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【ママにはなれないパパ】父親目線での育児エッセイ

オススメ度(最大☆5つ)
☆☆☆

〜妻にすすめられ手にとった一冊〜

妻が妊娠して、もうすぐ第一子を迎えようとしている我が家。
妻から「読んでみて」と言われ手にとってみた本書。

お笑いトリオ森三中の大島さんの夫である放送作家鈴木おさむさんの子育てに関するエッセイで、いわゆるパパ目線での育児本である。

正直、僕自身、父親になる実感がまだなんとなく無い状態で、父親になった人の経験談を読むのは良い機会かもしれないと思った。積ん読がまだある中で、妻に薦められたこの本を喫緊の課題と感じてまず読むことにした。

〜「0〜1歳」気づきの多い一年〜

この本は大きく分けて「0〜1歳」「1〜2歳」「2〜3歳」という3つの章に分かれている。

個人的には最初の「0〜1歳」の章にはかなり参考になる話が多かった。

母乳は自然と出るわけではない、と言った話や、添い乳、断乳、乳首痛い、など、なんとなく妻から話は聞いていたもののそれを目の当たりにした父親の気持ちや気づきは非常に参考になった。

特に添い乳(寝かしつけのためにベッドでおっぱいを飲ませる事)の話は興味深く、これは子どもを寝かしつけるのにものすごい威力を発揮するのだが、裏を返せば、母親のおっぱいが無ければ寝なくなるという逆効果も生み出す。
母親不在で寝かしつけをしなければならない場面では、父親は無力になってしまうのである。

この添い乳については、妻は「やらない」と明言している。なんでも「母親じゃないと出来ないって事を極力減らしたいから」だそうだ。

出産前からこういった話をしてくれる妻に対して、僕も「実感が湧かない」事を言い訳にせず、知識としていろいろと知っておかなければと思う。


〜重要なのは夫婦の話し合いなのでは?〜

さて、「1〜2歳」「2〜3歳」の章になると、"子育て"よりも"夫婦"や"家族"にスポットが当たった内容となってくる。

個人的にはこの最後2つの章については、なんとなく腑に落ちない内容となっていた。

子育て疲れで精神的肉体的に疲弊してしまった父と母が、ちょっとしたすれ違いで喧嘩になり、どうも父親として夫として配慮が足りなかったか…と著者が反省する、と言ったエピソードが度々でてくるのだが、

著者が反省するきっかけや正しいと思われる判断に至るまでの経緯が"ブログのコメント"だったり、"妻と子のふとした行動"だったりするのだ。
僕はその度に思う。

いや、夫婦で話し合えよ。

と。

こう書く事は妻にも了解を得ているが、うちの夫婦はとにかく話し合う事を徹底している。何か問題や課題があれば、2人で意見を出し合いちゃんと話し合う。
今まで感情的に言い合いになるような喧嘩にならなかったのは、2人ともこの話し合いを徹底していたからだろうと思う。

しかし、本書では喧嘩の会話こそ面白おかしく書かれているが、2人で問題解決のために話し合う、という場面がほぼ無いのだ。

もちろん、実際には大島さんと鈴木おさむさんの間で一切話し合いが無かった、という事では無いと思うが、この本を読む限りでは父親目線での気づきが全て一方的なものにしか感じられなかった。妻である大島さんは実際にはどう感じていたのだろうか。その点があまり描かれていない点が、なんだかモヤモヤしてしまった。


まぁ、実際に子どもが産まれたら夫婦でじっくり話し合う時間なんて無くなるのかもしれない。そこは、子どもがまだ産まれていない今時点ではわからない。

しかし、この一連のエピソードについて、妻である大島さん側の話も聞いてみたいと感じた。

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