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蜘蛛の糸とカンダタ

最近の心境は芥川龍之介の書いた短編小説に出てくる「蜘蛛の糸」の主人公、カンダタのような感じである。

何かというと人生50代まで生きてきて、ようやく光が見えてきたと言うか、蜘蛛の糸が降りてきたような気がするんだよ、実際。

詳しく説明すると、続けてきた水彩画教室も3年が経ち、基礎が固まってきたのと、下手なりに自分の個性の現れた画風になってきた。

それに読書も小学生時代から40年続けているおかげか、noteの文章力も上がってきたようだし、このまま書き続ければブラッシュアップを図れる感じだ。

そして、2ヶ月前から始めた俳句も、ラジオや俳人長谷川櫂先生の主宰する「ネット投句」に応募することによって、一定のペースで作句できている。これも昔取った杵柄で、文芸書や詩集等の読書経験が活きている。

どれも、何かいい線に届いてきた感じはする。

父は僕が絵画しかやっていないと思っているから、「水彩画をがんばれ!」と発破をかけてくるのだが、それも親心だし、せっかく3年間続けた水彩画を辞めるのももったいないと思う。

しかし、一番アドバンテージが有りそうなのがエッセイと俳句で、これは文芸作品を鑑賞慣れしていて語彙と言い回しが豊富なのと(自己分析)、長年の読書で頭の中に雑学知識がけっこう詰まっていると思うからだ。学術的な文章に至らなくても、雑学知識はエッセイを書くのに十分に役に立つ。

いや、20代に心の病にかかってから、周囲の無理解や社会制度や福祉制度のお陰で、地を這うような低レベルを生きさせられてきたのだが、この時期になって辛抱がかなったのか、水彩画と俳句とエッセイという三本の蜘蛛の糸が天から降りてきた。

「ありがとう、お釈迦様!」と言いたいが、あの人は冷たくてカンダタを見捨てるのだよ、小説では。

まあ、自分の場合、ようやく日課のルーチンに3種目を当て嵌めて取り組めるようになってきたし、上達に従って徐々に公募やコンテストに応募して佳作や入選、さらには入賞を目指したい。まあ、お金持ち生活ではないが、お金持ちよりも創作力はあるような気がするし、そのような自分への慰め方をしながら上記の三本の蜘蛛の糸のうちのどれか一つでもモノにしたい。

健康寿命の平均から考えると頑張って創作活動に邁進できるのもあと二十年ぐらいだから、調子の加減もあるが一日一日を充実させて頑張って入賞や入選を目指してみたい。

さて、カンダタは亡者の群れを気にせずに蜘蛛の糸をつたって、極楽まで登りきれるか?それが問題だ。


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