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❨580❩1973.4.2.月.晴/安い旅をする事は大変な事である・バランキーヤについて/バランキーヤ:コロンビア(Barranquilla:Columbia)

今朝、2つ目の港へ行く。
船が一つ10日にあるそうだが、それまでとても待つ気にもならないので、飛行機の切符を買った (112ドル)。

これまでの旅では、日本→米国を除いて最も高い旅になってしまった。
安城から金を送ってもらったおかげで出来る事だ。

この切符を買う為に今日は、船をはじめ、6つくらいのエージェンシーを聞いて歩き、更に安く行ける(ジャマイカ・ドミニカへ)方法がないかやってみたが、この112ドルが一番安そうだ。
もし、カルタヘーナへ度も行っていなかったなら、行ってみる気もするが、又ジャマイカ方面は船も少ないらしいから諦めた。
急げば回れという言葉があるが、この場合、1ヵ所で日と金の浪費より、少し高くても早い方がいいだろう。

ドルが、24.8ペソにまでなっているのには驚いた。失敗だった。ベネズエラで50ドル替えたのは、逆に損となった。
兎に角、出発は明後日(朝9時)と決まった。

しかし、安い旅をする事は大変な事である。 が、そうする事によって、自分自身思わぬ考えが浮かぶ事がある。
全て、自分の頭で足で行動する事は(連れなしで)、失敗も損する事も、時にはある。

その時は「しまった」と思うが、長い目で考えると、それが手本にもなる。
ー一俺の場合悪いのは、そういう失敗を長い期間過ぎると、ついつい忘れがちになるという事だ。

ボコタよりカラカス(ビザに失敗し)、再度、コロンビア:サンタ・マルタ(船がなく)、バランキーヤへ。
ここで飛行機が、クラサオ経由のドミニカ行きというマラカイボ(ベネズエラ)から、短い距離で行くのがあるという事を知った。
結局、コロンビアまで足を運んでまたもどる様な型になってしまった。

今になって考えれば、安くやろうと思って動いた事が、高く(20ドルくらい?)なった。

あまりにもジャマイカ(近い島だから)と、船にこだわりすぎた。
カルタヘーナとバランキーヤを観るという、一つの目的の為には良かったが、この旅を反省して、「考えすぎた」。
つまり、日がありすぎたが為に、失敗したともえ云える。

すぎたるは及ばざるがごとし

バランキーリャーコロンビアー
ぶっそうな町だった。

バランキーヤ
この町も、歩いた。
その度に親しみがわいて来る様な所だ。
俺はよっぽど、庶民的に出来てるらしい。

川の向こうへ渡ってみた。長いフィエイラがあった。
魚や肉や野菜、そして、人の匂いが肌にしみつくように、強烈に感じられる。

店と、人と、ゴミの中を歩いている時、楽しい。たまらなく、楽しい。めずらしいのだ。
俺は祭が好きだから、余計そんな気分になるのだろうか?
何よりも、あの活気、あの雰囲気は、生きている人間にしか創り出せないものだ。

こんな時俺は、人間のスバラシさを感じる。どんな美れいな豪華なビルへ入っても、この暖かさは、ない。

あそこの人達は皆んな貧しい(少なくとも見かけは)、しかし、暗くない。
それぞれ自分の店の品を売る為に、着る物も手足のアカも、気にならないのだろう。
どの顔も、今夜のビール代と家族のメシ代を稼ぐ事で必至なのである。
コッケイな程に(イヤこんな事をいってはバチが当たるか)。単純でスッキリしている。

彼等は、あのまま多分、10数年続いていくのではないだろうか?

あれも人生。
「いいじゃないノ、幸せならば」。

魚や肉や野菜、そして、人の匂いが肌にしみつくように、強烈に感じられる。

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