見出し画像

【エッセンシャル思考】最少のページ数で最大の効果が欲しかった

オススメ度(最大☆5つ)

☆☆

メンタリストのDaiGoさんがオススメしている本、というのに僕はどうやら弱いようだ。
DaiGoさんの知識量や頭の回転の速さは目を見張るものがあるし、人として非常に興味のある人物である。

そんなDaiGoさんの絶賛した本、という帯が有れば、読まずにはいられない僕なのだ。

しかし、この本の内容について、自分にとって有益なのかどうかという判断をよく考えずに「とりあえず読んでみよう」という思考こそ、この本で否定している非エッセンシャル思考なのだと気付かされてしまうことになるのである(この一文は、ジョークである)

〜エッセンシャル思考とは?という疑問に対しては…〜

個人的には、この本はあまり読んでいて面白いものでは無かった

理由は2つある。

まず一つは、タイトルにもなっている"エッセンシャル思考"とは何か?という、一言で表せる言葉が無かった事だ。

「こういう考え方はエッセンシャル思考である」
「こう考える人は非エッセンシャル思考である」
というような文章は、いくつも散見されるものの、あれもこれもエッセンシャル思考だ、というような書き方で、あまりにも提示される項目が多く、結局のところ、じゃあ「より少なくより良く」するためにじゃあまず僕らはどのように考えれば良いのか、という点が不明確なままだった。

もちろん、本文の内容に関しては、大変参考になる点は多かったものの、正直なところこの本が出版されるよりも前に出版されている本にも書かれているような内容が多々あったと思う。

最少の時間で効果を最大にするための"エッセンシャル思考"という単語が、非常に魅力的であるがゆえに、いろいろな思考法を提示された中で「全部まとめてエッセンシャル思考です」と言われてしまうことに、なんだか突き放されたような感覚になってしまった。

もう一つの理由としては、データや実験などの根拠に乏しい内容だったところだ。

書かれている思考の内容は、たしかに素晴らしい。しかし、いわゆる「いや、言ってることはわかるけど、それが出来れば苦労しないよ」という内容なのである。

本文では、実際に成功しているアメリカのCEOの言葉を引用して、「これぞ、エッセンシャル思考である」と言っているだけで、実際のところ、実践するためのメソッドや実践した上での効果についてなど、イマイチ説得力がない様に思えてしまった。

そんな理由から、イマイチ僕にとっては響かない内容だった。

〜不要なものは削ぎ落とし、重要なことにだけ目を向ける〜

"エッセンシャル思考"というものは、「より少なくより良く」するための考え方である。

その対象は、ビジネスに対してだけではなく、人生にも向けられている。

世の中の大半の事は不要な事である。
じっくりと考える時間を作る。
十分に睡眠をとる。
選択の基準を厳しくする。
断ることや捨てることの勇気を身につける
徹底的に準備する。
小さな進歩を積み重ねる。

仕事だけではなく、人生においてはいろいろな場面でいろいろな判断・決断をしなければならない。
その中で、重要な事にだけ時間を使い、大きな目標に向けて最大の効果を得る。

いわば、本書で語られているのは思考の断捨離、とも言えるだろう。

エッセンシャル(essential)という言葉の訳は、「欠くことのできない」「必須の」となり、その意味は、本来の性質にかかわりのあるさま。 本質的。 絶対に必要なさま。 欠くことのできないさま。となる。

必要な事だけについて考え行動し、不要なものは切り捨てる。

これが、エッセンシャル思考という本書の大きなテーマである。

〜言ってる事はわかるけど…〜

本書で特に語られるのは、他人からの頼みごとに対して、断ることの重要性である。

たとえ有能な人であっても断る事が上手くなければ、仕事の効率も悪くなり、自分のパフォーマンスを下げてしまう。

不要な依頼や頼みごとは断り、現在の自分にとって1番重要な事に集中し、最高のパフォーマンスをする。

これが、仕事にとっても人生にとっても1番良いことなのだ。
しかし、おそらくは、多くの人がその事実をわかっている。「言ってることはわかるけど、それが出来れば苦労しないよ」なのだ。

本書で紹介されている人々も、エッセンシャル思考を実践しているが、そもそもが優秀な力を持った人々なのだ。

平々凡々な力の人間が、この本の内容を実践したところで、人間関係の環境を大きく壊してしまうかもしれないリスクを感じて不安になり、エッセンシャル思考というものに対して、素直に受け止めることが出来ない。

エッセンシャル思考を手に入れる前に、やはりそれなりの能力や力を得る事がなによりも優先すべきだろう、と平凡な僕は考えてしまう。

僕の人生においては、出会うのが早かった本だろう。

この記事が参加している募集

読書感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?