部下が失敗しそうでもあえて止めないことが多い、という話
部下が担当している仕事。
上司である自分から見て「これはあんまりうまくいかないだろうな」とほぼ確信してしまうことってありますよね。
そういう時、そのスタッフがそのやり方でやりたいと言っていたら、僕は止めずにまずはやらせてみることがけっこうあります。
その話をこないだもスタッフとの間でしたので、このnoteに僕の考え方を書いてみます。
学びと納得感の深さの違い
僕から見て成功確率が高くないと見えても止めない理由は、自分でやってみた結果の方が、その人にとってより深い学びになり、納得感もあるだろうと思うからです。
もちろん、会社や事業にとって致命傷になりそうなレベルのことはちゃんと止めます。
でも失敗したとしてもそんなに大きな傷にはならないであろうこと、十分にリカバリーが効くことに関しては、止めないことも多いです。
もちろんそのスタッフが「やってみたい」という意思があった場合の話ですが。
最近の「止めなかった」実例
例えばわかりやすいように、最近の例を二つ挙げてみます。
一つはうちの会社にインフルエンサー企画のような提案の営業があったときの話です。
僕はその会社が送ってくる案内メールや企画資料から「またクソみたいなインフルエンサー企画が来たな…」と感じていましたが、担当していたスタッフが意外と食いついて「途中まで無料でコストもかからないし、やってみたいです!」と言っていたので、やってみてもらうことにしました。
ただその時は、事前にそのスタッフにも言いました。
「投稿するのはおそらく大して質の高くない(自称)インフルエンサーだから、無料といってもうちの商品のイメージはネガティブな印象こそ与えれど決して良くならないと思うし、その作業にかけたあなたの時間コストはかかるよ」と。
それでやってみたところ、そのインフルエンサー企画は予想通りのクオリティ。
ただそのスタッフはその結果を見てよく理解してくれたようで、意図としてはよかったかなと思っています。
もう一つの例は、弊社の『美観堂』という店舗をリニューアルするときの話です。
店舗のレイアウトから抜本的に変えるリニューアル。
そのミーティング時にスタッフから「岡山の工芸などのものづくり体験ができるカウンターを備え付けたい」という話がありました。
それも気持ちはわかるのですが、『美観堂』の敷地面積や立地、スタッフのオペレーションなどを考えると、おそらくそれをやっても大きな売上にはならず、むしろやるだけスタッフが疲弊しちゃうだろうなと思っていました。
ただ、それも止めることはなく、体験モノをやる想定のまま実際にリニューアルまでたどり着きました。
いざリニューアルしてみて、体験モノの準備が整っていなかったこともあり、最初はそれを行う予定だったカウンターで商品の販売をしてみました。
するとそれが好調だったので、スタッフとしても「じゃあこの形がいいな」ということになり、結局体験モノは行わないことに。
これに関しては、その体験モノを行うカウンターテーブルのつくりが通常通りの商品販売もできるようなものにしておく、という点だけ、準備段階で外さないようにしていました。笑
その使用用途の変更に対応できるような形にしておけば、体験モノがダメだった場合も余計なコストなく切り替えられるので。
(そしておそらくそうなるのではと思っていたので)
そうやって、失敗した後の転換も準備しておくことや、失敗も見越した予算・事業計画を立てることもあります。
最初に「失敗するからやめておこう」と言わない理由
最初にも書きましたが、改めて。
「おそらく成功しないだろうな」と思っていても最初に僕からそれを強く言わないのは、もちろん「スタッフがそれをやってみたいとけっこう強く思っている」という状態であることが大前提です。
その前提ありきで、最初に僕が説いてみても、そのスタッフがほんとに腹落ちはしないんじゃないかと思うからです。
それよりはやってみて、それによって学ぶことの方がずっと血となり肉となるんじゃないかと思うんですよね。
そしてそのやり方を繰り返していた方が、中長期的にみたときにこちら側の教育コストも実は低くなるんじゃないか…とすら思っています。
あともう一点、僕は自分の知見や考えていることも、そんなに信用してないんですよね。
自分も間違えることが多々あるので、もしかしたらここで書いたようなケースでも、その部下が正しかったという結果になることも十分にあるだろうなと思ってます。
それで成功したパターンになったら、それはそれでOKですしね。
あと繰り返しですが、大きなプロジェクトではもちろん失敗を良しとはしません。笑
ちなみにこのnoteのアイキャッチ画像は子どもの写真にしましたが、こういう教育の話って、ほんと20歳を超えた若手社会人でも、幼児や子どもでも、基本的には同じなんじゃないかなと思っています。
なので、うちの子についても僕はあまり手は出さないし、コケるならコケるで、それで痛みを知ることの方が大事だよなと思っている派です。
それでは!
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