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もう何もかんも諦めちまおう。で良い

世界一幸福な種族、ピダハン族。
アマゾンで暮らす原子時代的ライフスタイルをつらぬく連中である。

彼らにはカウンセラーもいないし、心理学も知らない。当然抗うつ剤も無い。

それでも自殺やうつ病といったメンタルの問題がほぼ存在せず、怒りやガッカリみたいな一般的なネガティブ感情すらほぼ見かけないという。

精神病大国の国民としては嫉妬しかない。

僕たち日本人はiPhoneを触りまくりながら、5G目がけてまっしぐら。すべてがピダハン族のやつらよりずっと快適。それなのに生活の中で気が狂いそうなこと連発だ。

反してピダハンらの日常は猛毒ヘビや伝染病、シンプルな暴力、略奪なんかで溢れかえっている。だけど彼らには気が狂う兆候がない。そして「世界一幸福」というチャンピオンベルトを民族学者からもらっている。

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今日は「どうしたら苦しみから逃れられるのか」という話を書きたいのだけど、ジェラシーが暴走してコイツらの話ばかりしてしまった。やめる。

『人間は自らの承諾なしに快適ではいられぬ』
『俺たちは計画した人生を諦める意志が必要』

こんな考え方がある。西洋のものだ。

東洋でも孔子が2300年前、『人生は自然に起こる変化&自分で起こす変化の繰り返し。抵抗したらあかんねんで』と言っている。
インドのシュリ・チンモイという珍妙な名の指導者も『キツイ暮らしから、平和な暮らしに移行するには諦めることやねんで』と述べている。
抵抗が問題を生むぞ!と世界中の関西人が唱えているのだ。

健康な女子を対象にしたテストに面白いものがある。

・全員にしんどいトレーニングをさせる
・半分のひとにだけ「不快な感情を受け入れろ」と指示を出す

半分のひとにだけ、「ゼェゼェ…この痛みは避けられない。しんどいのは普通のこと。だって運動してんだもん」と運動中に認めさせるのだ。

反対に「なんでこんなしんどいんじゃ!」や「この苦しさが消えればいいのに!」と願ったり、「思ったよりもキツくないぜ」とイキって偽ることを禁じた。

結果、不快を受け入れた被験者は『苦しみ』の認知が変わり、抵抗したグループと比べて主観的なつらさが55%も低下し、疲れて動けなくなるまでの時間が15%増加した。

これはブリティッシュコロンビア大学のテストなのだけど、「不快を受け入れることの効果を調べる」という酔狂な研究な研究である。

近年も同じ手法で電気ショックのストレスに弱くなったりと面白い成果が出ている。テスト自体が頭おかしいとは思うが、すごいことだ。

でも「抵抗しない」というのはたしかに良い。

登山者は「この困難を選んだのは俺自身」という心持ちがあるから、山歩きの痛みに耐えられる。

僕の書いた本にも山登りの話がある。
「なんでこんなにしんどいんだ」と抵抗するキャラが文句を垂れまくるストーリーだ。

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この話のタイトルは『変態が突入してくる前提』というのだが、前提で考えておく破壊力は大きさは凄まじい。

大人がワクチン注射の痛みをさほど苦にしないのは、僕たちがワクチンの重要性を認めているのが原因だ。もはや「この痛みは受け入れるしかない」と決め込んでいる。

反対に子どもにとっての注射針は理不尽な痛みでしかないので抵抗の姿勢が生まれる。その結果、「針の激痛感」は深まっていく。

苦しみ=痛み×抵抗

という公式を仏教研究者のシンゼン・ヤングという男が定めている。※しんぜんはコイツ↓

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いい公式だと思う。分かりやすい。それに「悟り」とかはムリそうだけど「積極的に降伏する」ならば、気を付けたらできそうな気がしてくる。

もう何もかんも諦めちまおう。まずはそこからだ。この本も買ってほしいけど別に売れなくて悲しいのは当たり前なのだ。


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