そもそもヘルスケアとは何なのか??ヘルスケアはライフケア!?
今週は中外製薬が開催したCHUGAI DIGITAL DAYというところで、取組みのご紹介やパネルディスカッションをさせて頂く機会を頂きました。
動画自体はそのうち公開されるということなので、興味ある方は少々お待ち頂いて、そちらをご覧ください。
テーマが『ヘルスケア×デジタル』ということだったのですが、今回のNoteでは、そもそも【ヘルスケア】とは何なのか?ということを考えてみたいと思います。
実は私自身は、今はパナソニックで働いていますが、その前は大阪大学の保健学科というところで働いていました。英語で言うと、Devision of Health Science。身近にありましたね、「Health」!!
ただし、振り返ってみると、「Health」って何なんだ???と真面目に考えた記憶はないです。こんなときに頼りになるのが国連です。ちゃんとHealthについて考えているので、WHO (World Health Organization)があります。そして、Healthについて定義もしっかりされています。
A state of complete physical, mental and social well-being and not merely the absence of disease or infirmity
肉体的、精神的、社会的に完全に良い状態であること。単に疾病又は病弱の存在しないことではない。
この定義自体は良く目にしていたのですが、今回改めて見てみると"complete"という言葉が入っていることに気がつきました。なぜわざわざ"complete"を入れたのか、真意は十分に理解できていませんが、Healthという言葉の語源と少し関係がありそうな気もします。
”Health”の語源は、「hal」という言葉になるそうですが、この”hal”は今でいうと"whole(完全な)"という意味になるようです。ということで、Healthとは、「完全な状態」というのが英語の基本イメージであります。詳しくは「healthの語源とその同族語との意味的連鎖」をお読みください。
一方で、「care」の方の語源を見てみると、ラテン語 L.curare「心配する、世話をする、気にかける」という意味などが書かれています。
ということで、ヘルスケアというのは、「完全な状態を目指して世話をする」という感じになるし、ヘルスケア企業というのはそれを実現する企業となります。
「完全を目指す!」と考えてしまうと、かなりレベルというかハードルが高い。。。
その一方で、なぜWHOが国際障害分類ICIDHを「生きることの全体像」についての「共通言語」とも言われる国際機能分類ICFに変えたのかというのは、"health"という意味や"whole"という意味を元にするとよくわかります。
決して病気や障害だけを対象にするのがヘルスケアではない。身体的な状況も考慮しながら、皆が行いたい活動を行い、社会に参加して行けているかを心配し、気にかけ、世話をする。それがヘルスケアということなんだと思いました。
私自身は、これまでも「狭義」のヘルスケア、「広義」のヘルスケアという言葉を使っていました。そのときは、「狭義」というのは診断や治療、「広義」という場合でも、予防や生活習慣改善といったレベルでしか考えていませんでした。
中外製薬さんの今回のセミナーの中でも、2030年のヘルスケア×テクノロジ(ロボットなど)というトークテーマで話もしました。そのときは、これまで近くにあったヘルスケアが遠くに行き、遠くにあったヘルスケアが近くにくる、というような内容を述べました。遠隔治療・診断やサプライチェーンの変化などを頭の中に浮かべながら話したと思います。そのような技術的なトレンドはそんなに間違っていないと思っていますが、今回改めて「ヘルスケア」という考え方を調べて見るともっと高い視座で考える必要あるなぁと。
本当に生きる全体像を捉えて、完全に健康な状態になっていくためには何が必要なんでしょうか?
私自身はまだ具体的な答えやアクションプランは持っていませんが、”Life”というのはやはりキーワードになるのではないでしょうか? 命、生活、人生というそれぞれの意味でのLife。そこに対して、どんなケアができるのか?ヘルスケアというのは、「ライフケア」になっていくのかもしれません。予防や生活習慣改善というのは全然広義でもなく、イメージとしては、
土壌 ー 農業 ー 食事 ー 運動 ー 治療 ー 活動 ー 社会参画
というような視点でヒトやくらしを捉えた上で、ケアとして何を気にかけて行く必要があるのかを考えるないといけないのかなと思いました。それこそが、ヘルスケアであり、ライフケアなのではないか。
もちろん、これらは一方向の繋がりではなく、循環というかフィードバックやインタラクションが存在しているんでしょう。例えば、治療と活動の間ではリハビリなどの存在がインタラクションとして位置しているような気がします。
まだまだ考えは纏まっていませんが、ヘルスケアはライフケアという考えは今のところ自分の中ではしっくり来ました。少しずつ解像度を上げていければと思いますので、読んで頂いた方からのご意見、ご示唆を頂ければと嬉しいです。
では、また来週~~。
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安藤健(@takecando)
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