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Tokyo2020におけるロボット活用状況

いろんなことが言われるオリンピック。もちろん、プレーをするのは選手なのですが、大会の中では多くのテクノロジーが活用されています。

ロボットの分野においても、大会ビジョン「史上最もイノベーティブで世界にポジティブな改革をもたらす大会」を目指して、かなり前から様々な検討が行われました。企業からはトヨタさんやパナソニックなども絡ませて頂きました。

コロナ対策、無観客ということで、残念ながら、沢山のロボットを一般の多くの方に見て頂くということは叶いませんでした。多くの準備をしてきた関係者や、特に長い時間を掛けて準備をしてきたエンジニアの方の気持ちを考えると、無念!!というか泣けてきます。。。大会の開催、関連イベントなどに多くの批判があることは理解していますが、今でもなんとか別の形でもお披露目できる方法はないのかと探って頂いている方々には、本当に頭が下がります。

とはいえ、いくつかのロボットも使って頂いています。

競技場・選手村・メディアセンターなど

最も多くの人に見て頂き、印象的だったのは、開会式のドローンかもしれません。

新国立競技場の夜空に舞い上がった1824台のドローンは、見事に東京オリパラのエンブレムを描き、美しく・立体的な地球の姿に変形しました。平昌五輪の時の約2倍を使ったショーにキレイとかスゴいと思った方も沢山いたのではないかと。

リハーサルでは、ピクトグラムなど色々なタイプが実施されていたそうです。これはこれで面白いですね。笑

一方で、インテルのShooting Starというシステムを使っていたため、「なぜ日本製ではないのか?」というご指摘を頂くこともあります。ドローンのカテゴリースポンサーはインテルです。大人の事情もあるでしょう。

とは言え、秒速11mの強風まで耐えられるドローンというのは技術的にもスゴイですね。強風や雨などのリスクがある中での一発勝負の開会式で使われるだけあります。

この他、開会式では、チラッとトヨタの歩行領域EV(たぶん、名前はまだない)も映っていたような気がします。

トヨタは、バスケットボールのアメリカ・フランス戦のハーフタイムには、バスケットボールロボットのデモもしてましたね。スリーポイントシュートやコートの真ん中からのシュートを華麗に決めました。スゴイ!

最新モデルがどうかはわかりませんが、過去のモデルにおいてはパナソニックのToFセンサを使って頂いていることもありました。


トヨタのデモとしては、マスコットロボットも出しています。選手村などにもあるようです。なんか圧倒的に進化していて、ダンス、スケートボードなど色々とできるようになっています。

私も実機は見たことがありませんが、結構デカい!?(というか以前のモデルよりかなりデカくなりました??)以前は以下のようなタイプだったと思います。1年延びたことによる進化ですかね?

旧型?の小型モデルは特別養護学校での遠隔応援にも使われているようです。

遠隔操作ロボットということでは、分身ロボットOriHimeを使って、三重県から海外のメディア関係者などが土産物を買うことができる東京・千代田区のお店で来場者を案内する活動をしているそうです。


競技に関連するところでは、陸上の投てき競技でトヨタの搬送ロボットを使ったり、パナソニックのアシストスーツが重い道具を運ぶのをサポートしています。

また、バックヤードでもアシストスーツによるゴミ拾いなどのサポート掃除ロボットが使われています。

必ずしもスポンサー以外は使えないと言うわけではないみたいなのですが、結果的には競技場、選手村、報道センターなどオリンピックに直接関連するロボット活用はこのような感じです。

空港でも様々なロボットが

一方で、間接的に関連する場所での活用ということで、成田、羽田の空港でもスポンサーの縛りがなく、様々な会社のロボットが使われています。

成田では、パナソニック(ATOUN)のアシストスーツの他、警備ロボット5台、清掃ロボット12台、自律走行型サイネージロボット1台が使われています。成田空港などで使われている警備ロボットはオリンピックスタジアムでもデモが行われているようです。

一方で羽田では、こちらもアシストスーツが使われているのに加えて、パーソナルモビリティ:12台、遠隔案内ロボット:1台、消毒ロボット:2台、清掃ロボット:5種類 13台、マスク型翻訳ロボット:120台が設置されているとのことです。

マスク型というのが気になりますが、このC-FACEのことのようです。


ここまで紹介したものは空港以外では一般の方はなかなか見れないかもしれませんが、組織委員会のサイトに『東京2020 ロボットマップ』ということで纏まっています。

意外と話題になっていたのは、ロボットというかAIかもしれませんが、NHKが実施している『ロボット実況』かもしれません。実は毎日実施されていますので、よろしければお楽しみ下さい。Twitterなどではそれなりに好評のようです。


というわけで、今回のオリンピックで使われているロボット情報をまとめてみました。パラリンピックが始まるのとまた他の事例も出てくるかもしれませんので、その時には追加しておきます。

次こそは!

コロナ影響や権利の問題もあり、なかなか多くの場所でロボット大量活用オペレーションということは実現されませんでした。非接触化(無人化、遠隔化)というのはロボットの特徴の1つであるので、コロナ対策という意味での運営の無人化、応援の遠隔化、消毒作業の自動化など貢献できるシーンはあったにもかかわらず、それが実現できなかったことは、技術だけではなく、多くの段取り力・交渉力含めて、力不足も痛感させられました。。。

おそらく次の北京ではかなり積極的に色んなことがトライされそうな気もしますし、日本においては次は大阪万博ですかね!?その時には当たり前のように色んなロボットが使われている世の中になっているでしょう。

パラリンピック期間に追加されたロボットたち(8/31追記)

パラリンピック期間に入り、会場などで活用されるロボットも増えたようです。引き続き、無観客ということでなかなか見る機会がないのは残念です。

オリンピックスタジアムでは、「会場にいる方に対して物品の運搬やゴミ回収、写真撮影、案内のサービス」を行うロボットが導入されています。

トヨタのHSRです。胴が太いタイプも後姿が映っていますが、新しいタイプですかね。Twitterを見てみると、こちらもトヨタのゴミ回収ロボットのようです。

1週間のみの運用のようですが、写真を見ると、少なくとも13番の番号ははっきり見えるので、13台くらいは導入されているようです。

会場の外では、ボランティアなどの記念撮影をしてくれるようですね。

また、オリンピック期間中はゴミ拾いなどに使われていたATOUN社のアシストスーツは、パラリンピックのパワーリフティング競技の補助で使用されています。ウエイトを付けたり、外したりと想像するだけでも力作業ですが、その作業をサポートしてくれるます。

パナソニックからはサイネージHOSPIの活用も始まりました。場所は、2020 FAN PARKと呼ばれるオフィシャルショップです。「日本代表選手団への応援メッセージ」などを27インチ3面サイネージで案内しながら走っています。今回は、日本代表応援Tシャツ的なラッピングが施されています。

会場の外では、次回大会の視察に来られたフランスのクリュゼル障害者担当副大臣にオリィ研究所の分身ロボットカフェや高輪ゲートウェイ駅に設置している追従走行車いすPiiMoなどを視察されたようです。


というわけで、少し増えましたね。
そして、9月にはロボットのオリンピックとも言われて、同様に一年延期になっていたWorld Robot Summitが愛知県で開催されます。こちらも同様に無観客での開催となりますが、多くのロボットが健気に頑張る予定です。

バーチャルでも見学できるようですので、ご興味ある方は是非!!


では、また来週〜。

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安藤健(@takecando)

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