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正しい心を維持するために-その7 (896)

7回シリーズの最終回です。

これまでに6回にわたって正しい心を維持する考え方を示してきました。その中に一貫して流れているものとして「慈(いつく)しみ」の心があります。「慈しみ」は、言い換えると「あらゆる苦しみをひそかに受け止める気持ち」となります。

仏教の言葉で言うと、「自未得度先度他(じみとくどせんどた、自ら未だ度<わた>らざる先に他を度す)」ということです。自分が救済されていなくても、まずは他者を救済して幸せにするのです。そのように思うことができれば、何と幸せではないでしょうか。

母親が我が子に対して思っているのは、自未得度先度他の典型例です。もちろん、他者に対してはすぐにはできそうにないのですが、長期的にそうなりたいと思うことが大事です。そのように行動していれば、巡り巡って自分に至福をもたらすのです。

よく、損と得(利得と不利得)、名誉と不名誉、幸福と不幸(苦と楽)、名声と 非難(賞賛と非難)と8個を論じることがあります。それぞれは両極端を表す対の言葉です。これらの極端に走ると、迷い・煩悩となり、結果として苦しみに変わります。

しかし、よく考えて欲しいのです。そのような両極端は誰が思い込んでいるかというと、自分自身なのです。自分が勝手に思い込んでいる幻なのです。幻であり、執着なのです。そのような執着は時間と共に変わる(ものごとは永遠ではなく無常)ものだと再認識しなければなりません。

幻は、消えていくものなのです。その意味で、幻に執着しないことが大切なのです。

幻は夢なのです。「夢か現(うつつ)か幻か」という言葉がありますが、しっかりと見極めれば夢も幻も時間と共に無くなっていきます。江戸時代初期の沢庵和尚は、この世の一切のものが仮の姿だと悟り、「夢」と書いた後に亡くなったと言います。

ポイント:
 ・自未得度先度他の気持ちで生きていく。
 ・この世の一切は夢(仮の姿)だと悟り、「今、ここ」を大切にする。

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