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仕事とは何か?

先日、安宅和人氏の著書「シン・二ホン」を読んだのだが、その中でほんの2ページ程度(全437ページ)だが「仕事とは何か?」について記載した箇所があり、非常に理解しやすかったので紹介したいと思う。

仕事の定義とは

「仕事とは何か」ということを、学生だけでなく社会人も含め、これまでずいぶん多くの人に聞いてきた。すると、お金をもらうこととか、時間を売ること、人の役に立つことなどの答えが返ってくることが多い。では失職して失業保険をもらうことや年金をもらうことは仕事なのか、成果報酬の人は仕事をしていないのか、人に親切をすることは仕事なのか、と聞けばさすがに誰もが違うとわかる。でも、何かと問われると答えられないケースが大半だ。
(シン・二ホンより抜粋)

「仕事=お金をもらうこと」と認識している人は多いと思う。

ただ、この著書に書かれていた仕事の定義はこれ。

仕事(しごと)
W=Fs (F=力[N] s=距離[m])

これは、理科(物理)の授業で基本的に全員が習う定義である。

なるほど。

いかに力を加えたとて、1cmも進んでいなければ仕事をしていないとみなされる。
つまり、ヤマトのお兄さんが目的地まで荷物を運ばなければ仕事をしていないのと同じと言える。

力とは何か

今度は仕事の定義に出てくる「F=力[N]」について。

同じく力の定義も理科(物理)で既に学んでいる。

力(ちから)
N=mg (m=質量[kg] g=加速度[m/s2])
力(ちから、英語:force)とは
物体を動かしたり、変形させたりする原因である。 力はベクトルで表わされる量であり、単位には ニュートン (記号 N )を用いる。
1ニュートンの大きさの定義とは、質量 1kg の物体に力を加えた時に、1m/s2の加速度を生じさせる力の大きさを1ニュートンと定めている。質量の大きい物体ほど、速度を変化させるのに、より大きな力が必要である。
(ウィキペディアより抜粋)

なるほど。

より重い荷物を、いかに早く動かすかが「力」といえることがわかった。

改めて仕事とは何か

上記定義を参考に改めて仕事とは何かを整理すると、「一生懸命頑張った」「疲れて大変だった」といっても、その物が進まなければ(距離が0mであれば)仕事したことにはならない。

ここでいう距離は、変化とも言い換えることができる。

つまり、一生懸命頑張ったとしても、何も変化が起こらなければ仕事したとみなされない。

著書にもこのように記してある。

単なる努力、試み自体には意味がなく自己満足、浪費に過ぎない。生み出す変化がなければゼロ、完遂されない仕事は意味の持ちようがないということだ。
生み出す仕事の大きさは、「どれだけ大きな存在に対して、どれだけ勢いよく、どれだけの変化(距離)を引き起こしたか」だ。

要は、仕事とは結果論の話であり、過程は評価されない。

あくまでこれは物理学の話であり、現実社会において必ずしもあてはまるとは言い難いのは理解する。

とはいえ、

「自分はどういう変化を生み出しているのか」それには、「どういう力(ちから)をつかっているのか」

もしくは、

「自分はどういう変化を生み出したいのか」それには、「どういう力(ちから)が必要なのか」

といった、仕事の本質を再考するには非常に有効ではないだろうか。

お金は結果論

給料や報酬はつまるところ、「及ぼした変化の大きさ」を評価する1つの指標であり、仕事の本質ではない。お金ではなく「信用」という指標でも十分有効だと思う。

とはいえ、きれいごとでは生活できないことも十分理解している。

なので、給料や報酬を増やしたい、もしくは、これから世の中に自分を売り出したい(起業したい)といった人は、この仕事の定義を頭に入れながらアプローチ方法を考えてみてはどうだろうか。

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