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政府の借金は減る傾向だから、心配ないって本当?

政府の借金残高は、対GDP比でみて、低下していれば、この国の財政は何も心配ない、との見方がある。 

政府の借金残高(公債等残高)が、対GDP比で、上昇し続けて止まらなければ、まさに文字通り雪だるま式に増えてゆく状況となる。しかし、それが下がってゆくならば、年を追うごとに借金の返済負担は軽くなってゆくわけだから、将来は心配しなくてよい、ということになるだろう。

では、実際のところ、どうなのか。

1月17日に、内閣府から「中長期の経済財政に関する試算」(略称:中長期試算)が公表された。中長期試算は、毎年1月と7月頃に、データを更新して発表される。

この1月の中長期試算によると、公債等残高対GDP比は、2019年度末までは上昇すると見込まれるが、その後は低下してゆくと見込んでいる。

この試算通りにいけば、政府の借金は将来心配ないということになるだろう。

では、過去の中長期試算はどうだったか。

それは、冒頭のグラフが物語っている。結論から言えば、公債等残高対GDP比は、将来低下するとの見通しを公表していたが、実績では一度も低下したことがないのだ。 

どうしてこんなことになったのか。下記拙稿にて、詳述している。


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