スポーツ現場における応急処置
今回は、スポーツにおける応急処置について、その仕組みと方法について紹介します!
応急処置としてよくRICE処置が行われることが多いですが、今回はRICE処置ではなくPRICEについて紹介します!
1.組織損傷の修復
打撲や出血などにより、組織が炎症します。その修復過程について紹介します。
組織が損傷してから修復するまでを急性炎症期、増殖期、成熟期の3つの時期にわけます。
まず、急性炎症期では、損傷を受けた細胞の壊死、毛細血管の破綻、白血球が損傷部へ集積していく時期です。
次に、増殖期では、毛細血管や線維芽細胞の増殖が起こる時期です。
最後に成熟期では、コラーゲン繊維の再構築が起こる時期です。
以上が組織損傷の修復の過程です。
ここで大切なのは、なぜ応急処置が必要なのかということです!
損傷が発生したときにアイシングなどの適切な処置を行う事で、炎症を抑えることが出来ます。さらに細かくいうと急性炎症期における細胞の壊死を最小限におさえることが出来ます!
これにより、損傷部位を拡大させずに抑えることが出来ます!
さらに、アイシング以外にも、患部の安静(Rest)、圧迫(Compression)、挙上(Elevation)をすることにより、患部への血流量を減少させ、さらに静脈還流量を増加させることにより腫れを抑えることが出来ます。
また、RICE処置に加え、患部を保護(Protection)することが大切になります。
2.応急処置の方法
PRICEについて紹介したいと思います!
・保護(Protection)
RICE処置に加え患部を保護することにより、二次損傷の予防ができます。
・安静(Rest)
患部の安静は、出血や痛みを最小限にするために必須となります。
しかし、長時間の安静は筋力低下や関節拘縮が発生するため、適切な安静期間については、専門家の判断が必要です。
・冷却(Icing)
冷却は、毛細血管を収縮させることで血流および腫れを抑え、また神経の働きをおさえることで痛みを軽減することが出来ます。
また、受傷部位周辺の代謝を下げ、二次損傷予防にもつながる。
しかし、冷却時間が長いと凍傷を起こす危険があるので、1回の冷却時間は20分程度で、2時間に1回行う事が良いです。ですが、睡眠時は、凍傷を起こしても気付かない可能性があるので、冷却はしません。
・圧迫(Compression)
圧迫は、出血による腫れをふせぎます。
また、圧迫により受傷部位の動きが抑えられるため、安静の効果を高めることが出来ます。
・挙上(Elevation)
受傷部位を心臓より高く挙上することは、受傷部位への血流を減少させ、静脈還流を増加させることで、腫れを抑えることができます。
3.まとめ
今回は、スポーツにおける応急処置について、その仕組みと方法について紹介しました!
応急処置にはほかにも、患部を保護しながら適切な負荷を加えるPOLICEという方法もあるのですが、こちらは、負荷量の調整が専門家以外難しいので、まだまだ一般的とはいえません。
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