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書評『USJを劇的に変えた、たった1つの考え方 成功を引き寄せるマーケティング入門』

オススメ度:★★★★★

【本書の概要】
以前読んだ本の再読。
USJをV字回復させた、P &G出身の森岡さんによるマーケティングの入門書。
恐らく日本一有名なマーケティング本です。
因みに今僕が勤め先でやっているマーケティングはマーケティングとは言えない「エセマーケティング」みたいなものなので、転職してマーケティングをしっかりやる際にまた再読したいです(笑)

【自分が付箋をつけたポイント】
・1%の値上げに対して、何%売上が減少するかという反応度のことを「価格弾力性」と呼ぶ

・USJのV字回復の最大の原動力は、「消費者視点(Customer Driven)」の会社に変わったこと

・消費者視点とは「消費者の方を向いて消費者の為に働け」という意味

・USJの例で言えば、ゲストが本当に喜ぶもの」と「ゲストが喜ぶだろうと作る側が思っているもの」は必ずしも一致しない
なぜなら作る側(技術者)は業界で経験を積めば積むほど、一般的な消費者にとって分かりやすくて面白いものが、彼らには刺激や品質が足りないものに見えるから
その為、どんどん玄人受けするものを作るようになってしまう

・USJの技術部が制作するアトラクションやイベントに対して、森岡さんは消費者目線からダメ出しをできる権限をもらった
なぜならマーケターは消費者理解の専門家(=消費者の代理人)だから

・USJは消費者視点を大切にして、作ったものを売る会社から、売れるものを作る会社に変わった

・「皆の意見」という利害を足し合わせて頭数で割った妥協案は、ほとんどの場合において消費者最適ではない

・多くの日本企業は「技術志向」に陥っている
例えば「液晶パネルを発明したからテレビを作ろう」という発想である
対照的なのがジョブズで、彼は「タッチパネルを発明したからiPhoneを作った」のではなく、消費者がどうしたら最も使いやすいかを考え、その結果としてタッチパネルを採用した

・「商品を売る」のは営業の仕事、「商品を売れるようにする」のがマーケティングの仕事

・消費者を大きく落胆させる商品ならば、ブランド価値を大きく毀損するので世の中に出さない方がマシ

・「うちはしょうもない製品しかない」という言葉は、マーケターは決して口にしてはいけない
なぜなら消費者視点で優れた商品やサービスを作らせることが、マーケターの重大な使命の1つだから

・「カネ、ヒト、モノ、情報、時間、知的財産」の6つを6大経営資源と呼ぶ

・やることを選ぶということは、同時にやらないことを選ぶということ(選択と集中)
とりあえず全てをやろうとすることは愚か者のすること

・美しい戦略というのは、相手と自分の特徴の差を、自身に有利になるように活用できている

・5C分析:
Company(自社)、Consumer(消費者)、Customer(中間顧客)、Competitor(競合)、Community(社会)

・消費者理解では、消費者を量的に理解すること(数値データを用いて広く全体像を理解するのに役立つ)と、消費者を質的に理解すること(質的調査などを通して消費者の深層心理に迫ること)の両方が重要

・消費者インサイトとは、消費者自身が気付いていない(あるいは直視したくない)、隠された真実

・戦略ターゲット:
ブランドがマーケティング予算を必ず投下する最も大きな括り
・コアターゲット:
戦略ターゲットの中で、更にマーケティング予算を集中投資するターゲット消費者の括り

・USJの場合、What(便益)はアトラクションに乗ることではなく、アトラクションを体験した時に巻き起こる「感情」
アトラクションはあくまでHowに該当する

・What(便益)を戦略的ブランドエクイティと呼ぶ

・HowとはWhatをWhoに届ける為の仕掛けあり、消費者の目に触れるブランドにまつわるほぼ全ての要素はHow

・モノ(Product)を決めるのはHOWの1つ、重要なマーケターの仕事なのです。
多くの技術志向の会社ではマーケティングが十分に機能しておらず、WHAT(ベネフィット)をどのような製品システムで提供して満たすのかという Product の決定をマーケティングが担わないケースが多いようです。
マーケティング主導の会社では、WHATが何であるか、そのWHATを効果的に満たすプロダクトのスペックの留意点は何かを、消費者理解に基づいてマーケティングが決定し、研究開発(R&D)を担う技術陣に発注じます。

・自分のセンスで判断するのではなく、深く理解した消費者の視点(WHO)からHOWを判断すれば良い


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