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【海外駐在】20代、初めて人をクビにした経験

「クビ」
なかなか刺激的な言葉であり、できれば経験したくないものでもあります。
周囲の話を聞いてもクビにされる、される前に辞めてしまうことはあっても
明確に人に解雇通知を突き付ける経験がある人は多くはないでしょう。
*データがないので個人的偏見です。

今回、20代にして初めてチームメンバーの社員に解雇通知を出した事例を紹介します。誰かのお役に立てば嬉しいです。

クビにした背景

私はアメリカで管理職として働いており、チームメンバーを抱える立場です。イメージとしては課長ぐらいでしょうか。
チームメンバーの1人に何度も教えてはいるのですが、どうしても以下が
改善されませんでした。
・スケジュールを共有しない
 →なにをしているのか、していたのかわからない。
・決められた業務をしない(さぼる)
 →週末までにすればよい業務のため、ぎりぎりまで実施しないで週末
  に間に合わず、勝手に翌週に業務をまわす。
・口頭でのコミュニケーションに固執する 
 →メールやテキストを使わないので、社内外で水掛け論になる。
・プライベートで問題を抱える
 →毎月なにかしらのトラブルにより、急に今日は仕事ができないという
  連絡がくる。

私の指導能力に不足があったのだと思いますが、何度も伝えても翌月には
また繰り返してしまい、社内外でトラブルを招いたので業務改善誓約書
等を経て最終的にクビにしました。

誤解のないように記載しておきますと、アメリカは解雇が容易であるイメージがあるかと思いますが、会社により千差万別です。個人解雇の場合には本人に由来する何かの理由があるケースが多いと思いますが、業績悪化等の場合には部署ごと解雇等、本人に非はないケースが多いです。

先輩たちのことば

幸い、私には多国籍の経験豊富な方々がおり、クビにする前に相談することにしました。どのようにメンタル、仕事への向き合い方を育てればいいのか
という質問です。
回答してくれた方は生え抜きアメリカ人幹部、移民から立身出世した人、
駐在員の方々でしたが、口をそろえてクビにしたほうがいいという回答
でした。
その中で一番印象に残っている言葉は

「仕事への向き合い方はその人の人生の積み重ねであり、改善は難しい。
 私なら育つかわからない種より途中まで育った苗を育てる」
*意訳入ってます。

皆さん様々な経験をしてその結論にたどり着いたのだと思います。
最終的に、私もそこまで極端ではありませんが、同様の結論になりました。

教訓

最終的にクビにしましたが、今回の経験を得て以下の教訓を得ました。

最初に厳しく伝える
 →反省点としてアメリカの文化がわからないという理由で注意が
  曖昧でした。~してくれたら嬉しいのような感じです。今思えば
  これが舐められる要因でした。
  会社によると思いますが、アメリカは基本軍隊式ですので、細かい
  部分も指示する必要
があります。
  ①~をする②なぜなら~だから③あなたの仕事なのだからサボること
  は許さないという注意をする必要があったと反省しています。

早い段階で業務改善指示書として書類を残す
 
→いずれ直してくれると期待して何度も口頭で注意しましたが、失敗
  でした。自分の身を守るためにも早めにメールやテキストで証拠を
  残して
業務改善指示書という 解雇手前の書類にサインさせるという
  方法が本気度も伝わりよいかと思います。
  本当に性質の悪い人は自分の失敗をうまく隠して訴えてきたりごねる
  可能性があります。

クビにした後にしたほうがいいこと

・他のメンバーに理由を伝える
 これは他のメンバーに安心感を与えるためです。クビにされた理由が不明
 だと疑心暗鬼になって今後の運営に差し障ります。必ず経緯と理由は全員
 に説明
しましょう。
 聞いたことのあるケースではクビにした社員が他のメンバーに適当な嘘
 
(自分は悪くない、人間的に合わないからクビにされたなど)をついて
 チームの結束が乱れたり、クビにした人の信用が著しく落ちた事例が
 あります。

・自分のメンタルを保護する
 多くの人にとってはこれまでともに過ごした人をクビにすることは
 メンタルにダメージを受けると思います。やむを得ない、会社から
 の命令などのはけ口で軽減はできても割り切れないものです。
 実際、管理職として赴任した方で人事としての業務(クビや昇給、減俸等)
 のほうが専門の業務よりもメンタルにダメージ
を与えて長期休暇、
 帰任になる事例もあります。
 家族、上司や同僚、誰でもいいので相談先を作っておいて、すぐに
 相談しましょう。言葉にすることで少しでも頭と心が軽くなります

ちょっと重たい話でしたが、どなたかの参考になれば幸いです。


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