森信三の言葉(879)
「国民教育の師父」と呼ばれている森信三(1896-1992)という方がいます。非常に多くの示唆に富む言葉が残されているのです。
今回は、森信三の言葉の中から、現在に役だつものをピックアップしてみたいと思います。(現代語表記にしたり、一部接続詞などを組み込みました。)
人間力・人格に関するもの:
「人間の真価を計る二つの目安がある。一つは、その人の全知全能が、一瞬に、かつ一点にどれほどまで集中できるかということ。もう一つは、睡眠を切りちぢめても精神力によって、どこまでそれが乗り越えられるかということ」
==>いわば、集中力・瞬発力が大事。
そのための補足とも言える言葉として、
「人間というものは、どうも何処かで阻まれないと、その人の真の力量は出ないもののようです。まずは、一生の志を立てることが根本です。つまり自分の生涯を貫く志を打ち立てるということです。人間は徹底しなければ駄目です。もし徹底することができなければ、普通の人間です。真の誠は、その時その時の自己の『精一杯』を尽くしながら、しかも常にその足らざることを歎(なげ)くものでなくてはならぬのです」
==>まずは、きっかけづくり。
そのうえで、徹底していくこと。
修養に関するもの:
「人間の修養は一つずつである。その時その時、自分の為すべきことを正確に行うことである。仕事を次々と処理していって、絶対に溜めぬところに、自己鍛練としての修養の目標がある。一日の予定を完了しないで明日に残して寝る、ということは人生の最後においても多くの思いを残して死ぬということである。内面的に強くなること。他の一切のことはすべてそれからのこと。己を正せば、人は無理をしなくても、おのずからよくなっていく」
==>修養とは、着実に行うこと。自分を磨くこと。
人柄とは:
「一眼は遠く歴史の彼方に、一眼は脚下の実践に。縁は求めなければ生ぜず。内に求める心なければ、たとえその人の面前にありとも、ついに縁は生ずるに到らずと知るべし」
==>縁とは自分でコントロールできない。
そのためには、
「人間は他との比較をやめてひたすら自己の職務に専念すれば、おのずからそこに一小天地が開けてくるものです。人間の人柄というものは、その人が目下に対する場合の態度、特に言葉遣いによって分かるものであります」
==>留意すべき点は、
「その人の生前における真実の深さに比例して、その人の精神は死後にも残る。わが子にしてほしいことを、まず親たる自分からはじめる」
なかなか、含蓄のある言葉です。参考にしてほしいと思います。
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