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映画で見つけたコミュニケーションの真髄とその使い方

映画で見つけたことで
人生をちょっとアレンジしてみるのが好きです。

複数の映画のシーンから
勝手に想像を膨らませてみて
じわりと浮かび上がってきた
コミュニケーションの原則のようなもの。

私自身は、
人間関係にとても苦労してきました。
でも、これを心に留めておくことによって
「コミュニケーション」の捉え方が変わり
すごく楽になってきたのです。

この記事では、
映画「E.T.」を中心に取り上げてつつ
・コミュニケーションの真髄とは?
・その真髄の使い方と想像
・私が使った「嫌いな人」への具体的な改善策

をお伝えできればと思います。

あなたのコミュニケーションが
少しでも楽になるように。

楽しみながら散歩気分で
お読み頂けると幸いです。

絶叫から始まる


主人公エリオットが
宇宙から来た「E.T.」に出会う場面から。

家の庭に逃げ込んだ「何か」を追って
ガサガサと音がする方へ草むらをかき分ける。

©1982 Universal City Studios
©1982 Universal City Studios

E.T.を初めて見た瞬間です。
一瞬、間があって

©1982 Universal City Studios

「あーーーー!!!!」と絶叫。
持っていた懐中電灯を落とし
腰を抜かして座り込むエリオット。

E.T.も「あーーー!」と絶叫(?)して
草むらをつっきり遠くへ逃げていく。

異なる惑星で生まれた者の出会いは
「絶叫」から始まるのです。

2回目に出会うのは
家のガレージからE.T.が出てくるところ。

©1982 Universal City Studios

歩み寄ってくるE.T.。

©1982 Universal City Studios

驚きの表情だけど
今度は叫び声をあげずに、じっと
見つめている。

このあとエリオットは、冷静に行動して
E.T.を自分の部屋まで連れてくることに
成功します。


宇宙人を見る理由


なぜコミュニケーションの話題で
宇宙人との出会いを取り上げるのか?

映画を見ているときに、
それが現実から離れている状況であればあるほど
「想像力」を働かせて楽しめるチャンスだと
思っています。

「宇宙人」と出会ったときどうするか?
という想像は、もちろん楽しい。

でももっと、自由に解釈を広げてみて
自分の実生活にまで引きつけて考えてみる。

抽象的な視点をもってして
映画の物語の中に自分の感情と
重なるものはないか?と。

あれは5年ほど前。
当時勤めていた職場には
「嫌いな人」が複数人いて、
いつも終業時間には逃げるように帰ってきて
映画を貪るように見て逃避する、
という生活をしていました。

何度も見ている「E.T.」を今夜も再生させる。

「宇宙人」のE.T.に翻弄される
主人公エリオットの感情を見つめていると
自分が経験してきたある感情と
重る部分が浮かび上がってくる。

©1982 Universal City Studios

「宇宙人やん・・・」

映画で展開される「宇宙人」という
未知の存在と
自分が接してきた「嫌いな人」という
厄介な存在が
ぴったり重なったのです。

コミュニケーションが困難な相手。
価値観が根本的にズレている相手。
絶叫したくなるほど遠くて怖い相手。

「宇宙人」そのものやん。

映画で展開される
「宇宙人との出会いのお話」は
私にとって
「嫌いな人とのコミュニケーションについて」
と解釈できたのです。

名作に見つけた共通点


映画において
宇宙人とコミュニケーションするというのは
どういうことか?

とくにここでは、
コミュニケーションの「真髄」って
これか!と、ひとり合点がいった内容に
焦点をあててお伝えします。

エリオットとE.T.が2回目に出会ったあと
お菓子でおびき寄せて部屋まで連れくることに
成功します。

お互いに同じ指を立てたり
指を口に持っていく動作をマネしたりして
言葉ではないところで
意志が通じていく様が描かれます。

注目すべきはその直後。

©1982 Universal City Studios

エリオットに、
ささやかな「笑顔」が生まれる。

言葉が通じたわけでもないし
面白いことがあったわけでもない。

純粋な喜びの表現が
その表情に見て取れるのです。

他の映画でも見てみます。

こちらも宇宙人映画の大名作
「未知との遭遇」から

「5つの音」によって
宇宙人とコミュニケーションが取れ始めたところ。

©︎Columbia Pictures Industries, Inc.

主人公の顔には笑みがこぼれる。

©︎Columbia Pictures Industries, Inc.

息子を宇宙人にさらわれたお母さんにも
笑顔が浮かぶ。

©︎Columbia Pictures Industries, Inc.

政府関係者や学者にも。

そしてとうとう現れた、宇宙人。

©︎Columbia Pictures Industries, Inc.

ちょっと不気味だけど
やわらかく笑っているようだ。

続いて最近のSF映画
「メッセージ」では

主人公が宇宙船の中で防護服を脱いで
自分の名前を懸命に伝えたあと
相手の名前と思われる文字が返ってくる。

©️Sony Pictures Entertainment Inc

はじめて見せる笑顔。

相棒も同じように名乗って
返事を受け取ると

©️Sony Pictures Entertainment Inc

思わずこぼれたような笑顔。

・・・
代表的な作品を3つご紹介しました。

どれを見ても
宇宙人とコミュニケーションが取れた後には
もれなく「笑顔」がやってくる。

可笑しいことがあったわけでもないし
言葉が通じたわけでもない。

未知のものと意思疎通ができたという
純粋な「喜び」がそこにはある。

宇宙人との出会いをテーマにした映画で
私が見つけた共通点は
コミュニケーションの先にある
「純粋な喜び」だったのです。

コミュニケーションの真髄

少し踏み込んで考えてみると、
人が何かと意思疎通するというのは
それだけで喜びが湧いてくるものなのではないか?

私たちは、めまぐるしく
目的に向かうことを当然としすぎていて
その奥にある純粋な喜びを
忘れてしまっているだけではないか。

本来のコミュニケーションとは
もっと清らかで、無垢で、微笑ましいはず。

映画において、
あえて極端に「未知で遠い存在」の
「宇宙人」を相手に据えることによって
浮かび上がってきたもの。

・・・このあたりが
コミュニケーションの真髄なのでは
と思えてくるのです。

私が決めた「嫌いな人」というのは
ほんの狭いコミュニケーションでしか
判断してなかった。

さらに深く見てみると
例に挙げた3つの作品では
宇宙人と意思疎通を試みるとき
どれも「言葉」は使っていません。

「E.T.」では
お菓子と手の動作とあくび。

「未知との遭遇」では
5つの音のみ。

「メッセージ」では
防護服を脱ぐことと、
手を当てて名乗ること。

言葉以外の方法によって
純粋な喜びの表情を浮かべている。

コミュニケーションで必須なものは
どうやら言葉ではないらしいというのも
大事な教えだと思います。

真髄の使い方、キムチ。

宇宙人とのコミュニケーションの先に
喜びがあるのだとしたら
いま目の前にいる宇宙人のような
「嫌いな人」との先にも喜びがあるはずだ。

当時の私はそのように考えました。

あのエリオットの笑顔のような
「純粋な喜び」を味わってみよう。

それが未来にあると確信してしまえば、
そこに行き着くまでの
嫌なことや面倒くさいことが
一時的なプロセスに変わってきて、
自分にとってのダメージではなくなってくる。

そう考えるだけで
普段の接し方がだんだんと変わってきて
自分から柔らかい態度を取れるようになってくる。

ただ、私はせっかちな面もあって
行動に移したい衝動もでてきたのでした。

積極的に「喜び」を引き寄せてみよう。

映画を参考に、作戦を立てました。

エリオットがE.T.に対しておこなったのは

©1982 Universal City Studios

お菓子でおびき寄せること。

あの職場にいる「嫌いな人」が
辛い食べ物が好きということは
噂で聞いている。

これを利用しない手はないぞ。

普通に辛いものを差し上げてもいいんだけど
普段の関係から考えると不自然に思えるし
言い出しづらい。

そうだ、キムチを大量に作ったことにしよう。

キムチを漬け込んで自作するのは
以前に趣味でやっていたことだ。

「白菜が安かったので
たくさん漬けすぎてしまって^^;」

とか言えば自然に差し上げられるし
気持ちも伝わりやすいかも。

そう思って、実際に
youtubeで作り方を復習して
1週間ほどでできあがり
タッパーに小分けして職場へ持って行った。

昼休みを見計らって
嫌いな人のデスクの少し近くで
「みなさん、よかったら食べてみてください」と。

その人も、キムチを食べてくれた。

「おいしいね」

純粋な喜びが、
そのとき確かに感じ取れた。

まとめ

ちょっと恥ずかしいエピソードを
ご紹介しました。
いま書いてみると、かなり勇気のいることを
やっていたなあと思えてきます。

映画の中の主人公たちが宇宙人と
コミュニケーションを取るために
ものすごく苦労して取り組んでいたのを見て
自分を重ねられたのかもしれません。

そのあと、「嫌いな人」とは
完全に関係が良くなったわけではありません。
嫌いな人は「嫌いな人」のままだった。

でも明らかに、
キムチを差し上げてから
コミュニケーションが少しは楽になった。

言葉ではない部分で
深いところで一度でも繋がったという
ささやかな自信みたいなものが
そうさせたのだと思う。

そしてやってみてわかったのは
コミュニケーションから
得られるものの「豊かさ」でした。

冒頭でも見ていただいた、

©1982 Universal City Studios

絶叫や

©️Sony Pictures Entertainment Inc

驚き、

©︎Columbia Pictures Industries, Inc.

恐れ、不安。

その先にある、

©1982 Universal City Studios

喜び。

これほどまで豊かな感情を味わえるのは
宇宙人にも思える「嫌いな人」との
コミュニケーションがあってこそ。

好きな人とだけ付き合っていたら
得られないような豊富な面白み。

それは見えにくくなっているだけで
確実に奥の方に潜んでいるのだと思えたなら
どんなコミュニケーションも
きっと楽しいものになってくるのでは。

映画で見つけた
個人的な解釈で得た
コミュニケーションの真髄でした。

あなたの、ご参考になれれば幸いです。

お読みいただき
ありがとうございました。


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