マガジンのカバー画像

小説「ユメノミライ」

5
5章分まとめました。一章ずつは短いのでスキマ時間でも読破可能です! また、多少分かりにくいとこもあるので修正加えておきます。
運営しているクリエイター

#創作

小説「ユメノミライ」②

小説「ユメノミライ」②

それから三日後の夜、ベッドに寝転がり、アクション漫画を読んでいるとスマホの着信音が鳴った。

ユリという名前の前後に赤いハートが表示されている。初めて彼女が出来たと気持ちが舞い上がり、そう登録したのだ。

俺は体を起こして、電話に出る。

もしもし、と少し震えた声でユリは言った。

「どうしたの?」

と俺は何事もなかったかのように返す。喫茶店で会って以来、LINEのメッセージが届くこともなかった

もっとみる
小説「ユメノミライ」④

小説「ユメノミライ」④

ユリの部屋は前回より散らかって見えた。そわそわしながら、ソファーのユリの隣に腰かけた。

北海道の夢って、とユリは話し出した。

「ヒロシは自分に直接関わらないことも夢で見るワケ?」

俺はテレビのバラエティー番組を見ながら、黙っていた。

「ねえ、北海道いこうよ。今すぐにでも行きたいのよ。」

ユリは俺の腕を振り回した。そして立ち上がり、テレビのスイッチを消した。

必ず、と俺は呟いた。

「北

もっとみる