心で感じる全ての現象を五つのグループに分ける (853)
人間の精神作用を含め、全ての現象を分かりやすく五つのグループに分ける考え方があります。ポイントを示してみましょう。
ものごとは、原因と縁(えん、条件や環境)によって結果として現れます。それらは、目の前に起きるものです。恒常的に存在するものは無く、変化しているのです。別の言い方をすると、すべてのものごとは変化しているのであり、常なるものは無いのだと言えます。ここで「すべてのものごと」は「諸々の行為」であると考えると「諸行」と呼び、「常なるものは無い」は「無常」と呼びますから、合わせて「諸行無常」と呼ぶのです。
その諸行無常の世界をグループ分けしてみると、
五感によって感じるもの、物質的なものとして目の前に現れているもの。いわば物質的現象です。
仏教では「色(しき)または色法」と呼びます。精神的なものとして最初に思い浮かぶもの。こころの働きであり、意識として思い浮かぶもの。いわば主観で認識した一次的な現象です。
ここで、対象をとらえるこころの働きの主体を「心(しん)」と呼び、思い浮かぶものを「心法」と呼びます。感じて想い浮かべる意識作用によって次に現れるもの。たとえば、欲、念、信、不信などです。いわば心に伴ってはたらく二次的な現象です。
対象の部分に対して「心(しん)」が個別的に働いて、その結果として現れるものを「心所(しんじょ)または心所法」と呼びます。物質(色)と精神(心)の間を関係づける力。いわば物でも心でもないもの、心とは結びつかないものであり、関係や力、概念(知識など)が該当します。
上記の四つに当てはまらないもの。
因縁によって起こるものでは無い、絶対真理。いわば悟りの世界のことです。
これまでに示した1から4のグループは、因縁によって起こるものです。諸行無常の世界です。仏教では、「有為(うい)」と呼びます。
それに対して、5のグループはどのような因縁とも独立したものです。仏教では、「無為(むい)」と呼びます。
諸行無常の有為も、絶対独立した真理としての無為も、生滅などありません。有為の世界では「ものごとは、ただ変わっている」のであり、無為の世界では有為を超越した絶対的な存在なのです。だから仏教では、これらのことを「不生不滅」と言っています。
言い換えると、有為とは時間に制約され「常に移り変わるもの、つまり無常なるもの」であり、無為とは「常なるもの」だと言うことなのです。
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