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【物語る映画ポスター】七人の侍

映画ポスターが好きすぎて
それのみで作品を紹介してみるという
特集記事です。

今回取り上げるのは
世界的にも大傑作と名高い
こちらの作品。

2018年BBCが発表した
「史上最高の外国語映画ベスト100」では
1位に選ばれています。

その他、各国の歴代映画のランキングでも
とてもよく上位で見かけます。

多くの国で素晴らしいポスターが
描かれています。

洋題は「SEVEN SAMURAI」
・・・そのまんまです。

公開は1954年。
年季を感じるポスターです。
モノクロで207分の超大作。

初めて見たときの衝撃は
忘れられないです。
こんなすごい映画があったのか!と。

その凄まじさは
余裕で国境を越えました。

各国の名だたる巨匠たちも
大きく影響を受けています。

↑ドイツに

↑チェコ

↑ポーランド。

英語圏以外でも
多数のおしゃれなポスターが。

多く見られたのは
日本特有の武器、「刀」。
とくに象徴的に描かれているものが多い。

「スターウォーズ」のライトセーバーも
モデルは「刀」です。

フォルムだけでカッコいい。

「刀」の持つ意味は、
武器だけではなく
百姓たちが「隠し持つもの」として
物語で大事な役割もありました。

侍が「七人」集まったのは
盗賊に襲われる村人たちを
救うためでした。

村長が発した
「腹減った侍を雇うだ」というセリフは
その背景も含めて
重みのあるものでした。

戦意を結集させるために作られた
「○」「△」「た」が描かれた旗。
見事な象徴でした。

複数のポスターで使われています。

「た」は田んぼの「た」。
百姓のことを表していました。

「△」はというと

三船敏郎が演じる菊千代のこと。
圧倒的な存在感で画面に釘付けにされます。

彼が中心に描かれているポスターが
ほとんどでした。

物語中盤、実は侍ではなく
百姓だったことがわかる。

その暴露のシーンは、もう、
ほんと、言葉にならないくらい
凄まじい演技でした。

侍になりきれてない侍、
ということで、「△」と描かれたのです。

侍のリーダーは、志村喬が演じる
島田勘兵衛。

心優しい表情や
異様な空気感を持った演技も印象的。

襲い来る盗賊たちに苦戦する。
互いに命が懸かった戦い。

一人、またひとりと仲間の墓が
増えていく。

個人的に一番すごいと思ったポスター。

野武士を突き殺しているのは
竹槍を持った百姓なのです。

彼らは物語の発端であり、活躍者であり、
勝者でした。

刀よりも高い位置に掲げられているのは
百姓の象徴である「稲」。

戦いが終わり、
最後に勝ったのは
「七人の侍」ではなく
「た」だったのです。

・・・
通常作品の7倍近くにのぼる制作費と
1年近い撮影期間で仕上げられました。

緻密に作り込まれた脚本と時代考証。

こだわり抜いた構図とカメラワークによる
超迫力のアクション。
とくに豪雨の中でダイナミックに撮られた
激烈な決戦シーンは本当に凄いです。

七人を集めるまでの苦労や
百姓を訓練するところ、
盗賊の谷に放火する場面、
もろもろの人間ドラマ・・・
などなど。

今の私の語彙力ではとても表しきれないほど
物凄い大傑作の映画です。

世界中のポスターの力を通して
少しでもお伝えできていれば幸いです。

ご覧頂きありがとうございました。




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