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ショートショート広場

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一話完結〜数話完結の短編集を載せています。 あなたの息抜きのひとつに添えて頂けたら嬉しいです。
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#ホラー

【小説】 わくわく抽選会 【ショートショート】

 地元の商店街で買い物をしたレシートを五枚集めると、大型テレビやAIスピーカーなんかが当…

大枝 岳志
13日前
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【小説】 よーい、どん! 【ショートショート】

 サッカーとかバスケとか、みんな憧れてやっているけど僕は苦手だ。  今は小学校六年生だか…

大枝 岳志
1か月前
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【小説】 あたらしい生き物 【ショートショート】

 ついに、念願の茶釜を手に入れた。清水風芳作のこの茶釜を、私は長年に渡り探し求めていたの…

大枝 岳志
2か月前
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【小説】 病名「いい人」 【ショートショート】

 浜本青年には幼い頃から決して揺るがない、とある信念があった。  それは、いつどんな状況…

大枝 岳志
2か月前
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【短編小説】 瞬きする魚 

 アパートへ帰る途中、フードを被った黒ずくめの怪しげな青年と擦れ違った。  青年の目は魚…

大枝 岳志
2か月前
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【短編小説】 気狂い小径 

 小学五年時。友達、百人。  クラスのみーんな、みーんなが私の話しに食いついて、目を見開…

大枝 岳志
2か月前
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【小説】 笑顔の来訪者 【ショートショート】

 日曜。午後二時四十分。  そろそろ確実に、僕の部屋のインターホンが鳴らされる。  テレビを消してモニターの前に立ち、きっかり時間を数える。  三十九分、五十七秒、五十八秒、五十九秒……。  ピンポーン。  電子音と共にモニターに映るには、やはりあの三人組だった。  左は背の高いニキビ面の若者、真ん中は背の低い老婆、右は細身の出っ歯のオヤジ。三人とも葬式帰りみたいに黒づくめで、笑顔を絶やすことなく立ち尽くしている。  僕は応答することなく、モニターがプツリと切れるまで三人

【小説】 将来のぼく 【ショートショート】

 将来のことを考えながら歩いていると、知らない場所へ辿り着いていた。  電車を乗り継いで…

大枝 岳志
3か月前
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【小説】 特殊雨予報 【ショートショート】

 三月すらまだやって来ていないというのに、日中の気温は二十度を上回っていた。  蒸し暑い…

大枝 岳志
4か月前
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【小説】 MOTHER 【ショートショート】

 僕たち兄弟の部屋の天井が拡張工事のおかげで高くなった。その分、照明も高くなったから手元…

大枝 岳志
4か月前
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【小説】 おばけがでるぞ! 【ショートショート】

 O町の片隅に立つ廃倉庫には、夜な夜な幽霊が出ると噂されていた。  その幽霊は世にもおぞま…

大枝 岳志
5か月前
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【小説】 オニイチャン 【ショートショート】

 休みの朝。コンビニへ煙草を買いに向かっていると、公園の脇を通り掛けに左手前の茂みからサ…

大枝 岳志
5か月前
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【小説】 居れ居れ詐欺 【ショートショート】

 また仕事を失くした。今回は長続きするかと思ったのに、契約から一年足らずで俺は寮を追い出…

大枝 岳志
5か月前
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【小説】 何時に合わせますか 【ショートショート】

 高校の入学祝いに、僕はお父さんから腕時計をプレゼントされた。それは誰もが知っているブランド物の時計で、高校男子が腕に嵌めるにはデザインがあんまりにも大人びている気がしたけれど、お父さんは 「男はな、腕時計をしていることに自体に意味があるんだ。おまえにもそのうち分かるよ」  と、なんだか嬉しそうに言っていた。  銀色に輝く重みのあるバンドを左腕に巻き、黒いシックな時計盤を眺めているとなんだか自分が突然大人になったような気分になった。  折角の腕時計だ。僕は一秒のズレもなく