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これからのスポーツ時代にもっと必要になると思う映像コンテンツとコミュニティ

近年、プロスポーツチームによる
動画コンテンツの拡充は目覚ましい。

横浜DeNAベイスターズは2012年に公開した
「ダグアウトの向こう
~横浜DeNAベイスターズ1年目の記録~」
を皮切りに、選手達の知られざる苦悩と
リアルを映したドキュメンタリー作品を
毎シーズン制作している。

その波は他球団にも拡がり、
コンテンツ王と言っても過言ではない
読売ジャイアンツも、
球団スタッフがチームの裏側を精力的に記録。
特に昨シーズンからは
SNSへのコンテンツ投下量が顕著になっている。

スポーツイベントプロデューサーの佐藤奨さんは
上記noteでこう綴っている。

最近のジャイアンツのSNSで発信される情報が
最強すぎて震えている。
もう、これで、過去のレジェンドとかも含めた
高い品質のコンテンツまでSNSで流し始めたら、
同じ土俵で勝てるチームは存在しなそうです。
ジャイアンツがより
人気になるようにフィットしてきた。
まだ、ジャイアンツのYoutubeは
伸び代ありまくりに見えますけどね。

ジャイアンツは確かに最強である。
しかし、「コンテンツの深さ」に
マネタイズのヒントが隠されているのは
何もマンモス球団だけの
話に限らないのではないだろうか。

各クラブが精力的に力を入れるYoutube戦略

Youtubeに投下するコンテンツビジョンは
各クラブ、それぞれに違うようだ。

・新規ファン獲得のため
・既存ファンの満足度向上のため
・とにかくジャンル問わず発信ツールとして

クラブの魅力を発信し認知を拡げ、
最終的には集客に導線したい。
そのポテンシャルを秘めたYoutubeの活用は
もはや必要不可欠だが、
コンテンツを投下し続ける作業は
恐らく想像以上に過酷だ。

集客に導線する目的だけであれば、
twitterやinstagramなどのSNSにより力を入れた
マーケティング施策にフォーカスするのも
1つの策かもしれない。
各クラブがYoutubeに力を入れる
もう一つの狙いは、
広告収入にあるのではないかと思う。

Youtubeで収益化の申請が可能な
アカウント最低条件として下記がある。

・年間総再生時間4000時間以上
・チャンネル登録者数1000人以上

この基準を超えて初めて収益化が現実となるが、
1再生当たりの広告料は0.05円~0.3円辺り。
仮に月の総再生数が100万再生だとしても
売り上げは5~30万という計算だ。

この数字を、どう捉えるだろうか。

ラストダンスに見るコンテンツ力の価値

マイケル・ジョーダンのキャリア、
そして90年代のシカゴ・ブルズの黄金期を
振り返るNetflixのドキュメンタリー
「The Last Dance」が話題を呼んでいる。

これを見た時、ふと疑問に思った。

この時代にここまで貴重な映像が
記録されていたのにも関わらず、
なぜ20年以上経った今になって
ドキュメンタリー作品として蘇ったのかと。

その答えがこちらの記事に書かれている。

1997-98シーズンがNBAの歴史にとって
大きな1年になることを察知し、
当時のオーナーやフィル・ジャクソンHCに
密着取材を申し出たが最も重要だったのは、
当時NBAのNo.1プレイヤーだったジョーダンの
許可を得ることだったと振り返っている。
そのときシルバーは
「その映像をすぐに公開する事は難しいが、
とにかく撮影だけしておくことが重要」と考え、
「あなたの許可が無ければ、映像は公開しない」
とジョーダンを説得。
結果的に当時の映像を残す事に成功した。

この時の判断がなければ、
「ラストダンス」は存在しなかったと言える。
当時、このプロジェクトを指揮していたのが、
現NBAコミッショナー アダム・シルバである。

ここで疑問が出てくる。

果たしてラストダンスは、
20年以上も作品を寝かせたからこそ
その価値が最大化されたのだろうか?
いや。
恐らく人気絶頂期に放映されていたとしても
爆発的な人気を博しただろう。

ここで最も大切なことは、
メディアも踏み込めない裏側の物語に価値があり
それを記録する事にさらなる価値がある
という事ではないだろうか。

新たな収入源として

コロナによる収入面の打撃は
大小関わらず全チームに影響を及ぼしている。
当然ながら、
プロスポーツはお金がなければ成立しない。

オンライン施策の弊害が以前よりも低くなり、
これから新たな収入源を模索するクラブも
出てくるだろう。

そんな中で、
クラブが自前で撮影し、制作し、配信をする。
有料チャンネルのプレミアム化は
今後、よりトレンドになってくると予想する。

仮に上記年間1億8,000万円とすると、
日本のYoutuberトップ15に入ってしまう
収入である。

想定した10,000人規模の会員数は、少し大きい。
現状、プロ野球規模の球団しか
実現は難しいかもしれない。

だが、規模の小さいクラブでも
ホームゲームのチケットをセットにしたり、
グッズをプレゼントしたりと付加価値を付け
単価を上げる事ができれば、
月額5,000円にだって設定可能かもしれない。

クラブしか撮れないチーム作りの裏側
クラブしか気付けない知られざる苦悩
クラブしか知り得ない選手の魅力

こういったプレミアコンテンツへの没入が
集客などのリアルな導線に繋がると
実績を証明できれば、
映像資産をマネタイズする流れが
動画全盛期の時代には求められるだろう。

ただ一方で、僕が提示するまでもなく
こういったコンテンツ資産の最大化は
クラブ内でさんざん話し合われてるはずである。
それでも中々実現に繋がらない理由の1つは、
制作力を兼ね備えた人材確保ではないかと思う。

個人的には、
この問題に対する解決策は2つあると思っている。

1つがメディアパートナーからの人材出向である。
プラットフォーマー側と
チームが組むことによって、
コンテンツ制作力のサポートが可能になる。
代わりに契約者数増加へのプロモーションなどを
チームが手助けし、Win-Winの関係を築く。

先に触れたジャイアンツは昨年、
YouTubeチャンネルやSNS運用を手掛ける
「ブランドコミュニケーション部」を創設。
そこへ、ジャイアンツの中継などを手掛ける
制作会社からスタッフが出向した背景があった。

2つ目がクラブ主導のコミュニティである。
副業解禁とオンラインサロンなどの台頭により
お金を払ってでもスキルアップや
経験に価値を見出す人が増えてきている。

Bリーグでは既にレバンガ北海道が
オンラインサロンを開設しているが、
動画制作がこれだけ大衆化している時代なら
今後コミュニティメンバー内に
制作スキルを持つ人材が現れるかもしれない。

個人がコミュニティを持つ時代に

1億総発信時代の名残はしばらく続くだろう。
これからの時代は「個」と「組織」が
垣根を越えて繋がってく流れが加速すると思う。

そんな時代において、
動画を調理できる「個」のスキルと
コミュニティを併せ持つ人材は
あらゆる組織にとってポジティブに映るはずだ。

スポーツという自分自身が大好きな場所に
これからどう貢献していけるのか。
その鍵はそんな所にある気がして
いそいそと準備を進めている。

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