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takashimiura
2021年3月9日 13:21
『子ども達に商売の絡む話はやめてくれ』 と、言われつつ、小学四年生から質問の銃弾を雨あられと浴びせられ、結局、作った原稿以上のものを聞き出されてしまった僕。 後日、当時その小学校に息子が通っているという社員から聞いた話に、耳を疑った。『あの校長先生、親や子どもから人気あるんですよ。昼休みに子どもと遊んでるのもしょっちゅうで。子どもと一緒に登校したり、めっちゃ良い先生ですよ』 良い先生
2021年3月8日 21:21
『子どもたちに、殺菌方法とか、産地とか、商売が絡むような話はやめてください』 僕が牛乳屋になって一年目の冬。挨拶に行った校長室でいわれた言葉だ。理由を聞いた。親が牛乳関係の仕事をしていると、どちらが正しいかという揉め事の種になると、そう言われた。 この話を進める前に、私が置かれていた状況について話をした方が理解しやすいと思う。 先代の後を継ぎ、牛乳屋になったのは五年前の九月のことだった。
2021年3月4日 12:53
僕には、まるで有名な画家の書いた1枚の絵のように、脳裏に焼きついて離れない光景がある。 教室から溢れ出すごちそうさまの声、40余りの机と椅子が一斉に教室の奥へと片付けられ、弾けるように狭いドアから子どもたちが勢いよく出ていく。 しばらく経ち、ふと教室に立ち戻ると女の子がひとり、ぽつんと座っている。40人分の机と椅子がぎゅうぎゅうに女の子を押し込めている。女の子の目の前には1本のビン牛乳。