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天・地・人のそれぞれに何を適用するか(882)

孟子の教えに、天と地と人に関するものがあります。それは、
 ・天の時は     [天の与える好機も]
 ・地の利に如かず  [土地の条件には及ばず]

 ・地の利は     [土地の有利な条件も]
 ・人の和に如かず  [民心の和には及ばない]

というものです。

宇宙(天)の中の一つである地球(地)には、多くの人が生活しており、その三者間のバランスで成り立っています。
しかし、現代は「人」が「地」である自然を破壊しています。二酸化炭素などの排出が地球温暖化へと進み、さらには、「人」の欲望のために、悪事(殺生,偸盗,邪淫,妄語,飲酒 (おんじゅ))が起きることがあります。殺生の典型的なものが、戦争です。

私たちは、自分自身のことを考え、そして他者にも慈しみをもって対峙することで、「天地人」のバランスを保つ責務があるのです。

紀元前372年に生まれ紀元前289年に亡くなった孟子は、すでに天と地と人の大原則を唱えていたのです。

天・地・人に関連するものとして、孟子はその他にどのようなものがあると言っているのでしょうか。

まずは、天と地と人の有り様についてです。
天道には陰陽の理法があり、地道には川の水のような柔かさと土地のような剛さを表す自然があり、人道に博愛の仁と正義を表す義の働きがあります。規則性の高い理法(すなわち天)のもとでの自然(すなわち地)の恵みをもって生かされている人が存在しているというのです。

もうひとつ、「天」は業(ごう)の因果応報をコントロールしており、その結果として人間には自我・本音などが生まれます。同様に、業の因果応報は「地」としての人間の体や肉体にも出てきます。たとえば、楽しく柔軟に生きていれば健康体が維持されるし、精神的に病むと体にも悪影響が出てくるというものです。そのような心や精神を表すのが「人」です。これらの「天地人」の三つがバランスよく揃わないと、人格向上は達成できないのです。もちろん、自分自身の向上だけでなく、子育てにも関係する人たちとの協業にも多大なる影響を与えるのです。

時代背景を考えると、もしかすると孟子は、道教・老荘思想の影響を受けていたのかもしれません。根本的、根源的なことを考えていると、似たような言葉が出てくるのかもしれませんね。
私たちは、相互に活かし生かされていることを理解して、孟子、あるいはその他の聖人の言う言葉に耳を傾けることも大切なのでしょう。

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