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ショートショート広場

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一話完結〜数話完結の短編集を載せています。 あなたの息抜きのひとつに添えて頂けたら嬉しいです。
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#ホラー

【小説】 豪雨軍 【ショートショート】

 夕方から降り出した雨が止まない。既に時刻は夜の十時を回っているというのに、雨脚は衰える…

大枝 岳志
1日前
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【小説】 無限青々 【ショートショート】

 鍬を握る手が疲れて来て、青々とした空を回る大きな鳥を見上げるフリをして、寛吉はほんの束…

大枝 岳志
2週間前
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【小説】 わくわく抽選会 【ショートショート】

 地元の商店街で買い物をしたレシートを五枚集めると、大型テレビやAIスピーカーなんかが当…

大枝 岳志
1か月前
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【小説】 よーい、どん! 【ショートショート】

 サッカーとかバスケとか、みんな憧れてやっているけど僕は苦手だ。  今は小学校六年生だか…

大枝 岳志
2か月前
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【小説】 あたらしい生き物 【ショートショート】

 ついに、念願の茶釜を手に入れた。清水風芳作のこの茶釜を、私は長年に渡り探し求めていたの…

大枝 岳志
3か月前
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【小説】 病名「いい人」 【ショートショート】

 浜本青年には幼い頃から決して揺るがない、とある信念があった。  それは、いつどんな状況…

大枝 岳志
3か月前
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【短編小説】 瞬きする魚 

 アパートへ帰る途中、フードを被った黒ずくめの怪しげな青年と擦れ違った。  青年の目は魚のように丸く見開いたまま、私の遥か後方を見つめたまま歩き続けていた。  ほんの一瞬見ただけなのに、心の手の届かない場所にこびり付きそうな不気味な目をしていた。  そういえば、瞬きをする魚がこの世界にはいないのだろうかと気になったが、私は自室へ帰る為に古臭いアパートの錆びれた階段を昇った。  二階にズラリと並んだドア。いつもの光景ではあるのだが、妙な違和感があった。  どのドアにも勉強や

【短編小説】 気狂い小径 

 小学五年時。友達、百人。  クラスのみーんな、みーんなが私の話しに食いついて、目を見開…

大枝 岳志
3か月前
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【小説】 笑顔の来訪者 【ショートショート】

 日曜。午後二時四十分。  そろそろ確実に、僕の部屋のインターホンが鳴らされる。  テレビ…

大枝 岳志
4か月前
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【小説】 将来のぼく 【ショートショート】

 将来のことを考えながら歩いていると、知らない場所へ辿り着いていた。  電車を乗り継いで…

大枝 岳志
4か月前
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【小説】 特殊雨予報 【ショートショート】

 三月すらまだやって来ていないというのに、日中の気温は二十度を上回っていた。  蒸し暑い…

大枝 岳志
5か月前
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【小説】 MOTHER 【ショートショート】

 僕たち兄弟の部屋の天井が拡張工事のおかげで高くなった。その分、照明も高くなったから手元…

大枝 岳志
5か月前
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【小説】 おばけがでるぞ! 【ショートショート】

 O町の片隅に立つ廃倉庫には、夜な夜な幽霊が出ると噂されていた。  その幽霊は世にもおぞま…

大枝 岳志
6か月前
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【小説】 オニイチャン 【ショートショート】

 休みの朝。コンビニへ煙草を買いに向かっていると、公園の脇を通り掛けに左手前の茂みからサッカーボールが飛び出して来た。  思わず腰を引いてしまったが、公園に目を向けてみると小さな男の子の二人組が突っ立ったままこちらをジッと眺めていた。  僕はボールを拾って投げてやると、ボールを受け取った背の高い方の男の子がこちらへ向けて丁寧に頭を下げ、それに続いて小さい方の男の子もぺこりと頭を下げた。  背の高い男の子は小さな男の子にボールを放り、受け取った男の子がボールを地面に置いて元気な