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【伊藤真の民法入門】民法の全体像をつかむのに最適

オススメ度(最大☆5つ)
☆☆☆

〜僕が民法を学び直そうと考えたきっかけ〜

民法は10年前ぐらいにとある資格を取るために勉強したことがあるが、当時は「試験問題を解くための勉強」であったため、機械的な学習で民法の本質を掴むような学び方はしていなかった。
「試験のための勉強」をすると、当然のことながら10年も経つと頭からすっかりその知識は消え去っている。大人になってから学び直すのは、その意味や本質を理解して知識として定着しなければ意味がないと思う。

「民法」をもう一度勉強し直そうと思ったきっかけは、とある昼のワイドショーでMCがこんなことを言っていたからだ。
「本件は、刑法で裁くことは難しいが、民法で裁くことができる、ということですね」
この言葉にすごく違和感があった。
「民法、って"裁く"ものなのか?」
僕のおぼろげな記憶の中では、民法は「当事者同士の争いに白黒つけるもの」という認識だったのだ。そういうものに「裁く」という言葉がどうも合わないように感じた。

じゃあ、何で言えばいいのか?
その問いに僕は回答を出すことが出来ず、過去に勉強したはずの民法の本質を理解していなかったことに気付いたのである。

本質を理解するために、比較的巷の評判が良かったこの入門書をまず手にしたのである。


〜入門書としては最適〜

さて、前置きは長くなったが、本書は民法の(再)入門書としては最適だったと思う。
僕の確認したかった民法の本質、すかわち「民法とは何なのか?」「民法はどのような場面で使われるのか?」という点は非常によくわかつた。

ただし、本書の目的は「民法の全体像を掴む」ことなので、そこまで細かく書かれた内容ではない。ある程度法律を勉強した人にとっては、物足りない内容になるだろう。

僕のように、民法を勉強し直そうと思い出す人や、民法を一から勉強し始める人にちょうどいい内容となっている。

また、本書はどちらかというと、試験勉強向けになっているので、重点は契約などの財産法にあたる部分になっている。個人的には、家族法の方が興味があったのだが、そこのボリュームはかなり少ない。

相続とかそういう面を勉強したいのであれば別の本が良いだろう。

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