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スポーツにおける頭部外傷
今回はスポーツにおける頭部外傷について紹介します!
1.総論
頭部外傷はボクシングなどのコンタクトスポーツで発生する頻度は高いですが、さまざまなスポーツで発生します。
特に脳震盪の発生頻度は高く、適切に対処しないと重大な2次損傷を引き起こします。
また、急性硬膜下血腫は死亡や後遺症を引き起こす可能性が高い重症損傷です。
刻々と変化する意識障害を正確に判断することが重要であり、現場での判断が治療経過を左右します。
2.受傷機転・予防
頭部外傷は一般的に直達外力と回旋外力により発生します。
直達外力で発生する直撃損傷は、打撲部直下の骨折や急性硬膜外血腫、脳挫傷を引き起こします。
回旋外力は、外傷に伴い脳が回転し、打撲部と反対側の対側損傷を引き起こし、また、急性硬膜下血腫を引き起こします。
実際の外傷では、直達外力と回旋外力が組み合わさり、様々な損傷を引き起こします。
3.検査・診断
持続する意識障害や意識状態の経時的悪化、呼吸障害、瞳孔不同、手足の麻痺(手足に力が入りにくい)、言語障害(うまくしゃべれてない)、けいれん、繰り返す嘔吐などの症状があれば、重度の頭部外傷の可能性があるので、すみやかに救急要請を行います!
それらの症状がなくても以下の7つのいずれかに当てはまる場合は医療機関を受診します。
①意識消失があった
②受傷前後の記憶がはっきりしない
③これまでにない頭痛あるいは持続する頭痛
④めまい・ふらつきや複視
⑤麻痺(手足に力が入りにくい)
⑥興奮や混乱がある
⑦何度も繰り返している脳震盪
4.意識障害
意識障害には4つのパターンがあるので紹介していきます。
①受傷時に意識障害があったがその後完全に回復する
②受傷直後から意識障害があり回復しない
③受傷直後の意識障害がいったん回復したが再び悪化する
④受傷直後に意識障害はなかったが、その後意識障害が出現し悪化する
パターン①では脳震盪でみられる経過です。
パターン②③④は救急要請が必要であり、パターン②は重篤な脳損傷が生じています。
パターン③④では意識清明期のあるパターンで、頭蓋内の出血が進行性に悪化していることを示しています。
意識障害のどのパターンにあてはまっているのかを判断することはかなり難しいです。
すこしでも悩んだときは、救急要請することをおすすめします!
5.まとめ
今回はスポーツにおける頭部外傷について紹介しました!
この記事が少しでも参考になったら嬉しいです!
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