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希望の部署に配属されなかった君へ

 ぼくは日本実業出版社というビジネス書の出版社に新卒で入りました。

 大学時代から編集者に憧れていたので、もちろん希望の部署は編集部。しかし、配属されたのは営業部でした。「作り手はきちんと売り場のことをわかっていないといけないからまず営業部に配属する」というのが会社の方針でした。(これがいますごく役立っています。)

 希望の部署じゃないからといって嫌になることはありませんでした。出版や書店の世界をほぼ知らないに等しかったので、それなりに楽しく仕事をしていたと思います。「こういう本が売れるんだな」「書店員さんはこの時間帯は忙しいんだな」「こういうタイトルだと目立たないんだな」などと、書店訪問のたびに自分なりに勉強していました。

「そろそろ編集部に行きたい」

 ただ、それでも2年ほど営業の仕事を続けていると「そろそろ編集部に行きたいな」という思いが膨らんできました。そこで、少しでも編集者っぽい仕事をしたいと思い「ビジネス書通信」というA4一枚の新聞を勝手につくりはじめました。

「ビジネス書通信」は、自社の本の紹介も入れつつ、他の記事は最近のビジネス書市場の話題だったり、時事ニュースだったり、出張先のグルメ情報なんかを盛り込んでいたと思います。その新聞を訪問先の書店に配ると何人かの書店員さんが面白がってくれ、僕も少しだけ編集の仕事ができた気がしてうれしかったのを覚えています。

 ここを読んでいる人の中には、編集者になりたいのに別の部署に配属された人や、ライターになりたいのに違う業界で働いている人もいるかもしれません。でも、いまの環境でできることは工夫次第でいろいろあるはずです。求められていなくても、需要がなくても、始めてしまえばいい。勝手に雑誌や新聞をつくってしまえばいいんです。

いまの環境でできることから始める

 よく「ライターの名刺をつくった時点でライターになれる」と言われますがそのとおりだなと思います。いまは幸いWEBですぐに発信ができる環境も整っています。まず、いまの環境でできることを始めてみる。すると、次の扉が開くはずです。

 ちなみに丸3年営業部で働いたあと、4年目もどうやら異動はなさそうだとわかったとき、転職を決めました。転職の面接で、この「ビジネス書通信」を見せると転職先の社長や役員は「ひとりでこういうのつくってたの?」と感心してくれ、すぐに入社が決まりました。勝手にやっていた新聞が効力を発揮したのです。

 やりたいことがあれば、いまの環境でやれることをやってみる。それでも何も起きなければ環境を変えてみる。やりたいことをあきらめず、自分なりにちょっとずつ動いてみると、案外行きたい方向に進めるものです。

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株式会社WORDS代表取締役。『メモの魔力』(前田裕二)『実験思考』(光本勇介)『段取りの教科書』(水野学)『ぼくらの仮説が世界をつくる』(佐渡島庸平)など書籍の編集・執筆。「週刊文春」「ハフポスト」などでも執筆。SNS時代の「伝わる文章」の探求をしています。ポテトサラダが好き。

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コメント (5)
そうだったのですね!未来を切り拓く人は、どんな環境にあっても行動を起こして、トビラをこじ開けてるなあと思います。あと、WEBテクノロジーの発達などでひとりでできる範囲も広がっているので、可能性はいろいろありそうですね。
未来って勝手に変わってくれませんからね……。もう大真面目に、編集者がVRのコンテンツを作ってもいいと思ったりもしています。ともあれ、非常に胸に刺さる文章でした。ありがとうございます!
写真を使っていただきありがとうございます!
こちらこそありがとうございました!
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