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#フリースクール

「接続する」という技法。

「接続する」という技法。

■先月に引き続き、当事者の親の会での講演の場でのやりとりの中から話題を提供したいと思う。私を講師として呼んでくれた親の会が活動するその地域には、(不登校・ひきこもりなどの)子ども・若者たちが利用可能な居場所が身近に存在していない、とのこと。だからこその、自前の居場所を草の根で立ち上げていくための学習会。当然、私の話題提供に対しても、さまざまな角度から、具体的な質問があった。前回に引き続き、ここで再

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「スタッフの消耗」問題をこえて。

「スタッフの消耗」問題をこえて。

■かつて、「言語の貧窮」こそが「居場所」関係者(もっと言うと、若年支援系NPO)の抱える課題ではないかと述べた。「言語の貧窮」とは、活動の当事者たち(自分らをも含む)が自らの行為――「居場所づくり」や「若年支援」――の意味や価値、それが社会的に果たしている機能などについて、反省的に自己言及するための語彙あるいはそのためのしくみを、自身の活動の内部に十分に確保できていないという事態を指す。それがもた

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あれから10年も、この先10年も。

あれから10年も、この先10年も。

■10年前、わたしは県立高校で講師をしていた。勤務先は母校だったが、10年ぶりのその空間がなぜか当時の自分には違和感だらけ、しかもそのもやもやを口にできる相手もうまくつくれず、悶々としていたころだった。偶然目にした新聞記事に「山形で初のフリースクール開設」の文字を見つけ、不登校運動に参入したのが2000年12月。それからは、翌年4月の開設に向けて、県立高校講師とフリースクール開設準備という二足のわ

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