推し映画「眠り姫」:偏った紹介
映画「眠り姫」(内容については前の項目で書きました)声の出演の方、原案作品「山高帽子」について書きなぐりです。
主演:つぐみ
映画「ねじ式」(つげ義春原作)で原作では「紅い花」に出てくるもっきり屋の少女役が印象に残っております。頑張れチヨジー
同僚役:西島秀俊
いまや名探偵ピカチュウとしてお馴染みですね。
役の幅が広すぎて観ている側が若干迷子になります。至る所でお見かけすること、仕事に対するストイックさで、私の中では西島さんとキティちゃんは同列です。
主人公の恋人役:山本浩司
こちらもつげ義春原作映画「リアリズムの宿」で主演されています。リアリズムの宿を青春ロードムービーに昇華する山下敦弘監督の手腕。ドラマ相棒9「ボーダーライン」という伝説回で現代社会に置き去りにされてしまった人物を演じておられ、彼の哀愁や怒りが今も強烈に残っています。
「眠り姫」にも原作がございまして、山本直樹の同名漫画が原作です。そしてその原作の原案が
内田百間の「山高帽子」
鉄道、猫、食べ物マニア小説の元祖とでも言うべき方、人を喰ったような作風で現実なのか 夢なのか そんなこと考えることが馬鹿らしいのか よく分からない感覚に陥ります。
「山高帽子」は内田百間自身と思われる主人公と、夏目漱石門下で同門だった芥川龍之介と思しき同僚が出てきます。
「手は変だよ」「雪の降り積もった誰もいない広い庭は恐怖で足がすくむ」「貴方の顔は長い」
そんなことをやり取りしながら 次第に ゆるやかに死へと向かっていく同僚と死に向かえなかった主人公。
彼らの会話の危うさと主人公の長い悪夢。
自分の立っている場所の床が実は無く穴だったと気付かされたような、突然ぽかんと放り出される読後感を味わいました。
※敬称略。
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