マガジンのカバー画像

ぷらっとほーむ

59
運営しているクリエイター

#スタッフ

「ミッション共有」とは何を意味するか?

「ミッション共有」とは何を意味するか?

■先日、調査依頼を受けて、ある居場所NPOを訪れ、そこのスタッフ全員にインタビュー調査を行った。調査のお題は、「NPOは、その団体に固有のミッション(使命)をもっていると前提されているが、果たしてそれは実際にスタッフ間でどれだけ共有されているか、共有されているとすればそれはどのような方法によって達成されているか」というもの。方法上の課題は、ミッション共有の達成度合いを、どのような基準やものさしを用

もっとみる
社会学から見た「居場所」とは?

社会学から見た「居場所」とは?

■先日、日本教育社会学会第59回大会において、「「居場所」に関わる人びとによる「不登校・ひきこもり支援」の社会的構築:支援者のアイデンティティ・ワークに着目して」という題目で、研究発表を行ってきた。心の専門家による心理学的な言説(居場所における受容は心の傷を癒す)でも、東京シューレ系の反学校論的な言説(居場所における試行錯誤は「自由・自治・個の尊重」を保障する)でもなく、社会学的に「居場所」を記述

もっとみる
他の誰かに「居場所」を与えるということ。

他の誰かに「居場所」を与えるということ。

■おかげさまで「ぷらっとほーむ」も創設して5年目、いろんな人びととの、いろんなかたちでの関わりを経て、現在の姿がある。ある人びとはここをひとつのきっかけとして新しい自分の居場所を見つけて旅立ち、またある人びとはこことの付き合いかたをそのときどきに合うかたちに変えながら利用し続けている。とはいえ、イベントごとなどに際しては、かつての利用者(いわゆるOB/OG)と現役の利用者とが顔を合わせる場面も多い

もっとみる
居場所の「シャドウ・ワーク」

居場所の「シャドウ・ワーク」

■「居場所の運営」などというと、どうしてもスタッフの関わりだとかその振舞いかただとか――それが大事なのはもちろんだが――そこばかりに意識が向いてしまいがちで、その「スタッフ‐利用者」関係、あるいは「スタッフ‐スタッフ」関係の記述ばかり積み重ねてしまう。それが悪いわけではないが、今回はあえてそれを禁欲し、居場所のもうひとつの関係性である、「利用者‐利用者」関係について、日ごろから感じていることを、あ

もっとみる
完全居場所マニュアル?

完全居場所マニュアル?

■前回は、居場所づくりのハードウェアとも言うべき、財政運営に関して詳述した。いつでも誰でも気軽に立ち寄れる居場所をつくるためには、そのための空間を物理的に常時確保しておかねばならず、それゆえ諸々のコスト負担が求められるということだった。だが空間の確保だけでは、そこは、子ども・若者たちがいつでも気軽に立ち寄れる敷居の低い居場所にはなりはしない。そこで今回は、私たちがどのようにして敷居が低く居心地のよ

もっとみる