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最新のロボット産業統計が発表されました(2022データ)

今年も国際ロボット連盟(IFR)から最新のロボット市場に関する統計データが発表されましたので、ざっくりまとめてみたいと思います。
昨年度はこちらから。

読むの面倒くさいという方は、産業用ロボットのデータを中心に1分半にまとまった公式動画(英語)もあるので、そちらでも良いかもしれません。

というわけで、ここからは少し詳しく見てみましょう。
(図はすべてIFR発表資料からの引用です)


まずは産業用ロボットから。

新しく生産されたロボットは、55.3万台と前年比+5%で、この5年のCAGRは +7%と今回も順調に伸びています。2年連続で50万台を超えましたね。26年までに70万台を超える勢いで伸びると予測されています。


最近のロボット生産台数トレンド(予測含む、IFRデータより著者作成)

稼働するロボットたちも世界で400万台目前というところまで来ています。

産業用ロボットの稼働台数(IFR統計データを元に著者作成)

どの産業で使われているのかというと、電機電子産業が自動車産業を追い抜いて以来、今回も首位をキープしています。ただし、成長率はちょっと鈍化したようで自動車産業の方が伸びています。

また気になることとしては、この2つの産業で全体の53%と半分以上を占めているのですが、それ以外の産業は前年比マイナスという状態のようで、新しい用途の拡大というところには至っていないのかなという感じです。

協働ロボットに関しては、全体に占める割合が10%を初めて超えてきました。本当にいるのか??という声をいろいろなところから聞かれるのは相変わらずかもしれませんが、販売という意味においては着実に増えてきています。今回の伸び率は31%増と成長率も高いです。

協働ロボットの増加(IFRデータを元に著者作成)

ロボットが使われる地域という観点では、相変わらずアジア、特に中国一強というのに変化はありません。この傾向はしばらく続きそうです。

10年前は中国が占める割合は12%だったのが、今や52%となっています。中国では電機電子産業での活用が一番多いものの、伸び率としては自動車産業が26%増と電気自動車絡みもあり、勢いを加速しているように感じます。

ちなみに、日本も第2位の前年比9%増の5万台と頑張ってはいますかね!?コロナ前に戻ったという感じでしょうか。産業としては、電子電子産業が1.8万台と台数、伸び率ともに一番です。

日本の状況をもう少し見てみると、生産台数は前年比11%増の256,807台(海外拠点生産は含まず)で過去最高記録を更新しています。というわけで、生産国としては、世界市場シェア46%を誇っています。生産台数のうち、輸出が207,737台とほとんど輸出です。

という一方で2022データでは、国内設置台数の3%に相当する1,343台のロボットが輸入されています。オープンデータでは内訳は明確にされていないですが、海外生産の日本メーカ製、海外大手メーカ、中国などの新興メーカなどの比率が気になるところではあります。

サービスロボットはどうでしょうか??

概況から行くと、業務用サービスロボットは15.8万台と前年比+48%と大きく伸びている一方で、民生用サービスロボットは500万台と数こそ大きいものの前年比12%減と苦戦しているようです。

業務用としては、やはり物流関係が8.6万台と支配的になっていますが、ホスピタリティ(飲食店、ホテルとか)が高い伸び率を示しています。

サービスロボットのメーカの数としては、中国が一番かと思いましたが、アメリカの方が圧倒的です。ただし、この5年間はスタートアップの新規創業が一気に減っているよう。現在、産業用ロボットのメーカ数と比較すると、5倍くらいの数になっているようで、玉石混交状態になっているようなので、今後かなり絞り込まれていくんだと思われます。

というわけで、産業用ロボットのデータを中心にまとめてみました。
数値上は今度もどんどん伸びていくロボット産業ですが、当然1企業1企業は厳しい競争があり、中国の景気動向など市場環境も順風満帆とは言い切れないところもあるかもしれません。

いずれにせよ、業界の皆さん、頑張っていきましょう~~


では、また来週~!!
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安藤健(@takecando)
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