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【要約】歴史から未来を予測する方法とは?【サピエンス全史】


「10年後の未来が予測できればいいな」とは思いませんか?

もし、未来を予測することができれば、これからどんな職業が伸びるのか、今のうちに身につけておいた方がいいスキルは何か、などを知ることができます。

そこで、どうやって未来を予測するのか、そもそも未来を予測することは可能なのか、が大事になってきます。

結論から先に言ってしまうと、未来を完全に予測することなんて不可能です。

しかし、これから人類がどうなっていくのか?の全体像をつかむことは可能です。

そのために、歴史を学びましょう。偉人伝のような細かい話ではなく、人類全体がどう進化してきたかを知るのです。

そうすることで、「これまで人類はこうやって進化してきたんだから、これからもこんな感じで進んでいくのかな」と把握することができます。


その手助けをしてくれるのが、2016年に出版されて大ベストセラーになった記念碑的名著『サピエンス全史』です。これは必読書だとよく言われますが、あなたは読了しましたか?

なんせ、この本は長い。(笑)

人類の歴史を語るにはいくつものページが必要なのはわかりますが、この著者さんは読者が馴染み深く理解しやすいようにと、いろんな表現や比喩を使って遠まわしに解説する癖があるように思います。(笑)

そこで、これは余談ですが、もし読了することが難しい場合、YouTubeなどで要約されている動画をみてから読むことをおすすめします。先に全体像を把握しておくことで、読み進めるスピードは速くなるかと思います。(もちろんこの記事でもいいよ!)

ただ、要約動画をみるだけで終わりにするのではなく、実際に自分で読んでみることもおすすめします。この本には1つの動画や1つの記事では語りきれないくらいの情報や感じさせられるものがあるため、自分の頭をひねらせながら読むことで、教養の身につけ方が変わります。

そこで、私が本書を読んでいて見出せた教養を記事にまとめたいと思います。(2回に分けてお届けする予定)
これからするお話は、本書をどう活かして人生をより良くするか、みたいな話になるので、本書の内容は端的にしか書いていきません。

それでは、

人類はどうやって進化してきたのか?
人類はこれからどうなっていくのか?

この2つの視点から解説していきたいと思います。


認知革命


『認知革命』は、本書の一番のテーマです。簡単に説明しますね。

・種は1つではなかった!
ネコ科には、ライオンやチーターがいる。
イヌ科には、オオカミやキツネがいる。
ヒト科には、人間以外にゴリラやチンパンジーがいる。
ここまでのことはみんな同じ認識だと思う。
でもそれ以上に、ホモ(ヒト)属には、我々サピエンス(現代に生きる人間)以外の人類種が実はいたんだよ!って話。
例えばライオンは、パンテラ(ヒョウ)属に属しているともいわれていて、ヒョウや虎と同じ属。名をパンテラ・レオという。
ライオンや虎とヒョウって、似てはいないけど、近いといえば近い生き物だよね?これと同じくらいの感覚で、ホモ(ヒト)属には、現代に住むサピエンス以外にもいたんだぜ!

他にいた人類種は、姿形から能力まで違っていたそうです。サピエンスは他に比べて肉体的な面で力が劣っていたといわれています。

どんな人類がいたのかは割愛しますが、重要なのは、

「なぜ、我々(サピエンス)だけが生き残ったのか?」

ですよね。

この問いを持つことは正しいのですが、調べてみると恐ろしい事実が発覚しました。(笑)

よくよく調べてみると、サピエンス(我々の祖先)が他の人類種を絶滅させた!

とのことでした。

すると次の疑問が生まれてきます。

「他の人類よりも、力が劣っていたサピエンスが、勝ち残ることができた要因は何だったのか?」

それは、

コミュ力が高かったから!

とのことでした。(笑)

サピエンスは、他の種に比べて会話して協力する能力が高かったらしいです。
「ちょっとあいつら気に食わないから、絶滅させてしまわない?」
「あーいいね。俺とお前は同じ仲間だもんね」
と会話していたのでしょう。(たぶんこんなポップではない)

どんなに力の差があっても、数の暴力には勝てません。サピエンスの協力する力には誰も太刀打ちできなかったのです。

そして、サピエンスたちが協力することができたのは、思考の中に『虚構』が備わったからだといわれています。この虚構が起きたことを認知革命と捉えて間違いないですね。

『虚構』とは?
ひとことで言うと、「客観的事実にはない、想像上の現実」のこと。もっとわかりやすい言葉で「妄想」や「フィクション」といった、「嘘を信じることができる能力」のこと。
例えばあなたが会社員だとして、社内ですれ違う人に挨拶するのはおかしなことではないだろう。
でも、プライベートの道端ですれ違う人と挨拶をしたら不自然だ。
「同じ会社に勤める人に挨拶するなんて当たり前だ」と言いたいかもしれない。
この基準が『虚構』による価値観で、同じ会社に勤めているからといって、同じ建物に出社しているからといって、その人を仲間と認識するのは「想像上の現実」を共有しているからだ。

宗教や神様、小説や映画などは、まさに虚構による産物だといえます。虚構のない動物であれば、フィクション作品に対して理解に苦しむかそもそも作り出すことは不可能です。


・ここまでのおさらい
人類種は他にもいて、我々の祖先にだけ虚構が備わり、想像上の現実を共有するコミュ力を手に入れたおかげで、他の人類種を絶滅させることができた。これが認知革命である。

こうやって、取るに足りない動物が世界を征服する物語を綴ったのが本書です。

生まれながらにして自分をホモ・サピエンス(賢い・人間)だと名乗る超ナルシストな我々の歴史を一緒に学ぼうではありませんか!
といいたいところですが、征服するに当たって起こされた色々な出来事はすっとばして、重要な点だけをお伝えしていきます。


農業革命


『農業革命』以前は、「狩猟採集民」という暮らし方を送っていました。肉を狩猟し、木の実を採集して生活するというものです。その頃は、自然についての知識が豊富だったことでしょう。

しかし、小麦や稲などの栽培が可能になって、お外に出かける必要がなくなったのです。(僕達引きこもり遺伝子の祖先はここ辺りじゃないかな!?)

現代風に言うなら、テクノロジーが進化したおかげで、わざわざ出社しなくても働けるようになったようなものでしょうか?

ここまでのことを農業革命と言って終わりたいところですが、重要なのは、

「農業革命は、人類にとって成功だったのか?」

です。

答えは、

「NO(と言える)」

少し想像してみて下さい。確かに農耕民たちは、それ以前の暮らしに比べて食糧の獲得が約束されたようなものですが、四六時中農作物さんたちを育てる必要があり、むしろ遠出は許されず、余暇の時間も短くなる一方です。
以下に引用している文章は、人類が農耕民になってからのライフスタイルを著者さんが綴ったものです。

およそ一万年前までは狩猟採集によってかなり快適な暮らしを送ってきたが、やがて小麦の栽培にしだいに多くの労力を注ぎ込み始めた。二〇〇〇年ほどのうちに、人類は世界の多くの地域で、朝から晩までほとんど小麦の世話ばかりを焼いて過ごすようになっていた。楽なことではなかった。小麦は非常に手がかかった。岩や石を嫌うので、サピエンスは汗水垂らして畑からそれらを取り除いた。小麦は場所や水や養分を他の植物と分かち合うのを嫌ったので、人々は焼けつく日差しの下、来る日も来る日も延々と草取りに勤しんだ。小麦はよく病気になったので、サピエンスは虫や疫病が発生しないか、いつも油断ができなかった。小麦は、ウサギやイナゴの群れなど、それを好んで餌にする他の生き物に対して無防備だったので、農耕民はたえず目を光らせ、守ってやらなければならなかった。小麦は多くの水を必要としたので、人類は泉や小川から苦労して運び、与えてやった。小麦は養分を貪欲に求めたので、サピエンスは動物の糞便まで集めて、小麦の育つ地面を肥やしてやることを強いられた。
(出典:サピエンス全史)

まさに、小麦の奴隷ですね。(笑)

認知革命で他の種を絶滅に追いやることのできた我々サピエンスですが、農業革命に至っては、人類にとっての成功だったとは言えないでしょう。

コラム:誰にとっての成功だったのか?
引きこもりライフのスタートは、いかにも夢の国の入り口かのようにみえる。が、著者は「農業革命は、史上最大の詐欺だった」と言っている。
それは、我々が農作物を栽培していたのではなく、農作物が我々を家畜化していたからだ。
現代でも、リモートワークで引きこもりライフのスタートだと一喜一憂できないかもしれない。私たちは、自宅というユートピアに上司からの連絡を許してしまうことになりかねないのだ。


科学革命


『科学革命』はわざわざ細かく解説する必要はないですね。まさに今進歩していっているところですから。

科学革命は、ひとことで言うと「無知の自覚」です。

それ以前は、理解できないことを妄想(虚構)で誤魔化して理解しているように振る舞ってきましたが、科学の力を持ってすると正確な説明がついてしまうようになったのです。そうして、様々な現象を解明していくことになります。

そして、貪欲な人類は、現象を知ることだけでは満足できず、現象を作り出すことにも成功していきます。過去に起こった科学革命は発見の革命ですが、現代で進んでいるのは発展の革命といえるでしょう。

科学革命にはそこまで突飛な情報がないと思ったため、解説はここまでにします。(笑)


【まとめ】歴史から学べる3つの知


本書のテーマとされる3つの革命を解説しました。

人類はどうやって進化してきたのか?のまとめです。

①実は、人類種は1つではなかった!他にもいたんだけど、あるとき僕達に(文字通り的な意味でも)想像を超えたコミュ力が備わって、協力して他を絶滅させることができた。ここから、サピエンスの歴史がはじまる。
②次に、生活が変わる。狩猟採集の暮らしをやめて、農作物の奴隷のような生き方が最も効率的だと、誤解する。この時から、余暇を犠牲にし、栄養が単一的になり、でも飢えを凌ぐことはできた。
③今までの自分たちの無知を自覚することによって、様々な発見が起きる。それだけでは満足できず、これからもどんどんと発展することが目指されている。最後に、世界が変わる。


※ここまで無料※


さてさて、「端的に解説する」と言いつつもすでに長文であることには自覚があります。(笑)

でも、ある程度の全体像をつかむことができる内容だったと思います。

ここからは、人類はこれからどうなっていくのか?という視点に切り替えてお話していきますね。

次に解説するのは、

・3つの革命の「次の革命はもう見えている」という著者さんの主張とは?
・未来を予測する上で重要な注意点とは?
・今できる未来を予測する方法とは?

の3点です。

それでは、歴史の教養を人生に活かすお話を始めましょう。


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