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\ホタテが全世帯に無料配布される村/人間は神々と力を競うべきでない。 人間は自然の摂理に従うべきだ。


みなさん、ホタテは好きですか?



なんと、猿払村では年に一回、活ホタテが配布されます。それが、今日でした。


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そう、村民は誰もが年に一回は新鮮なホタテを堪能できるのです。


刺身で、貝焼で、フライで、アヒージョで思う存分楽しめます。我が家では今夜、刺身とフライでした。


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大ぶりな猿払産ホタテをフライにする時は、火が通りやすいように半分に開く。

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こんなマチは日本広しといえども猿払村だけでしょう。と言いたいところですが、北海道ではそんなに珍しいことではありません。


少し検索しただけでも、4つの町での取組みを見つけることができましたので、紹介します。


北海道標津町 8月と12月には全町民にホタテ(2kg 12~14柱)
北海道小平町 2014年から続けられているそうです
北海道湧別町
北海道雄武町 恒例になりつつある「ほたて貝町民無料配布」とのこと


歴史

ただ、おそらく歴史では猿払村が一番古いのではと思っています。(自分調べ)猿払村史第2巻では、社会還元として猿払村漁業協同組合の取組みが紹介されています。

※以下村史第二巻より引用
漁協は社会還元として昭和51(1976)年に漁獲したホタテを全村民に初めて配布し、それ以来今日まで毎年欠かさず配布を続けている。(中略)継続して配布し感謝の念を伝えている。


先人のご苦労とご努力の上に、今ある豊かさをこれからも守っていくことが、今を生きる我々に課せられた使命ではないでしょうか。


忘れないために

ホタテ漁場造成事業10周年を記念し、昭和56年11月に建立されたいさりの碑。猿払の海を拓いた多くの先人の苦労と偉業を偲び建立されました。

(以下、碑文抜粋)
帆立貝漁場造成事業10周年に当り猿払の漁業のうつりかわりを振返って見る。
我々の先人がオホーツクの海の魚貝類に生活の糧を求めたのは明治の始め頃のことだ。
それから一世紀になんなんとしている。
春、4月5月、鰊の群来で海は乳白色になり獲っても獲ってもなくならないものと思われた。
鮭鱒は海の荒くれ男と力比べをするように網もさけよとばかり来網した。
海扇と呼ばれた帆立貝は海の底に幾層にも重なり合っているのではないかと錯覚を起こさせる位生棲していた。
しかし之等の生物の運命も貪欲な人間の前には所詮は滅亡の運命が待ち受けていた。
今日ではあらゆる資源は有限であることが認識されている。
しかし生物資源は自然と人間の適正な育成管理によって永続させることが出来る筈だ。
私達も自然の摂理にかなった生物資源の育成管理を科学的調査と人智をあつめてやってみた。
春夏秋冬、自然の摂理は一世紀の昔も今と変わりなく繰返され生物の生命力は見事に部族と子族の繁栄に其の力強さを見せてくれた。
今、オホーツクの海は先人の開拓した時のように帆立貝が美事に結実してたわわな実を見せている。
鮭鱒もまた間もなくふ化事業の結実を見せようとしている。
猿払の海を拓いた多くの先人の苦労と偉業を偲び其の意志を我々も子孫もうけつぎそして実践することを肝に銘じ、今此の碑を建てる。

人間は神々と力を競うべきでない。
人間は自然の摂理に従うべきだ。


昭和56年11月22日 猿払村漁業協同組合


何度読んでも、最後の二行には考えさせられます。SDGsという言葉が叫ばれて久しいですが、まさにSDGsの精神を猿払村の先達は率先していたのだと誇りに思います。


人間は神々と力を競うべきでない。
人間は自然の摂理に従うべきだ。


人間がコントロールできることなんてちっぽけなことなんだなと、この言葉を読むと改めて思います。

ただ、人間ひとりひとりの意識ひとつで変えられる未来もあると思います。そんなことを考えながらホタテを食べてます。

漁業の歴史については、じっくりとゆっくりと今後も触れていきたいと考えていますのでお楽しみに。

100年後も、200年後もホタテや酪農と共に猿払が活気あるマチでありますように!


本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
また、次の記事でお会いしましょう。








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