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2023年度のロボティクス推進室の活動を振り返り。

23年度、終わりました!
年度のキリで特に何かが変わるというわけではありませんが、是非メンバーの活動も知ってほしいということで、組織長をさせてもらっているパナソニックホールディングスのロボティクス推進室の23年度の活動を振り返ってみます!


今年度も多くの社内外の皆様のご支援、ご協力により、1年間を乗り切ることができました。本当にありがとうございました!!

※2021年度版振り返りは【こちら
※2022年度版振り返りは【こちら
※もちろん、オープン情報だけです
※もちろんですが、自部署以外の連携した取り組みも含みます
※漏れていたら、メンバーの皆さんごめんなさい!!!

屋外を移動するロボットたち

近年強化をしていた屋外での移動ロボット関係。
新年度早々4月にやってきたのは、西村経済産業大臣(当時)。わざわざ大阪門真の弊社までお越しいただき、配送ロボットの体験を頂きました。

メンバーの皆さんの十分な準備のおかげで、そつがなく完了しました。
西村大臣にお越しいただいた理由の一つは、23年4月1日に改正道路交通法が施行され自動配送ロボの公道走行が可能になったというのがあったかと思います。

そのような法律改正に伴い、登録制となった公道走行ロボットですが、第一号を取得し、藤沢市での運用を開始することができました。内部ではリリース用の写真で姿勢よく歩くメンバーが話題になりました。

藤沢での届出受付を受けて、丸の内や広島などオープンになっていない複数の場所で我々のロボットを使って頂くことができました。いずれも自社以外の方々に運用頂いたというのは良かったかと思います。

また、単純に移動するだけではなく、移動ロボット「ハコボ」と分身ロボット「オリヒメ」をコラボするという取り組みも行わせて頂きました。かなり多くの方に使って頂き、遠隔からの人によるコミュニケーションを駆使したタウンツアーや販売業務というのはとても可能性を感じるものでした。(数字的にもアンケート的にも面白い結果がでたので、それはまたどこかの機会で共有できるようにしたいです)

このほか、実際のフィールドだけではなく、国際ロボット展やモビリティショーなどの展示会などでも多くの方に見て頂くことができました。

モビリティショーではいわゆる配送ロボットとして一般の方にも楽しんでもらえた気がします。

一方、ロボット展では配送ロボットの完成品だけではなく、
・IEC62061認証取得の機能安全を搭載
・改正道交法を踏まえた公道走行に対応
・サービス毎にカスタマイズ可能なプラットフォーム
ということを売りにした自律移動プラットフォームを展示(パンフレット)させて頂きました。

このような自律移動プラットに関しては、今年度より始まった内閣府のSIPプロジェクトの中でも「人協調ロボティクスの移動系基盤技術開発」に関する開発を進めさせて頂くことになりました。

マニピュレーション(ロボットハンド・ロボットアーム)

マニピュレーション系の今年度の対外発表は、この3月のパナソニックコネクトからの発表だったかもしれません。

このリリース自体は、ラピュタさんとの協業や2024年問題の解決に向けたトラックの待ち時間解消というところがメインでしたが、上記の動画25秒くらいから移っているロボットハンドの開発を担当させて頂きました。

このロボットハンドは、国際ロボット展などでこれまで展示していたものを、より倉庫業務の自動化にフィットするような形で発展させたものです。

ハンド自体には、密集した状態からピックアップできたり、色々な姿勢でピックしたものをハンドの中で姿勢変更したり、密着した状態で箱詰めできたり、といった特徴があります。

4月の関西物流展でもデモしますので、ご興味持っていただける方は是非見に来て下さい(関西ですが…)

また、国際ロボット展では、ハンドだけではなく、アームに関しても新しい取り組みを出展しました。
これからロボットの活躍の場はよりモノと接触したり、人と協働したりというシーンが増えてくる中で、「力制御」というものが重要になってくると考え、その力制御がより簡単に、より安価にできる力制御関節モジュールの提案をさせて頂きました。

https://tech.panasonic.com/jp/robot/file/irex2023/6_robot_arm.pdf

このほか、AIを活用したロボットアームの制御についても、ロボットへのティーチングを効率的に行う技術としてIEEE/RSJ IROSや人工知能学会での発表や会社からのリリースもさせて頂きました。

論文発表、学会発表に関しては、このほか、ロボット学会誌レター、CASE、ROBOMECHなどでもマニピュレーション系の取り組みを発表させてもらいました。

インタラクション・コミュニケーション

テクノロジーでどうやってWell-beingに貢献するかということをテーマに開発を行っています。

その背景、取り組みをメンバーが語ってくれています。メンバーが自分のテーマを語っているのをみるのは実に嬉しい気持ちになります。

今年は新しいプロダクトの開発というよりも、これまで作ってきたものをたくさん評価し、アップデートするという1年でした。
1年くらい前に発表したCOCOROPAというロボットも足が付いたり、ちょいちょいアップデートが入っています。

多くの被験者の方にも協力いただき、人と人との繋がりということに関してそれなりのデータも蓄積され始めました。一部は学会などで公開し始めています。

その他、これまで開発してきたコミュニケーションロボットbabyapapaやコケロボットUMOZに関しても、学術論文や学会発表を行い始めました。

- Satoru Suzuki, Noriaki Imaoka, Takeshi Ando, babypapa: Multiple Communication Robots to Enrich Relationship Between Parents and Child–Design and Evaluation of KANSEI Model to Control Closeness—, Journal of Robotics and Mechatronics, 36(1), 158-167, 2024 [WEB]
- Takeshi ANDO, Noriaki IMAOKA, Kazuya YANAGIHARA, Emi Nagashima, Kazuya Ohara, Development of new interfaces utilizing natural objects for planetary health―New design for mobile robots and switches utilizing moss-, The Proceedings of JSME annual Conference on Robotics and Mechatronics (Robomec) 2023, 1A2-D03, 2023

搬送ロボットHOSPI、モビリティPiiMo、リサイクルロボなど

このほか、兼務先の新規事業推進部隊においては、引き続き、病院内搬送ロボットHOSPIやパーソナルモビリティPiiMoの事業開発を推進しています。

HOSPIに関しては、23年度は置き配ができる新モデル”HOSPI トレイル”も販売が開始されました。ご興味持っていただける病院関係者の方などはいつでもご連絡ください!!

PiiMoの方は観光連携に力が入った一年でした。観光関係の展示会はもちろんのこと、十和田湖、堺など正確には数え切れなくなるほどの観光地の皆様に興味を持っていただけました。

このほか、エアコンのリサイクルに向けた解体ロボットなど環境視点でもロボットの活躍が始まり始めた1年。

個人的にもいろいろありました!?

ここまでは会社の仕事として技術開発、事業開発を行ってきた内容を紹介させて頂きました。
ここからはちょっとブレイクということで、個人的なところも含めて1年をレビューです。

一つ目は、Forbes JAPAN NEXT100 いま注目すべき「世界を救う希望」100人に選んでいただきました。一緒に選ばれている方々を見ると、ちょっと恥ずかしい気持ちになるような感じですが、タイトルに恥じないようにしっかりと社会実装まで取り組んでいきたいと思います。

このほか、日本科学未来館の常設展示リニューアルのロボットコーナーの監修という貴重な経験もさせて頂きました。まだ行かれていない方は、是非体験してもらえると嬉しいですっ!!

また、NHKの魔改造の夜に発起人・事務局として参加させて頂きました。いろいろな意味で勉強になった!と感じます。

このほか、国の各種委員会の委員などもいつくか担当させて頂き、その未知の専門家や最前線でご活躍されている方々の話や議論は、参加させて頂いているこちらが本当に勉強になる刺激が多い時間でした。

また、刺激という意味においては、非常勤**とか招聘**というような立場などで、今年もいくつかの大学で講義をさせて頂き、大学生、大学院生から鋭い質問とピュアな想いを受け取り、大いなる刺激となりました。教育活動に関しては、未来への最も大事な投資と思っており、可能な限り引き受けるつもりですので、何かありましたら呼びつけてください。(4月からはある大学での客員教授も担当させて頂くことになりました)

一方、大人向けの講演ということで、オープンになっているものでも、ビザスク様、NTTコミュニケーションズ様などからもお声がけを頂き、ロボットについて紹介させて頂く機会を頂いたほか、クローズな会という意味でも濃厚な議論を何度もさせて頂けるという恵まれた1年だったように思います。

そして、この半年くらいはいわゆる研修というものを受けさせて頂き、改めて自分は何のために生きているのか?何がしたいのか?という問いを大真面目に考え、社内外の様々な方と議論させて頂く機会を持てました。

結果としては、「テクノロジーをうまく活用しながら、人・社会・地球がイキイキとした状態になる」ということを実現するために、24年度も頑張っていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします~!!


というわけで、振り返ってみると、今年はまだまだオープンにできないことが沢山あるなぁーと思いました。社会実装に近い個別のお客様との案件も増えてきたなぁということですかね。
また来週~!!
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安藤健(@takecando)
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