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【読書感想】吉田修一『日曜日たち』

2020/03/16 読了。

吉田修一『日曜日たち』

2003年刊行の連作短編集。5つの物語は、単独でも読めるが少しだけつながっている。

17年前の作品か、と懐かしく読んだ。ちょうどその頃吉田修一にハマっていて、同じ小説を読み終わったら初めから読んでというのを永遠と繰り返していたことを思い出した。

2編目の「日曜日の被害者」で、混雑した新幹線の指定席に知らない誰かが座っていた時のあの空気。言うか、言わまいかの逡巡。周りの乗客の視線。停滞した空気が目に見えるようだった。

初めて読む小説なのに、登場人物たちに懐かしさを覚えた。ありふれた日常も小説家にかかれば物語になるのかもしれないな、などとぼんやり思う。思考が止まったようなこの読後感、きもちいいな。





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