その辺にありそうなフィクション6「片想いをしていた相手が今もひとり」
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「いやー、それは贅沢な悩みだよ、なんかむかつくわー!」
圭は無邪気に笑いながらそう言い放ち、手元のビールをゴクゴクと飲み干した。
「それ言ったらさー、それはわかってるんだけどさ。でも本当に悩んでるんだからね」
「うん、わかってるよ、ごめんごめん(笑)。まぁ難しいよね。でもその悩みはやっぱ俺じゃ正解はわからないわ」
圭はそう言うけれど、べつに共感して欲しいわけでも、助言がほしいわけでも、ましてや正解を教えてほしいわけでもないので特に問題はなかった。
私はこうやって