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セブン、イオン、メルカリに見る、企業の未来

 こんちゃ。最近思うのだけれど、大企業による環境配慮型の取り組みが加速している。こうした取り組みは一見、ただのCSR(企業の社会的責任)として捉えられがち。でも今の潮流は、CSRという枠に収まらない姿勢を感じる。プラスチック製レジ袋廃止を宣言したセブン&アイ・ホールディングス(以下、セブン)、寿司ネタの6種類を「MSC認証※1」「ASC認証※2」取得原料にすると発表したイオンを例に、今後の企業の変化を考えてみよう。

※1「持続可能な漁業」で調達されたことを示す。※2「持続可能な養殖業」によって生産されたことを示す。

セブンが海洋プラを解決⁉️

 例として挙げた企業には、環境配慮型の決定が事業と相即不離という共通点がある。セブンのレジ袋、イオンが販売する食品、メルカリの梱包材。どれも各企業にとって不可欠な要素。僕の知り合いに、セブンの店長がいる。いわく1日の平均来店人数は、1000人前後(あくまで参考数値です)。そんなに来るのか。全ての来店者がレジ袋を使わないにしても、セブンの店舗数は2万店を超える。1日にして2000万人がレジ袋を使わなくなると考えると、おー、かなりの量になりそうじゃないか。

 セブンはほかにも、日本コカ・コーラとタッグを組んで、セブンの店頭で回収したペットボトルをリサイクルした「完全循環型ペットボトル」を使用した商品を販売する。こうした判断が、ようやく世間一般に周知され始めた「海洋プラスチック問題」やSDGs(持続可能な開発目標)への貢献を意識していることは、容易に察しがつく。他のコンビニ大手にも、ぜひこの動きに相乗りして欲しい。

イオンはウナギを救うか

 イオンは食の問題に対し、メッセージを投げかけている。「MSC認証」「ASC認証」の寿司だけじゃない。絶滅の危惧や密輸が指摘されるウナギに目を向けてきた。ウナギといえば、土用の丑の日。ウナギの蒲焼きがよく売れる。イオンはその代替商品として、サケやサバを使った蒲焼きを販売してきた。6月3日のイオンリテールの発表によると、今年発売する「静岡県浜名湖産うなぎ蒲焼」は、トレーサビリティが確保されている。

 どういうことかというと、シラスウナギがどこで取れて、誰が養殖・加工し、商品になるかという過程が全てクリアになっている。これはすばらしい。EUからの輸出が禁止されている、ヨーロッパウナギが中国に大量密輸され、それが日本にも流れているという報道を知っている人がいるかもしれない。トレーサビリティーの確保は、長い目で見ればこうした密輸に対するプレッシャーにもつながったら、いいよね。

メルカリが目指す循環型社会

 メルカリが提供を始めた「メルカリエコパック」は、テントなどで使用されるターポリン素材を採用し、数百回は利用できる。もちろん、これで送られてきたら、エコパックは自分のもの。次に誰かに私物を販売し、発送するときに使える。「メルカリ」というサービス自体が「循環型」である上に、資材も循環させ、環境にやさしいイメージをうまく打ち出しているし、エコパックはサービスそのものと一体化している。これがお洒落と、普段使いして循環しない可能性もあるけど。

 これまで、企業による環境配慮への取り組みは、例えば化粧品会社が植林をするようなCSR的なものが多かったように思う。もちろん、それを否定しない。セブンがレジ袋を廃止したところで、海からプラスチックが消えるかというと、そうでもない。ただ、今回書いてみた3社が見せている姿勢は、事業と密接なだけあって印象的で、うまくブランディングに貢献していると感じる。今後はこうした、事業一体型かつ環境配慮型の企業が増える気がする。個人としても、そうした動きに乗っていける何かをしたい。

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