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「うちの営業のやり方、これで本当に正しいのかな……?」

このテキストは、2022年8月に発売の書籍『売上が上がるフロントオフィスの設計図』(クロスメディア・パブリッシング)の一部をnote用に編集したものです。


みなさんの会社では、旧態依然とした営業手法にモヤモヤすることはないでしょうか!?

たとえば、

  • 見込み客(リード)の獲得から契約、会計に至るまでの一連のプロセスが、数値化・可視化されていない。

  • その案件が本当に受注できそうなのか、「確度」がわからない。

  • 受注まであといくつのステップを要するのか不明で、売上の見込みが立てられない。

  • 経営者がしびれを切らして「あの件、うまくいってるのか?」と営業スタッフに問いただしても、要領を得ない返答に終始する。

  • 満を持して、営業支援ツールを導入したこともあったものの、現場の営業スタッフも営業マネジャーも使いこなせず、いつしか「宝の持ち腐れ」状態に。

  • デジタルマーケティングのプロに相談したこともあるけど、話が難しくて……。

そんなふうに日々モヤモヤとしている経営者に向けて、営業やカスタマーサポートなど顧客との接点となる部門=「フロントオフィス」の設計の仕方、中でもITによる「営業部門の仕組み化」を解説するために執筆しました。

主に法人営業(BtoB)向けにお話ししていますが、個人向けビジネスにも通じる部分が多々あるはずです。

もしかすると、みなさんの中には、過去に営業支援ツールを導入しようとして失敗し、ツールに苦手意識を持っている人もいるかもしれません。本来、営業支援ツールは誰でも簡単に使えるものです。しかし、これまでは「ツールが苦手な人向け」に書かれた本がそれほど多くはありませんでした。

本書を執筆するにあたっては、そのようにITに苦手意識を持ってしまった人が、「これなら自分にもできる!」と確信を持ち、あらためて「営業の仕組み化」に挑戦できるような、わかりやすい内容を心がけています。

IT活用・導入のゴールは「業績を伸ばす」こと

私、本間卓哉は、一般社団法人IT顧問化協会の代表理事を務めながら、「IT経営ワークス」という会社を経営しています。

われわれが手掛けているのは、企業の「IT顧問」サービスです。今から10年前、つまり「DX(デジタルトランスフォーメーション)」という言葉が浸透するずっと前から、デジタル活用・導入のアドバイスや、現場での導入支援を行ってきました。

「営業の仕組み化」も、その支援のひとつです。具体的には、営業を含む「フロントオフィス」全般を設計するお手伝いをしています。

一般的に、企業がデジタル活用するにあたって、まず目を向けるのは、総務や経理など、バックオフィス業務の効率化かもしれません。

われわれへのお問い合わせも「バックオフィス業務を最適化したい」「人間が手作業で行っている事務作業を自動化したい」といった内容が増えています。

しかし、そのようなご相談も、よくよく中身を吟味してみると、バックオフィスの効率化にとどまるものではないことがほとんどです。

そもそも「なぜ、バックオフィスを最適化するのか」を考えてみましょう。それは「業務を効率化したい、生産性を上げたい」から、であるはず。そしてこれは「会社の業績を伸ばしたい」と言っているのと同じです。ならば、より直接的に業績を伸ばすお手伝いをするのも私の仕事、ということになります。

では、どうしたら業績を伸ばせるのでしょう? もちろん答えは会社によってさまざまですが、私の専門である「ITによる効率化」が、ひとつの答えになります。

バックオフィス業務を効率化することで売上を伸ばすポイントについては、前著『売上が上がるバックオフィス最適化マップ』にまとめました。

そして本書では、前著では触れられなかった、顧客との接点となる部門=「フロントオフィス」の最適化に踏み込んでいきます。

中でも重要なテーマとなるのが、先ほども触れた「営業の仕組み化」です。

業績不振にあえぐ会社の社内を見渡してみると、問題の根っこが「旧態依然とした営業手法」にあるケースが非常に多いのです。具体的には、営業スタッフ個人の勘や経験頼りになっていて、必要な情報の集約や管理ができていないケースが多く見られます。

象徴的なのは、「見込み客」を管理できていないことです。

たとえば、ウェブからの問い合わせを通じて獲得した「見込み客」のデータを管理し、優良顧客へと育成していく仕組みがありません。また、見込み客にアプローチする手段がいまだに紙のチラシやダイレクトメールのみであることもしばしばです。

欲しい製品やサービスがあれば、その場ですぐインターネットで検索するのが当たり前の時代にあって、これではまずい。残念ながら、いかに製品やサービスが優れていても、業績を伸ばすのは難しいと言わざるを得ません。せっかく獲得しかけていた見込み客を、自ら手放しているも同然です。

では、どうしたら営業を仕組み化できるのでしょう。

幸いにも、テクノロジーの発展により、IT企業のみならず誰にとっても使いやすい「営業支援ツール」が登場しています。価格面でも、中小企業も導入をためらわずに済む水準のサービスが、思った以上にたくさんあるのです。

昔ながらの営業スタイルを刷新するために何が必要なのか。どんなツールをどう使うのが有効なのか。それが、どれほど簡単なことなのか。

そんなことを、本書を通じて伝えたいと思っています。


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