見出し画像

「老がい」 ー前編ー


周りの人は当たり前に使っているが、自分はその意味を理解できないから適当に受け流すほかない言葉というものがある。

とはいえ、理解できないといっても、全く想像がつかないわけではない。

その単語のそのものの意味や用途は知っているが、特定の文脈で使われることに違和感を覚える、しかし世間ではそうした使い方を妥当なものとしている、そんな言葉だ。


例にも出したくないが、少し特異な言動をしたり、挙動が不審に見える人に対して心や身体の障がいを表す呼称を嘲笑的に浴びせたりすることも、自分にとってはその一つだ。

普段、こうした言葉をネット上や大学構内で見かけた際には、強い意志を持ってそっとブロックし、そうした人とは確固として関わらないようにしている。


「男女で食事に行くなら男が金を出さないと」というのも正直いまだによくわからない。特に学生同士であれば、男女関係なくバイト代なんて稼げて月10万円前後と相場が決まっているのに。

ただ、こうした意見が多数を占めているということは知っているし、変なところで意地を張ってケチだとレッテルを貼られるのも癪なので、結局お会計の時は自分からお財布を出す。

まあこの辺りの話はそれだけでnote3本分くらい書けそうなので、今日は一旦止めておこう。



上に挙げた2つのように深刻さの程度の差はあれ、普段コミュニケーションをしている中で、自分にとって”モヤモヤする言葉”は少なからず存在している。


「老がい」という言葉もそのうちの1つだ。

老害…組織や社会で幅を利かせすぎて言動が疎まれる高齢者、あるいは、傍若無人な振る舞いによって若者に必要以上の負担や迷惑をかけている高齢者などを指す表現。ひらたく言えば迷惑な老人を侮蔑交じりに指す表現。
ーWeblio辞書

本来はこのような高齢者を指す言葉だが、しばしば大学生の間では

老害…サークルやゼミなど特定のコミュニティ内に居座り続ける、または不必要に気を使わせる厄介な上級生、あるいは、飲み会や行事に出没しパワハラまがいの振る舞いをするOB/OG。ー私調べ

といった意味合いで使われることがある。

私が非常に興味深く感じているのは、一般的に「老がい」という言葉が若者が高齢者を非難する場面で使われているのに対し、

大学生の間では、上級生が上級生自らに対して自虐的にこの言葉を使う場面が多い点である。

いくつか例を出そう。


例①
後輩A「○○先輩、今度のイベント来ないんですか?」
先輩B「行かないかなー、4年になってまだ顔出すの老がいみたいじゃん」
後輩A「えーさみしいから来てくださいよー」


例②
4年生C「今度のサークルの新歓飲み行く?」
4年生D「いやもう行かないでしょ、老がい扱いされたくないしw」
4年生C「それなwまあ二次会誘われたら行こ」


大学生にとってはとても日常的な会話なのではないだろうか。

また、後輩が先輩をくさすために「老がい」という言葉が使われることもあるが、私が知る限り上級者が自らを指して使う場面の方が多いように感じる。


私には、この言葉が理解できなかったー

(後編へ続く)



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?