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平尾のブログ

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#真理

風が吹いても月は動じない(887)

風が吹いても月は動じない(887)

台風一過で雨があがって風が吹いて雲がなくなって、上空を見るといつもと同じ場所に月が見えます。月は、どんなに風が吹こうが動ずることなく、ただ無心に輝き続けています。

このことを表す禅語に、「風吹けども動ぜず、天辺の月」というものがあります。風は、世間に漂う誘惑や扇動のようなものです。そのような誘惑などに惑わされず、どんな艱難困苦に会おうとも負けずに、耐え忍ぶことを表す禅語です。

実は禅の世界

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真理に反する考えは苦しみになる(867)

真理に反する考えは苦しみになる(867)

私たちの生きている世界には、普遍的な真理というものがあります。たとえば、「無常(常なるものは無い)」があります。

私たちは普遍的な真理に抗(あらが)うことはできません。たとえば、
 ・老いたくない  どのようにしても老いから逃げることはできない
 ・死にたくない  どのようにしても、最終的には死ぬ
ということですから、真理に反する思いを持てば苦しむだけになります。たとえば、「老いたくない」と思っ

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私たちに関係する普遍的な真理(866)

私たちに関係する普遍的な真理(866)

普遍的に正しいことを、真理と言います。そして、真理とは作り出したものではなく、自然界にあるものから発見したものです。誰にでも共通に働くのが真理なのです。

その中で、私たちに関係する真理を、あらためて見てみることにしましょう。

まずは、「無常」です。常なるもの(恒常的に変わらず存在するもの)は無いという真理です。逆にいうと、ものごとは変化しているというものです。

実は「無常」から「空(くう)」

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成仏とは死ぬことではない (839)

成仏とは死ぬことではない (839)

私たち日本人は、成仏(じょうぶつ)を「死ぬこと」と理解しがちです。しかし、本来は漢文なのですから、「成仏」は「仏に成る」と読むべきです。従って、成仏とは文字通り仏に成ることなのです。

そこで今回は、改めて「仏(ほとけ)」とは何かをまとめてみたいと思います。

仏とは、真理に目覚めた人という意味です。すなわち成仏とは、煩悩から脱してこの上ない真理を悟ることを意味しているのです。よって、単に死ぬこと

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法とは何か(837)

法とは何か(837)

「法」は、色々な意味で用いられます。まずは欧州発のものとして、自然法や一定の法体系としての法と、具体的な法規範としての法律という意味であり、多くの人に用いられています。

もう一つは、インド哲学としてのダルマ(dhamma)と訳される法であり、法則とか真理(人間の守るべき永遠の真理)という意味と、ものごとなどの存在を意味する場合とがあります。
漢字文化圏では、法(元々は灋)は、「水+廌(タイ:羊に

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