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#創作
小説「ユメノミライ」②
それから三日後の夜、ベッドに寝転がり、アクション漫画を読んでいるとスマホの着信音が鳴った。
ユリという名前の前後に赤いハートが表示されている。初めて彼女が出来たと気持ちが舞い上がり、そう登録したのだ。
俺は体を起こして、電話に出る。
もしもし、と少し震えた声でユリは言った。
「どうしたの?」
と俺は何事もなかったかのように返す。喫茶店で会って以来、LINEのメッセージが届くこともなかった
小説「ユメノミライ」④
ユリの部屋は前回より散らかって見えた。そわそわしながら、ソファーのユリの隣に腰かけた。
北海道の夢って、とユリは話し出した。
「ヒロシは自分に直接関わらないことも夢で見るワケ?」
俺はテレビのバラエティー番組を見ながら、黙っていた。
「ねえ、北海道いこうよ。今すぐにでも行きたいのよ。」
ユリは俺の腕を振り回した。そして立ち上がり、テレビのスイッチを消した。
必ず、と俺は呟いた。
「北