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書かないよりは、まし。1(2016年〜)

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「今日の、いちばん。」ほどはまとまってないですが、それでも書きたいと思ったことを、つらつらと。
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#日記

この世に「蜘蛛の糸」を垂らす文章を、書いてください。/書かないよりは、まし。28

この世に「蜘蛛の糸」を垂らす文章を、書いてください。/書かないよりは、まし。28

「本を出すことが、夢なんです」

そう言われたとき、自分はどんな顔をしてるんだろう? 一度、手鏡でも出して確認したいところだが、さすがにやったことはない。でも、たぶん口は一文字になり、確実に目は死んでいるはずだ。

上記のツイートでほぼ言い尽くしているつもりだが、少し補足する。「本を出すことが夢」ーー、それ自体が悪いとは思わない。けれど、それ「だけ」だとやはり厳しい。

編集者を前にして、そう口に

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人は突然亡くなり、そして「問い」だけを残して去っていく。/書かないよりは、まし。27

人は突然亡くなり、そして「問い」だけを残して去っていく。/書かないよりは、まし。27

今日、叔父が亡くなった。いや、正確には亡くなっているのを発見された。

本当はnoteなんて書いている場合じゃないかもしれない(実際、今まで、ろくに仕事もできず、母の事務的な手伝いをしていた)。
ただ、このタイミングでしか、正確に残せない気持ちもあるだろうから、少しだけ書く。

叔父は、僕の母親の弟だ。正直、好きだったかと言われると困ってしまう。特に、幼いころの僕だったら。

うちは母子家庭で、僕

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ある編集者との、ささやかな思い出について。/書かないよりは、まし。25

ある編集者との、ささやかな思い出について。/書かないよりは、まし。25

彼の訃報を聞いたのは、金曜日の夜だった。
家で作業していた僕は連日の仕事疲れで寝落ちしてしまったのだけど、他社の編集者からメッセージが来てるのに気づいた。
僕の知る、ある編集者が亡くなったらしいと。
たぶん、他の人の訃報に接してもそう思うはずだけど、自分の知る人物と、その人が亡くなるということが、最初はうまく結びつかなかった。

最近、僕と仕事をしたり、親しくなった人は、「こいつは長年ウェブメディ

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「あきらめが悪い」を、あきらめない。(「アイスと雨音」試写会の感想)

「あきらめが悪い」を、あきらめない。(「アイスと雨音」試写会の感想)

あきらめるのは、いい大人の嗜みである。

と書いてはみたものの、本当にそうかはわからない。ただ、大人になるにつれて「あきらめる」ことが増えていくのは、多くの人にとって事実ではないかと思う。

とくに、(「会社」に代表される)組織の一員になると、「あきらめ」に慣れる機会が増える。
うちの会社はこういうことはできない、上司が首を縦に振らない、納期を考えると現実的ではない、予算が足りない、成功する保証が

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「時間」について突き詰めて考えて、年賀状をやめることにした。/書かないよりは、まし。21

「時間」について突き詰めて考えて、年賀状をやめることにした。/書かないよりは、まし。21

昨年10月、「現代ビジネス」の仕事をメインにするようになってから、ウェブの編集や広告案件と、初めてのことが続きました。40歳近くにして、また新人に戻るようなものです。

そういう生活の中で、僕はしばらくのあいだは、自分の時間の大部分を、「書き手の方」のために使おうと決めました。

本と違い、ウェブメディアの仕事は、いただく原稿の本数が格段に増えます。週に最低3本企画を出し、OKが出たものはテーマに

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