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正しい文章とはなんぞや?|ライター取扱説明書vol.3

WEBライターに仕事を発注したい人向けの
ライター取扱説明書を作ってみようプロジェクト

WEBライターになりたい人向けの情報は世の中に溢れていますが、WEBライターに仕事を発注する人向けの情報って、なかなか見当たりません。

どんな買い物でも、買いたい商品のことをよく知っていると、上手な買い物ができますよね。ライターへ仕事を発注する時も同じです。ライターの仕事内容をよく理解しているほうが、同じお値段でより高品質な成果を得ることができます。

今回のテーマは「正しい文章とは何ぞや?」です。

今回の内容は、文章を面白くすることとは真逆の、守りの部分なので…お堅い内容になっています。それでも、ライターの仕事を語る上では避けて通れないテーマです。多少つまらなくてもご勘弁を(ノД`)・゜・。

判決

求められる3つの正しさ

ライターは文章を「正しく」書かなければいけません。間違った情報は非難や批判を呼び、依頼主を危険に晒すからです。ネット上で公開される文章の場合は、なおのことそう言えます。危険な情報ほど人の関心を集め、あっという間に拡散するからです。

1000円で売りたい商品を、誤って100円と表記してしまった場合を想像してみて下さい。常識破りの低価格に注文が殺到します。慌てて価格を1000円に修正するも、既に注文したユーザーが猛反発。結局100円で販売することになり、依頼主は大損害を被ります。たった一つの商品表記の誤りで、会社そのものの存続を危うくすることがあるのです。ですから、WEBライターの文章に「正しさ」は欠かせません。

WEBライターの文章に求められる正しさは、次の3種類です。

①情報源が正しい
②法律的に正しい
③日本語として正しい

一つずつご説明します。

情報源

①情報源が正しい

WEBライターが記事を書くためには、取材や調査が必要です。この時に集めた情報が正確でなければ、正しい文章は書けません。最新で信頼性のある情報に基づいて記事を書くために、情報源を精査する必要があります。

特に、ネット上の情報を元に記事を書く時は、慎重に調査します。ネット上の情報は「誰が」「いつ」「何のために」書いた情報なのか、曖昧な場合があるからです。

この状況は、複数の人が縦に並んで、伝言ゲームをする時と似ています。伝言を後ろの人に口伝えしていくと、参加者が多ければ多いほど、伝言が歪められて不正確な伝わり方になりますよね。

ネット上には、情報源のはっきりしない記事がたくさんあります。そのような記事が、さらにリメイクされることもあります。それらの記事を基にしてしまうと、伝言ゲームで伝える内容が歪められるのと同じように、事実とは違う内容の記事が出来上がってしまうのです。

より正確な情報を集めるためには「有識者から直接ヒアリングしたことを記事にするのが望ましい。どうしてもWEBリサーチで記事を書かなければいけない場合は、公的機関や上場企業の公式サイトを調査すべし」と、業界内ではよく言われます。伝言ゲームをせずに、最初の一人として、情報を直接聞き出すということです。

法律

②法律的に正しい

次に求められる正しさは「法律的な正しさ」です。違法な文章にならないよう注意するということですね。具体的な例を挙げると…

著作権法:盗作を防ぐためのルール。
薬機法:医薬品や化粧品などについて伝える際のルール。
景品表示法:商品を宣伝する際のルール。

少なくともこの三つは知っておく必要があります。

これ以外にも、執筆するジャンルに応じた関係法規を知っておかないと、正しい文章を書くことはできません。特に健康関連の商品は、商品の効果を大げさに表現すると即アウトですね。

記事が違法な内容だった場合、罰せられるのは記事を公開した依頼主です。知らぬ間に違法な表現を使われて、依頼主が犯罪者になってしまうこともあるのです。ライター自身に損害賠償を請求できる可能性もありますが、基本的には依頼主が罰せられるので、注意が必要です。

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③日本語として正しい

TPOにあった文章を書くことも大切です。
「時と場合をわきまえる」という意味の正しさですね。
具体的には…

文語or口語
句読点の位置
敬語の使い方(尊敬語・謙譲語・丁寧語)

などが挙げられます。

営業マンの言葉遣いをイメージしてください。

飛び込みで営業をする時。
自社内で相談する時。
お得意様との世間話。

その時々で、正しい言葉遣いって変わりますよね。

WEBライターはネット上の営業マンですから、その時々の状況を見極めて、適切な言葉遣いを選ぶ必要があります。文章は会話と違って、間違えが記録としてずっと残りますから、より慎重に表現しなければいけません。

会話と違って、公開する前に修正できるのが、文章の良い所。

記事が完成した後で、間違えがないかチェックすることを「校正」といいます。この校正、チームで執筆する場合は、専属の担当者がいるくらい重要な工程です。商品の最終チェックですからね。

一人で執筆する場合は、できるだけ客観的に自分の作品をチェックできるよう、記事をプリントアウトしたり、音読してみたり、校正ツールと呼ばれるソフトを使ってみたり、一晩時間を置いてから見直したりします。それだけの手間暇をかけてやっと「文章」「商品」に変わります。

対価

正しい文章が欲しいなら対価が必要

これらを真面目に実行すると、執筆時間より取材時間の方が長くなります。時間のかかる仕事=お値段の張る仕事ということです。求められる正しさのレベルに応じて、ライターに支払うべき報酬も上がっていきます。

ライターにも生活があるので、対価が低い仕事は、制作時間を短くせざるを得ません。そういう場合に真っ先に削られるのは、今回取り上げた「文章を正しくするための手順」です。あまりにも単価の安い案件は「正しさは後回しな案件」と同義です。

ライターに正しい文章を書かせたいのであれば

記事を公開する際のリスクを低く抑えたいのであれば!

それに見合った対価を用意してください。

今回のテーマは…
「正しい文章とはなんぞや?」でした。

次回のテーマは…
「読みやすい文章とはなんぞや?」です。

ではまた!

まとめ
正しい文章には…
・情報源の信頼性
・法律的な知識
・TPOに合わせた表現
が必要。どれもたくさんの時間がかかる。


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