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爆発する日本食経済圏 世界が食いつくブームの裏側 2013.7.15 #15 2014-02-12 20:07:07

【『日経ビジネス』の特集記事】 #15  初出 2014-02-12 20:07:07 <バックナンバー>

⭐『日経ビジネス』の特集記事から、私が特に関心を持った個所重要と考えた個所を抜粋しました。

⭐ 当面は、Ameba(アメブロ)に投稿していた記事を再編集し、加筆修正し、新たな情報を加味し、「バックナンバー」と表示し投稿します。

⭐ 1つのテーマについて複数回投稿している場合(ほとんどが該当しますには、1つにまとめて投稿します。タイトルの後の日付は雑誌の発行日で、最後の日付は投稿日を表わしています。

⭐ 一方、新規で投稿した記事については、異なる壁紙を用意し、本文内に「タイトル」「雑誌発行年月日」を表示します。


再投稿することにした経緯

再編集して再投稿することにした理由は、次のとおりです。

自分が当時どんな記事に興味があり、どのような考え方をしていたのかを知りたいと思ったからです。

当時の自分を振り返ることで、当時と現在で考え方は変わったか否か、あるいは成長しているかを確認したいと思いました。

記事データは当然古くなっていますが、本質的な部分は必ずあるはずで、しかも普遍性があります。その個所を再度学んでみたかったのです。

さらに言えば、『日経ビジネス』のバックナンバーをご紹介することで、この記事に目を通していただいたあなたに何らかの有益なヒントを提供することができるかもしれない、と考えたからです

「私にとって、noteは大切なアーカイブ(記録保管場所)です。人生の一部と言い換えても良いもの」だからでもあります。
プロフィールから)


2022年6月14日現在、週刊誌『日経ビジネス』を購読していませんが、新たに電子版セット(雑誌+電子版)を「らくらく購読コース」で今年の7月以降に定期購読する予定です。



日経ビジネスの特集記事 #15



爆発する日本食経済圏 世界が食いつくブームの裏側 2013.7.15 1/3 2014-02-12 20:07:07

<このページでは、『日経ビジネス』の特集記事の概要紹介と、管理人のコメントを掲載しています>


世界を席巻する日本食ブーム

日本食と云えば、健康志向の流行とともに寿司が人気があります。

その他の日本食では、すき焼きや天ぷら、そば、うどんでしょうか。

今回お伝えするのは、同じ日本食でも日本国内の日本食=和食とは、見た目も味も異なる海外の日本食です。

一体どのようなものなのでしょうか?

そうした海外の日本食をご紹介する前に、海外の日本食レストランの
実態を見ていくことにしましょう。

日経ビジネスの記者たちが総力を上げて、現地取材を通じて、徹底的に調べ上げました。

「海外の日本食レストランの数は2013年3月時点で5万5000店舗。わずか3年で2万5000店舗も増加した。

急成長の牽引役は、日本人ではない。

外国人が経営する日本食店が急増しているのだ。今や海外の日本食レストランの8~9割を、日本人以外が経営しているとされている」


今週の特集記事を読む前までは、日本人の料理人が海外の現地に赴き、日本食レストランを経営しているものとばかり思っていました。

私の推測は見事に裏切られました。

先にお話したように、日本食の代表と云えば寿司ですが、海外ではそれだけではないようです。


「寿司や刺し身が人気の火つけ役だったが、今では海外で人気が高い日本食のメニューは多岐にわたる。

同じ調査(日本貿易振興機構(JETRO)が今年3月に実施した)で好きな
日本食を聞いたところ、1位の寿司・刺し身のほかに、ラーメンやカレーも上位に挙がった。

日本の『大衆食』に対する認知度が現地で高まり、着実に普及が進む様子が鮮明になっている」

具体的に海外の日本食レストランを見てみましょう。

ロンドンでも日本食ブームになっているそうです。

「ロンドンでは今や、街角のサンドイッチ店からスーパーまで、至る所でパック入りの寿司が手に入る。ここ数年で日本食の大衆化は急速に加速し、競争が激化している」

ヨー!スシの場合

ヨー!スシの創業は1997年で創業者は英国人です。

「創業当時のロンドンでは、日本食レストランに行けば1人100ポンド
(約1万5000円)程度払うのは一般的だった。寿司を食べるのは金持ちか
日本人駐在員に限られていた」

そのような状況から16年後には大きく様変わりしていました。

「それから16年後、ヨー!スシの客単価は平均15ポンド(約2250円)。安くはないが、イタリアンなどの外食チェーンと同等の水準であり、20~35歳の若者を引きつけている」

日本人シェフを一人も雇わず、これまでに約500種類のメニューを独自に開発してきたそうです。

2012年の売上高は7000万ポンド(約105億円)で、英国内の店舗数は5年で約2倍の65店に増えたそうです。

米国やアラブ首長国連邦のドバイでフランチャイズ展開し、英国内で150店舗、米国ではその2~3倍の店舗を出店することを目指しているということです。

次回は、このような海外の日本食レストランの躍進を支える“黒子”たちについてお伝えします。




日経ビジネスの特集記事 #15


爆発する日本食経済圏 世界が食いつくブームの裏側 2013.7.15 2/3 2014-02-12 20:28:52

<このページでは、『日経ビジネス』の特集記事の概要紹介と、管理人のコメントを掲載しています>


躍進支える“黒子”たち

前回は海外の日本食レストランの盛況ぶりの一部をお伝えしました。

あなたの想像を超えていたのではないでしょうか?

今回はそうしたブームに沸く海外の日本食レストランに欠かせない寿司ロボットの普及や冷凍ギョーザの現地生産の状況、日本食と言ったら「しょうゆ」を浸透させるために日夜裏方として働く人たちをお伝えしていきます。

ロボットの導入は国内自動車メーカーではおなじみのものですね。

24時間文句も言わず働く、人間に取って代わる存在でもあります。

労働問題にも波紋を投げかける“モノ”としても取り上げられますね。

では、寿司ロボットはどうなのでしょうか?

寿司ロボットの利点は、熟練した寿司職人がいなくても、操作方法を覚えればだれにでもすぐに使うことができる、ということです。

「その(寿司ロボット)最大手が、東京都練馬区に本社を置く鈴茂器工

1985年に米国で寿司ロボットの販売を開始し、現在は中東や南アフリカ共和国など65カ国で事業を展開する」

鈴茂器工が扱う寿司ロボットの性能はすごいと思いました。

「鈴茂が扱う寿司ロボットは多岐にわたる。
セントラルキッチン向けから個人経営のレストラン用まで、作るものも握り寿司から軍艦巻き、巻き寿司など多様だ。
大型機械では、1時間に4000本もの巻き寿司を製造できる」

鈴茂の小根田育冶社長は次のように語っています。

「本物の寿司を作るためのハードと、それを生かせるソフトも提案しないと成長は続かない」

パリで日本食店が多数集まるオペラ座界隈に冷凍ギョーザを浸透させた会社があります。それは味の素冷凍食品です。

フランス料理の本場に乗り込み、日本食店に今や欠かせない食材となった冷凍ギョーザを卸しています。

「『約180軒ある日本食店の65%が味の素の冷凍ギョーザを使っている』と味の素冷凍食品の海外部長、高原弘・執行役員は胸を張る」


そんな味の素冷凍食品の業績はどうなのでしょうか?

「味の素冷凍食品の海外売上高は、2012年度に100億円だったが、3~4年で2倍に引き上げることを目指す」

寿司に限らず、日本食に欠かせないのは「しょうゆ」です。

「最大手のキッコーマンは、2013年3月期の連結売上高に海外が占める比率が5割弱の1400億円。営業利益も全体の7割弱の130億円と、国内の2倍近くを稼ぐ」

キッコーマンは日本国内と同じ「万能調味料」としてだけでなく、海外の外食業者や消費者が求める商品開発も行なっています。

「例えば、欧州では、『スクレ』と呼ばれる焼き鳥のタレのような甘辛いしょうゆがヒット。フランスの日本食レストランでは、白いご飯にしょうゆをかけて食べる人が多いことから2007年に商品化した。

今では現地の多くの日本食レストランで使われており、食品スーパーにも並ぶようになった」

キッコーマンの堀切功章社長は、こう話しています。

「しょうゆを軸に、成長市場に向けた新しい派生商品を投入していくことで成長を加速させたい」

日本企業がここまで海外の日本食レストランの成長に手を貸し、ともに成長していこうとしている姿勢に心打たれました。

日本企業は捨てたものではないですね。

今週の特集記事の最終回は、「3つの壁を乗り越えろ」と題してお伝えしていきます。




日経ビジネスの特集記事 #15


爆発する日本食経済圏 世界が食いつくブームの裏側 2013.7.15 3/3 2014-02-12 21:04:21

<このページでは、『日経ビジネス』の特集記事の概要紹介と、管理人のコメントを掲載しています>


3つの壁を乗り越えろ

前回は、日本食レストランの躍進支える“黒子”となって貢献する日本企業をご紹介しました。

日本人以外の外国人が経営する日本食レストランは繁盛していますが、日本人が経営する日本食レストランは、必ずしもうまくいっていない、というのが実情です。

今回は、そうした日系外食チェーンの海外展開の状況と立ちふさがる3つの壁をどのようにして乗り越えていくべきか、日経ビジネスが提示する試案をご紹介します。

フィリピンの首都マニラに巨大ショッピングモール「グロリエッタ」があります。

ここに北海道旭川市発祥の「らーめん山頭火」1号店が出店しています。

この店の人気の秘密は「あっさりしているのに深みがあるスープは、
『何度食べても飽きない』とフィリピン人にも」好評だからです。

「6月末には、早くもマニラ2号店をオープンさせた。アブ・アウト
(「らーめん山頭火」を運営する企業)は、3年後に海外店舗を現在の2倍以上の50店舗程度にすることを目指している」

日本でお馴染みの「カレーハウスCoCo壱番屋」は海外進出に積極的に取り組んでいる外食企業のひとつです。

最近、カンブリア宮殿で「カレーハウスCoCo壱番屋」の特集を視ました。

その番組の中で、浜島俊哉代表取締役社長が「カレーの本場インドに進出したい」と発言していたのを思い出しました。

「海外で100店舗超の『カレーハウスCoCo壱番屋』を展開する壱番屋は、インド進出も計画。『カレーの母国であるインドで日本式カレーを普及させ、インド人をびっくりさせよう』という『びっくりプロジェクト』を社内で発足させた」

2015年末までに海外店舗を現在の約3倍の300店にする計画だそうです。

こうした「うまくいっている」外食企業がある中で、業績が上がらず赤字に陥ったり、利益が小さかったりするケースが目立つそうです。

吉野家ホールディングスは海外で約約600店舗を展開するが、2013年2月期の海外の吉野家事業は2億円の赤字。海外で約80店舗を展開するワタミ
2013年3月期の海外の経常利益は2億5000万円とまだ小さい」

日本の外食が海外でなかなか利益を出せないのには、3つの大きな壁が立ちはだかっているからだ、と日経ビジネスは指摘しています。

1番目の壁は「出店密度」だそうです。

「多数の国や地域に数店舗ずつ出店しても、運営効率はなかなか高まらず、
黒字化のハードルは高くなる」

この点はコンビニのドミナント戦略を考えると、分かりやすいでしょう。

ある地域に集中して出店し、配送の効率化、顧客の囲い込み、ある店舗で
商品が欠品しても融通しあえるというメリットがあります。

2番目の壁は「食材の現地調達」だそうです。

「日本の味を守るには、日本から食材を輸入する必要があるという先入観を持ち、現地調達がなかなか進まない企業も目立つ。
だが、現地の人に支持される手頃な価格と利益を両立するには、食材の現地化は欠かせない」

この点は「地産地消」を考えてみればよいでしょう。
地元の食材を用いて生産し、地元で消費する。
地元の人にとって馴染みのある食材を利用すれば、浸透しやすいでしょう。

そして、3番目の壁は「メニューや味の現地化」だといいます。

これは2番目の壁と密接な関係があります。
讃岐うどんで有名な「丸亀製麺」が好例でしょう。

「インドネシア初出店から4カ月が過ぎたが、1日あたり平均1000人が訪れる好調ぶりだ。日本で繁盛している店舗に匹敵する来場者数だという」

好調を維持している理由は、「提携先企業と議論をしながら商品の試作を繰り返して、現地市場にあうようにくふうしたからだ」
(トリドールの近藤肇・業態開発マネージャー)ということと、

もうひとつは「日本と比べて0.5%程度、スープの塩分を下げた」こと、さらに「うどんの太さを工夫し、(中略)ゆで上げ後は日本と比べて1mmほど直径が細くなる麺を採用した」からです。

ウケるにはちゃんとした理由があるのです。

日経ビジネスは最後にこのように述べています。

「日本企業には国内で培った、日本食をおいしく効率的に作る圧倒的なノウハウがある。多様な食文化を受け入れて発展させてきた適応力も生かして、世界市場で勝負する。そこから未来は拓けるはずだ」

応援したいですね!




🔷編集後記

ヘルシーな日本食ブームはかなり前から続いていました。それが一時的なものではなく、定着したと言ってよいでしょう。

カレーハウスCoCo壱番屋の現状を見てみることにしましょう。

カレーハウスCoCo壱番屋

カレーのココイチが「タイ」で快進撃…! 大成功を収められた意外なワケ

このウェブサイトを見ると、タイで大好評だということです。店舗数が他のアジア圏で1番多いそうです。

タイには2008年に進出しており、ここ数年の売り上げは、2017年2月期が11.35億円、2018年が17.03億円、2019年が18.44億円、2020年が20.47億円と、着実に成長していることがわかる

日本よりも物価指数が低いタイの人々からすると、ココイチの食事は『やや高め』の部類に入る

在住日本人たちの中にはココイチの進出は失敗すると見ていた人もいる

ところが、ふたを開けてみれば、日本から輸入したルーで作る日本とほぼ同じ味のカレーで、ココイチは大成功を収めている

タイで成功した理由の1つはパートナー選びだったそうです。

ココイチがタイで成功した大きな要因の一つが『パートナー選び』だったと言われる。ココイチがタイで手を組んだのは、『フジレストラン』を展開する、フジ・グルメクリエーション社だった。

フジレストランは日本人経営の企業が展開する和食チェーン店だ。1999年に最初のレストランを出して以来、今ではタイ全土、ほぼすべての商業施設に入居していると言っていいほど多くの支店を持つ。その数は100店舗以上と言われ、日本料理というカテゴリーのみならず、タイの飲食業界全体で見ても、間違いなく五本の指に数えられるほど成功しているチェーン店である

もう1つの理由は価格設定だったそうです。

価格設定もまたひとつの戦略になった。日本ではカレーライスは安くて量の多い食事というイメージだが、カレーライスに先入観ゼロのタイ人たちにはちょっと高級料理として押し出した方が受け入れられやすい、と考えられた可能性が高い。寿司とか刺身は知っていても、カレーというよくわからない料理だと、安いからといって食べに来ることはない

価格を高く設定するとブランドとしても評価されることも多く、それが口コミでどんどん広がる。ちょうどココイチ進出後にスマートフォンがタイでも普及し、今ではSNSのアカウント総数は日本のそれよりも多いとさえ言われるほど広まった。タイでは口コミのパワーが強力なので、ブランド確立の戦略は大成功となった

⭐ 出典元: 現代ビジネス 2020.09.14


では、カレーの本場インドへの進出はどうなっているでしょうか?

カレーの本場インド進出も果たした壱番屋(ココイチ)の最近の業績動向はどうか

このウェブサイトを見ると、「カレーハウスCoCo壱番屋(ココイチ)が2020年8月にインドに進出しました」と書いてあります。
タイへ進出してから12年後のことです。

壱番屋の場合はインド進出以前にも、1994年のハワイ・オアフ島を皮切りに、アメリカ本土・イギリス・中国・香港・台湾・韓国・タイ・シンガポール・インドネシア・フィリピン・ベトナムと、複数国に進出しています。

これらの地域でもインドと同様の展開方針で「日本のカレー」として展開しており、一定程度の成果をあげているので、今回のインド進出時にもある程度の核心を持って展開していると考えられます


これではインドの状況がはっきりしないのでさらに調べてみました。
インドでココイチを経営しているインド人のインタビュー記事がありました。

日本のカレー文化、本場インドで発信 イチバンヤ・インディア・プライベートCEO プラセンジット・アディカリさん

このウェブサイトを見ると、次のことがわかります。
「ココイチは運営会社の壱番屋が三井物産とともに共同出資会社を設立し、2020年夏に首都ニューデリー近郊で1号店を開業した。研修で日本を訪れたインド三井物産のインド人の同僚が、ココイチで食べたカレーライスのおいしさに驚いたのが出店のきっかけだった」

「『インドでは食の多様化が進み、日本のカレーが受け入れられる素地はある』。ココイチのインド進出の構想を知り、こう直感したという」

「カレーの風味やトッピングを選べる仕組みはそのまま持ち込んだ。菜食主義が根付き、魚を具材に使うことが多い現地の食文化も参考にして、オリジナルメニューも開発した」

つまり、ココイチのオリジナルの良さを大切にし、さらに現地の食文化も取り入れたということです。

「味はインドカレーとは異なるが『多くのインド人が必ずおいしいと思ってくれるはず』。母なる地でのカレーライスの成功は、一人のインド人経営者に託されている」

インドで、これから長い時間をかけてココイチのカレーを浸透させていくことでしょう。

⭐ 出典元: 日経電子版 2022年1月6日 5:00



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