努力では追いつけない才能がある
昨日はいつもの水彩画教室があり、会場が近所の公民館ということもあり、いそいそと出かけていった。
それはいいのだが、昨日は透明水彩絵の具を使って初めて風景画を描いた。今までの静物画の描き方とは全く勝手が違う。先生も手取り足取り教えてくれるタイプではないので、何となくだが自己流で色を塗ってみた。いちおう下描きのOKは先生からもらっている。
さて、描き始めて1時間半ほど経ち、「やれやれ」と思っていると、水彩画教室の講師のジュンコ先生がやってきて、ダメ出しをしながら直しを入れていったのだった。正直これはまいる。がんばって描いたのを根こそぎひっくり返されるような気分だ。
しかし、よく考えてみるとジュンコ先生の言う通りに描いたほうが良い絵にはなるのだ。実際、ジュンコ先生は石川県最大の公募展「現代美術展」で最優秀賞を受賞した油絵画家だし、その上で金沢美術工芸大学に水彩画を教えに行っていたりする。要するに天才なのだと思う。
凡人の初心者の自分も、憧れの画家の教則本を買い揃え、「ホーっ」という気持ちで頑張ってはいるが、世の中は残酷なもので、作家橘玲氏の新書「言ってはいけない」ではないが、明らかに才能が先生と自分とでは違いすぎる。
有名美術大学を出て、画業30年近いジュンコ先生と、まったくの素人で2年前に水彩画教室に通い始めた自分では実力に天と地との差があるのは当然だ。
一瞬そこでメゲそうになるのだが、世の中には手の届かないレベルにやすやすと到達してしまう人間がいて、例えば野球の大谷翔平選手や将棋の藤井聡太棋士、フィギアスケートの羽生結弦選手などである。京都大学や東京大学、東京芸大に入学する人たちのある程度も、訳の分からない天才がいるはずで、凡人の味わえない世界に到達しているのだろう。
しかし、凡人にも日常があり、日々を大切に生きていかないといけない。天才画家のジュンコ先生にも日々の苦労はあるだろう。
ということで、来週も水彩画教室があるので、今回ダメ出しされた水彩画を、修正しながら描き進める予定でいる。土日の余裕が今回は取れるからせっせと描こう。
凡人には凡人の人生があるが、天才には天才ゆえの苦労がありそうだ。けっこう凡人の自分にも人生の楽しみはあるし、あんまり天才と比べる意味はないかな。さて、今後も水彩画教室に通い続けて、続けたという納得感を得られれば十分かなと思う今日このごろであった。