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5大疾病(しっぺい)の中の精神疾患 (928)

私達の周りで多く見られる疾病は、5つあることを知っているでしょうか。おそらく、「がん、脳卒中、糖尿病」くらいは言えるかと思います。実は、さらに「急性心筋梗塞、精神疾患」をプラスして「5大疾病」と呼んでいるのです。(精神疾患は後に追加されました。) これらは、「患者数が多く、死亡率が高いなど、緊急性が高いもの」などの基準で決められ、どの都道府県でも対応を検討する疾病ということです。

さて、患者数は何が最も多いのでしょうか。

実は、2017年の厚生労働省調査によると、精神疾患が420万人と最多なのです。続いて、糖尿病が330万人となっています。続いて、がん、脳卒中、急性心筋梗塞となっています。

そこで今回は、精神疾患を取り上げて、その特徴をまとめておきたいと思います。

精神疾患に関しては、昔は精神分裂症とか不安神経症、大うつ病性障害といった少しイメージの良くない病名でしたが、それぞれ統合失調症、不安症、うつ病のようにわかりやすい名前に変わってきています。これは、周りをあまり気にすること無く病院に行けるようになったという副次効果を生んでいるようです。

さて、精神疾患はもともと約100年前にフロイトによって、「脳の変調のせい」と言われていた症状に心的な意味(心因性)を見つけ出して「神経症」と名付けたことで研究の基が作られました。
(神経症はノイローゼとも呼ばれましたが、現在では、神経症性障害とか不安障害と呼ばれるようになっています。)

精神疾患とは、気分の落ち込みや幻覚・妄想など心身に様々な影響が出る疾患のことです。大別すると3つに分類できるようです。

 ・脳に明らかなダメージが起きた結果生じる病気 : 認知症や頭部外傷など
 ・脳内に何らかの機能異常が想定される病気 : 統合失調症や躁うつ病など
   [注]  統合失調症は、こころや考えがまとまりづらくなってしまう
    病気。典型は幻覚と妄想。
    躁うつは、ハイテンションと憂うつを繰り返す双極性障害のこと。
 ・心理的なストレスが主な原因と考えられる病気 : 適応障害やPTSDなど
   [注]  適応障害は、特定のストレスによって心身のバランスが崩れて
    生活に支障が生じたもの。
    PTSDとは心的外傷後ストレス障害のこと。

特に第二と第三のグループは、ストレスなどを原因として、誰にでも起こる病気と言えます。自分の周りの状況・環境によっては、うまく適応できないことはあり得るのです。その結果、心身にさまざまな症状が現れることになります。典型的な例が「うつ病」です。日本では、100人に約6人がかかる病気だと言われています。妊娠・出産を経験する女性の方が男性よりも1.6倍くらい多いとも言われています。参考までに、「うつ病」とまでは言えないにしても「うつ状態(または抑うつ状態)」になる人は非常に多いと考えられています。「うつ状態」は、「うつ病」の症状の内、いくつかが該当する状態です。重いうつ状態が長く続いて、苦しみ、生活上の支障が生じたときに「うつ病」となります。

ここに示したようなストレスが原因と考えられてきた精神疾患にも、脳の形態や機能異常を示唆する証拠が見つかりつつあるようです。得てして「心の病」というのは「心がけの問題」であると誤解を招きやすいものです。その意味では、精神病は「脳の病気」とするのが適切かもしれません。

最後に補足しておくことがあります。それは、心理社会的な要因が高じて、身体疾患になる場合には、「心身症」と呼ぶということです。
心身症の正式な定義は「身体疾患の中で、その発症や経過に心理社会的因子が密接に関与し、器質的ないし機能的障害が認められる病態をいう。ただし、神経症やうつ病など、他の精神障害に伴う身体症状は除外する」となっています。たとえば、器質的障害(胃潰瘍、十二指腸潰瘍など)と、機能的障害(緊張型頭痛、過敏性腸症候群など)に分けられます。心身症は心が関係する「身体」の病気なのです。

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