることを見つけ、実践する未来であってほしい。日本全国どこでも、おてつたびが当たり前に行われ、都会の方が田舎へ、田舎の方も違う田舎を知り、ファンになると素晴らしい。人が動くと、心も動き、経済も動くはず。そして、誰もが特別な地域、気づくとまた行ってみたいと思う地域があったら良いですよね!おてつたびが、みんなのものに。当たり前のもになっている未来があると、日本に未来も明るいのでは。

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まとめると、おてつたびは地方を地域を活性化させるために強い効果をもたらす打ち手です。使い方によっては、地域課題の解決への突破口ともなり得る。それは、人手不足であり、アイデア不足であり、地域間・世代間交流にも波及する。全国に広がっていく事で、地方が活性化していく可能性があり、ひいては日本全国の底上げにもつながると想像しています。

まだ、知らないという方。名前だけは知っているという方。一人でも多くの方に知っていただき、応募していただき、参加していただけたら嬉しいです。

おてつたび先は、全国47都道府県に広がっています。ぜひ、あなたにとっての特別な地域を見つけてください。




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