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足を挫いて、歯を削る 【エッセイ】

どうも、紳士淑女の皆様。おこんちです。

いやぁ、秋がすっかり深まって段々と冬を感じる季節になりましたね。
そうです、冬といえば皆さんお待ちかねの加山雄三。今年の24時間テレビではAIバーチャル加山雄三が出現し、リアル加山雄三との共演で茶の間をパニックのドン底に叩き落としたとか何とか。

ちなみに光進丸の全長は25.6mだそうです。
ちょうど大きめの戦闘機くらい、またはニューガンダムよりちょっとデカいくらいです。

はい。それでは本題へ。

先月の終わりにわたくし、足を捻挫して靭帯が伸び切ってしまいましたのわよ!
その原因はなんと「睡眠」。
足を変な方向に傾けたまま寝てしまい、疲れのあまり朝まで起きずにいたら足がパンパンに腫れて痛みで起床という事態に陥りました。

これは痛風なんじゃなかろうかと思い病院へ行くと腫れ方が違うとの事で。
蜂窩織炎じゃないかと言われたものの納得行かず、評判よろしい整骨院へ。結果、足首の曲がり方や腫れ方で

「非常に珍しいケースですけど、こりゃ寝てて捻挫しましたね。しかも靭帯が伸び切っちゃってますね」

と言われ、自分の身体の危機管理能力を疑いました。
捻挫しても起きないタフネスが身体にあるのに、どうしてこうも日頃色んな事を面倒臭がっちゃうのかしらイヤン状態に。

ぼんやり室内を見回してみると整骨院のカレンダーに「脱毛⭐︎」と書かれた曜日があったので、気になって尋ねてみました。

「ここって脱毛もやってるんですか?」
「いや、それは僕のスケジュールです!」

と爽やかに返されたので、これにはタケちゃん思わず苦笑い。
心の中にしまっておいても良かったのに、良い人だなぁと思いながらしばらく包帯生活に。

仕事をしないとご飯を食べて行かれない僕は包帯のまま足を引き摺って仕事へ行きました。
片脚が見て分かるくらい包帯に包まれているので、みんな優しくしてニャン⭐︎と思いながら電車に乗るとそこは戦場でした。

鼻息荒くリュックサックを前面に背負ったリーマンが脂汗を浮かべながら僕の足をまぁ踏んでいく踏んでいく!!

あまりに痛かったので

「痛いって」

と訴えましたがしっかり無視されました。
日本人は察しと思い遣りの文化なので言葉なぞ要らんのですね。

その後も優先席の前で眠りかける連中を羨ましそうにガン見していたのですが、羽生譲ってくれる気配がないまま足はどんどん痛くなって行きます。
隣に立っていたお婆ちゃんも「これじゃ世紀末だわ……」と言わんばかりの顔で立っておりました。
すると、ひとりのメスが立ち上がり座席が空いたではありませんか!!

やっっっっっと座れる……ッッッッ!!と思った矢先、お婆ちゃんは僕の包帯が巻かれたあんよをしっかりとガン見し、そして忍者のような素早さで優先席に座りました。

動けるやないかい!!

と心の中で叫び、僕は歯を食いしばってロキソニンを噛み砕いた訳であります。

その週は歯医者の予約も入っていたので、足を引きずりながら歯医者へGO。
その歯医者はいつ行っても忙しなく先生が動いていて、同時に三人くらいの患者を治療して回るスタイルなのです。

みんな忙しなく動いているので、リクライニングしながら待っていると助手や先生が椅子にバンバンぶつかって来て脳震盪が起き掛ける体験も出来たりします。

痛みがあるのはもう足だけにしてほしいな……と思っていると、先生が舌打ちしながら(よく舌打ちする)こんな事を言いやがりました。

「んー、麻酔しなくてもいっかな。よし、いっちゃお」

いやー!!待て待ていかんで下さい!!もうエヴァには乗らんといて下さい!!なテンションになった僕でしたがそんな想いは伝わる事なく治療が始まりました。

キュイーーーーン!!ガリガリ!!と頭骨に音が響くたび、痛みで意識が遠退いて行きそうになります。
しかし、実に身体とは不思議なもんで歯を痛くされている間は足の痛みを忘れてしまうんですね。

その昔、サンコンが頭が痛い時の対処法として

「頭痛イノ時ハ、思イッキリ、ヒザ叩く!!イタイノ忘レル!!」

と言って引くくらい膝を叩いていたのを観たことがあったけど、それを咄嗟に思い出しました。

早くキュイーーーーン終わらねぇかな、と思っていると舌に鋭角的な痛みが!
なんと、グルグルキュイン(あれ何て名前なの?)が僕の舌の端っこを削りやがったのです!!

先生は「あっ」と言いましたが、それだけで終わりました。
大量出血した訳ではないし、まぁこういう事もアルカイダだよね、と思って許してあげようとするとバッチリ診療費は取られていたので少しだけ、今でもお恨み申して上げている訳で御座います。

舌はいてぇし足もいてぇし、ロキソニンはガンガン減っていくし、帰れば部屋にひとりだわ、鬱蒼として散らかっているけれど掃除する気力もねぇわ、助けは呼べないわウーバーイーツは未対応エリアだわ最近はカラスが多いわでストレスは溜まる一方でした。

あまりの痛みに足を着くことが出来ず、部屋から出てお便所に行くにも四つん這いじゃないと行けませんでした。
なのでしばらくの間生活の視線が低かったです。ふへへ。

今は完治はしてませんが歩けるようにもなって、歯も最後の治療の前段階まで漕ぎつけました。

それでも小説は書き続けていたんですよ!
偉いかな? べっ、べべべべ別に、褒めてくれなくたって、いいんだよぉ(にやぁ)

そんなこんなで歩けるようになった今は「普通」に出来る事って実はすげーんだな、と実感しております。
歩けないと何処にも行けないし、ちょっとした段差が命取りになる感覚が物凄く分かりました。

スーパーでなんとか買物をして、レジ袋ぶら下げて歩いてたら段差に躓きまして。
買った物を路上にぶちまけて

「いたいよぉぉぉおおおおお!!」

と心の中で叫びながら袋の中に拾った物を詰めている間、ちょっとだけ泣きたくなったのです。

みなさんもそんな当たり前だったり普通だと思ったりする事が実はありがたい事だと思い返す瞬間はありますか?

もしなければ足首を外側に向けて熟睡してみて下さいね!

それでは、たまの日常報告でした。

また作品でお会いしましょう。では。



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